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葬儀

我が家で送る「自宅葬」とは?葬儀の準備と流れ

投稿日:2019年1月10日 更新日:

自宅葬のイメージ1

ひと昔前までは、寺院や葬儀会館などを利用して、比較的規模の大きな葬儀が主流でしたが、近年では、家族葬や一日葬、直葬(火葬式とも呼ばれる)など、弔問客が少なく、小規模な葬儀を考えている人が多くなっています。

もし規模が大きくない葬儀であれば、「自宅葬」ができるかもしれません。
長年住み続けた思い出が詰まった自宅で、自分の葬儀を執り行ってほしいと願っている人も少なくないでしょう。

今回は自宅葬について、自宅葬の流れや準備するもの、費用の相場や自宅葬のメリットデメリットなどについてみていきます。

■自宅葬とは

自宅葬とは、文字通り自宅で葬儀を執り行うことです。

葬儀会場で行うような決まりきった葬儀と違い、自宅葬は自由度が高いので、その家らしい、故人らしい葬儀を執り行うことができます。

これまでの葬儀と言えば、一般葬が多く、近所の知り合いや会社関係などを含めて多くの弔問客が訪れてくれ、電報やお花などが供えられ、派手なスタイルの葬儀でした。

近年では、ごく近しい人や親族、家族のみで葬儀を執り行う小規模な葬儀のスタイルが増えています。

また、自宅葬は少人数で執り行うことができるので、マンションでも執り行うことが可能だということで、都心を中心に増えつつある葬儀のスタイルになります。

■自宅葬をするときの条件

自宅葬をするときの条件は、「スペースの確保」、「ご近所さんへの配慮」、「葬儀に関わるすべてを遺族だけでできるか」ということになります。

自宅葬を執り行うには、「自分たちで葬儀に関わるすべてを執り行なう」方法と、「葬儀社に依頼する」方法の2通りがあります。

ここでいう自宅葬については、「自分たちで葬儀に関わるすべてを執り行なう」ということで、葬儀社に依頼する方法については、のちほどお伝えしていきますね。

・スペースの確保

ひと昔前までの日本の住宅には、仏間があり、仕切りの襖を外すことで大きな一間ができるので、自宅葬を行うには十分のスペースを確保することができました。

しかし、近年では核家族化が進み、小規模な家族が増えて、家族に合わせて建てられる住宅が多いので、仏間などの部屋が無く、自宅葬が行えるスペースの確保が難しいと思われています。

弔問していただける人数にもよりますが、遺体を安置するスペースと枕飾りの祭壇が置ける6帖ほどのスペースがあれば、自宅葬を行うことが可能になります。

ただ、マンションなどで自宅葬を執り行おうと考えている場合は、エレベーターの問題と住人規約の問題があります。

住人規約については、マンション内で葬儀を禁止している規約、条文が無いかを確認する必要がり、エレベーターについては棺がエレベーターに乗るのかどうかの確認が必要になります。

マンションで自宅葬を執り行おうと考えている場合は、必ずこの2点について確認をするようにしてください。

・ご近所さんへの配慮

ご近所さんへの配慮は、自宅に棺を入れたり、弔問客が訪れたりするなど、自宅に出入りをする回数が増えるので、事前にご近所さんへの声掛けを忘れないようにしてください。

車で弔問に訪れることもあるので、近隣に車が駐車できるスペースがあるのかも事前に確認しておきましょう。

また、お線香の匂いや霊柩車が出入りすることも、ご近所さんには一言付け加えて伝える配慮も必要ですね。

・葬儀に関わる全てを遺族だけでできるか

自分たちで自宅葬を執り行うには、葬儀に関わる全てのことを遺族でしなければいけません。

遺体を自宅まで搬送する方法、遺体を安置する部屋の掃除、遺体を安置するために装束を着せたり、祭壇の設置などの準備が必要であったり、自宅葬の式の進行、終了後の片付けなどさまざまなことをしなければなりません。

準備内容など、具体的にどのようなことをしなければいけないのかは、自宅葬の流れで詳しくみていきますので、ここでは触れませんが、自宅葬を執り行うには事前に十分な準備をする必要があります。

自宅葬を執り行うには、作業の負担と事前の準備が必要不可欠になるので、自宅葬を考えている場合は、家族とよく話し合って決めるようにしてください。

■自宅葬の準備と流れ

それでは、自宅葬を実際にするには、どんな準備が必要なのでしょうか。

・自宅葬の流れ

今回は、故人が病院で亡くなり、自分たちで自宅葬を執り行うという想定での流れについてみていきます。
自宅葬の流れは以下のようになります。

1.遺体の搬送(病院から自宅)
2.死亡届の提出
3.僧侶や牧師への依頼
4.火葬場の予約と手続き
5.棺や安置用のドライアイス、防水シーツの準備
6.納棺
7.遺影写真や骨壺の準備
8.通夜、告別式を執り行う
9.遺体の搬送(自宅から火葬場まで)

・自宅葬で準備するもの

自宅葬で準備しなければならないものは意外にたくさんあります。
普段の生活ではなじみが薄いものが多くあるので、具体的にみていきます。

・遺体の搬送
遺体の搬送は最低でも2回必要になります。死後硬直が始まった遺体を扱い自分たちの車で搬送するというのは、個人では難しいと思われるので、遺体搬送を専門にしている民間サービスを利用するようにしてください。
また、葬儀社に依頼している場合は、遺体の搬送も葬儀社が対応してくれます。

・死亡届の提出と火葬場の手配
死亡届の提出、火葬場の手配ですが、死亡届は死亡診断書などを添えて、死亡後7日以内に役所に提出をