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仏壇

仏壇にプリザーブドフラワーを仏花として供えていい?

投稿日:2020年2月10日 更新日:

数あるお供え物の中でも特に重要な役割を持っている花。

仏壇用の供花といえば生花が一般的ですが、段々と萎れてしまう花のお世話や水の入れ替えは、やはり大変ですよね。

それに加えて、落ちた花弁の片付けや花瓶の掃除なども必須となるので、生花をお供えするのは意外と手間がかかります。

そこで、仏花として最近人気があるのが、プリザーブドフラワーです。

今回は、仏壇にプリザーブドフラワーを仏花として供えるポイントや、プリザーブドフラワーの作り方、お悔やみとして贈る際の注意点について解説します。

そこで、仏花として最近人気があるのが、プリザーブドフラワーです。

今回は、仏壇にプリザーブドフラワーを仏花として供えるポイントや、プリザーブドフラワーの作り方、お悔やみとして贈る際の注意点について解説します。

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プリザーブドフラワーとは?

生花や葉を特殊な液体に浸けて水分を抜き、加工したもののことをプリザーブドフラワーといいます。

少しカサついた質感で、すぐに色褪せてしまうドライフラワー(生花を乾燥材の中に埋めたり室内に吊るしておいたりして乾燥させたもの)とは違って、生花そのものの自然な質感や鮮やかな色を楽しめるのがプリザーブドフラワーの特徴です。

プリザーブドフラワーは高温多湿や直射日光、強い光などを苦手としますが、それらに気を付けてさえいれば数年間は変わらない美しさを鑑賞でき、長期に渡って楽しむことのできる花として人気です。

花特有の香りもなく、花粉が落ちる心配もないので、強い香りが苦手な方や、花粉症の方などにも贈ることが可能で、自分用でなく、大切な人へ贈るプレゼントとしても非常に需要があります。

プリザーブドフラワーを仏花として仏壇にお供えしていい?

仏壇にお供えする花は生花でなくてはならないという声もあり、こちらの問題については賛否両論あるのですが、基本的にはプリザーブドフラワーを仏花として仏壇にお供えしても問題はありません。

なかには、プリザーブドフラワーを仏花として飾ることに反対されることもあるかもしれません。

しかし、生花をお供えし続けるのは金銭的理由や手間、体力などの問題で難しいこともあるため、自分自身の状況によって供花を生花にするか、それともプリザーブドフラワーにするかを選んで良いでしょう。

また、法要などの特別な供養の際には生花をお供えし、それ以外の平常時にはプリザーブドフラワーをお供えするという方法もおすすめです。

プリザーブドフラワーを仏花にするメリット

プリザーブドフラワーには沢山のメリットがありますが、以下では主に、プリザーブドフラワーを“仏花にする”メリットについて説明します。

枯れる心配がなく、手間がかからない

何と言っても、プリザーブドフラワーには枯れる心配がなく、手間がかからないということがメリットといえます。

枯れる心配がないので、仏壇に落ちた花弁や花粉の片付けをする必要がなく、さらには、水の入れ替え、花瓶の掃除も必要なくなります。

花弁や花粉の片付けや水の入れ替えは、その行為だけを取り出して考えるとなんてことない作業の1つですが、これがほぼ毎日続くとなると、やはり負担は大きくなり、意外とストレスに感じてしまうものです。

これらの花の世話に充てていた時間を故人やご先祖様を偲ぶ時間にしたり、自分の好きなことをする時間にすれば毎日がもっと穏やかなものになるかもしれません。

仏花を買う頻度が低くなり、経済的

プリザーブドフラワーは、数年間楽しむことができる花ですから、生花のように頻繫に購入する必要がなく経済的であるという点もメリットの1つです。

生花に特殊加工を施したものがプリザーブドフラワーなので、プリザーブドフラワー自体の単価は基本的に生花より高いですが、長い目で見れば確実にプリザーブドフラワーを購入する方が節約になり、経済的にお得といえます。

故人やご先祖様などの供養に、週に1度ほど500円から1000円程度の生花を購入してお金をかけるのも勿論素敵なことですが、それによって生きている私たちが困窮してしまっては元も子もなくなってしまうので、仏花に毎週お金を払う余裕がない方には特に、プリザーブドフラワーをおすすめします。

買い物に行けないお年寄りや家を空けがちな人にもぴったり

先ほども述べた通り、プリザーブドフラワーは数年飾ったままにしておける花なので頻繫に買い直す必要がなく、体力的の問題で買い物にいけないお年寄りや、仕事などの都合で毎日家に帰ることができない方にはかなりメリットを感じてもらえる花です。

若い頃のように自由に身体が動かせないこと、それによって大事な仏壇にお供えする仏花を買いにいけないことにさみしさを感じてしまうお年寄りや、自宅を空けがちで仏壇に花をお供えできないことに申し訳なさを感じてしまう方には、ぜひプリザーブドフラワーをお試しいただきたく思います。

仏花としてプリザーブドフラワーを購入する際の注意点

つづいて、仏花としてプリザーブドフラワーを購入する際の注意点について説明します。

花の種類

仏花としてお供えする花に厳格な決まりはありませんが、トゲや毒のある花、ツタのある花、香りが強い花は避けるべきとされています。

これらを厳守する必要はないのですが、不安な方については、プリザーブドフラワーの場合、香りはほとんどなく、香りが強い花はありませんから、ツタやトゲの有無などを気にすれば特に問題はないでしょう。

また、生花の場合、仏壇にお供えする花には菊やカーネーションなど日持ちのする花、季節の花、故人が好きだった花などがおすすめと言われていますので、プリザーブドフラワーについては特に故人が好きだった花を選ぶのが良いと思います。

プリザーブドフラワーにおいても季節感を演出したいという方は、四季折々のプリザーブドフラワーを用意しておいて、季節ごとにお供えするプリザーブドフラワーを変えてみるのもいいかもしれませんね。

花の色・本数

花の色に関してもそこまで厳格な決まりはありませんが、四十九日までは白い花、それ以降は白・黄・紫の3色や、白・黄・紫・ピンク・赤の5色で構成された花束が望ましいという声もあります。

それ以外の色がいけないと言うわけではないので、故人が好きだった花の色などが分かる場合はそういった色合いで構成されているプリザーブドフラワーを購入すると良いでしょう。

また、花の本数に関しては、基本的には3本、5本、7本などの奇数にするのが決まりです。

プリザーブドフラワーを購入する際に花の数を数えるのは少し大変ですが、気になる方は本数が奇数になっているプリザーブドフラワーを購入しましょう。

プリザーブドフラワーは一対準備する

プリザーブドフラワーを購入する際は、できるだけ一対購入しておくことをおすすめします。

これは、仏壇を飾る形式には、三具足(香炉1つ・ロウソク立て1つ・花立て1つ)や五具足(香炉1つ・ロウソク立て2つ・花立て2つ)などという形式があり、その中でも仏花を1対必要とする五具足が、正式な飾り方とされているためです。

なかには仏壇のサイズの問題で仏花を1つしか飾れないという方や、手間の問題でロウソク1つ、仏花1つの飾り方しかできないという方もいらっしゃると思いますが、そういう場合は、普段の供養の際には三具足の飾り方でもいいので、プリザーブドフラワーも1つの用意で構いません。

しかし、法要などの特別な供養の際には五具足の形式で飾る選択肢も選べるように、できれば一対用意しておくと安心です。

仏壇に合わせて小さいサイズ・大きいサイズを選ぶ

プリザーブドフラワーを購入する場合は、仏壇に合ったサイズのものを購入することが大切です。

サイズを考えて購入しないと、大きな仏壇に対してプリザーブドフラワーが小さく、どこかさみしい印象になってしまったり、逆に小さな仏壇にプリザーブドフラワーが収まらず再度購入し直さなくてはいけなかったりと、残念な結果になってしまう可能性もあります。

そういった事態を避けるためにも、一般的に仏花は仏壇の最下段に香炉やロウソクと並べて飾るか、前机(前卓)に香炉やロウソクと並べて飾りますから、それらのサイズに対してプリザーブドフラワーのサイズが適切か、同じ場所に香炉やロウソクを置くスペースが十分に確保できるか(五具足の形式でも置けるか)などについてしっかり考えた上で購入するようにしましょう。

プリザーブドフラワーの作り方

プリザーブドフラワーは手作りすることも可能です。
材料さえしっかりと揃えれば特に難しい手順はないので、気軽な気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

【必要な道具、材料】

  • ピンセットなど、花をつまむもの 
  • ゴム手袋
  • ハサミ キッチンペーパー
  • 容器(密閉できるタッパーなど)
  • アルミホイル
  • シリカゲルなど、乾燥剤(お菓子に入っているものも可)
  • 6~7分咲きの生花(液に浸かりやすい小ぶりの花や、花弁の落ちにくい花、丈夫な花がおすすめ)
  • 消毒用エタノール
  • 精製グリセリン
  • プリンターや万年筆のインク・食紅など、着色料(絵具は不可)

【作り方】

  1. 生花の茎を水に浸け、水中で10センチほどの長さまで茎をカットする
    水揚げがいいように茎を斜めに切ると尚良い
  2. 茎の切り口を30分~数時間程度水に浸けて花に吸水させ、元気な状態にする
  3. 花から3ミリほどの長さで茎をカットする
  4. 容器にエタノールを入れ、花全体を浸ける(沈める)
  5. 花が浮いてくるようであれば落とし蓋をするようにアルミホイルで蓋をし、さらに容器専用の蓋をして、1日置いておく
  6. 別の容器(電子レンジ対応のもの)にグリセリンと水を、2対1の割合で混ぜ、着色料を入れる
  7. 6を電子レンジで35℃ほどまで温めたら、5の花の茎をそこに浸け、好みの色になるまで数日ほど日陰で吸水させる
  8. キッチンペーパーで花の水分を優しく丁寧に拭き取り、乾燥剤と一緒に容器に入れて密閉し、花が乾燥するまで数日ほど置いておく
  9. 箱・花瓶・土台用のフォーム(オアシス)・ワイヤー・フローラルテープなどを必要に応じて準備し、プリザーブドフラワーを飾る

以上がプリザーブドフラワーの作り方です。

自分で手作りすることで、故人の好きだった花や仏壇に合うサイズ、部屋に合ったデザインのプリザーブドフラワーを作ることができるので、興味がある方はぜひ作ってみてくださいね。

プリザーブドフラワーをお供えとして購入する際のおすすめ商品

では、プリザーブドフラワーを仏壇用に購入する際のおすすめ商品をご紹介します。

仏花に人気のプリザーブドフラワー

【枯れないお花】お供えアレンジメント『白妙』

こちらはお供え物の贈り物としても人気のあるプリザーブドフラワーです。
白を基調としているので、贈り先の好みが分からない場合でも選びやすいのが特徴といえます。

ミニサイズのプリザーブドフラワー

プリザーブドフラワー仏花 花巡

こちらはミニサイズのプリザーブドフラワーです。
小ぶりで置きやすく、様々な色のバリエーションもあるので嬉しいですね。

仏壇用に一対になっているプリザーブドフラワー

『清』プリザーブドフラワー仏花

こちらは五具足の形式でも飾ることのできる、一対で販売されているプリザーブドフラワーです。
デザインもオーソドックスなので、どの仏壇にも合いそうです。
花瓶はついていませんので自分で用意する必要があります。

変わったデザインのプリザーブドフラワー

仏花ドーム永咲

こちらは樹脂ドーム付きのプリザーブドフラワーです。
ドームがあることでデザイン性も高くなり、華やかな印象があるほか、埃の掃除も簡単で実用的でもあります。

プリザーブドフラワーをお供え物として贈る際の注意点

プリザーブドフラワーはお供え物として贈ることも可能ですが、いくつか注意するべき点があります。

基本的には自分で仏花としてプリザーブドフラワーを購入する際の注意点と同じなのですが、他の方に贈る際にはそれらに加えてさらに注意する点がありますから、事前に確認しておきましょう。

葬儀の花輪や枕花としては贈らない

葬儀などで、花輪や枕花として飾られている花は、基本的には生花であってプリザーブドフラワーではありません。

突然の訃報で、故人やご遺族のことを思うとお花を贈りたくなってしまう気持ちも分かりますが、そこでプリザーブドフラワーを贈るのは、失礼になってしまう可能性もあるので、控えておいた方が確実です。

また、プリザーブドフラワーでなく、生花を花輪や枕花として贈る場合も、前もってご遺族に連絡をとり、了承を得てから贈るようにしてください。

プリザーブドフラワーを贈ってもいいか確認する

あらかじめ、贈り先にプリザーブドフラワーを贈ってもいいか確認することも大切なポイントです。

先に述べたように、プリザーブドフラワーを仏花としてお供えしていいかについては意見が賛否両論あるのが現状です。 宗教や宗派によって意見が異なる場合もありますし、地域や家族によって意見が異なる場合もあります。

せっかく故人やご遺族の方を思ってプリザーブドフラワーを贈るというのに、余計に傷つけてしまったり不快感を抱かせてしまったりしては本末転倒ですから、前もってしっかりと確認しておきましょう。

プリザーブドフラワーを仏花として活用しよう

以上、プリザーブドフラワーを仏花として仏壇にお供えする際のポイントについて解説しました。

仏花には厳格でないにしろ色々な決まりがあって、プリザーブドフラワーは余計に肩身が狭いこともありますが、そういったことよりも故人やご先祖様のことを思う気持ちが一番大切です。

毎日生花をお供えしなくてはと気を配ることで日常に困難なことが起こるのであれば、それはそれで故人やご先祖様が私たちを心配してしまうでしょう。

そのためにも、程よく肩の力を抜いて、普段の供養はプリザーブドフラワーを使用し、法要などの特別な供養のときには生花を飾るなどの折衷案を使ったりして、供養と日常の生活を楽しく過ごしていただければ幸いです。

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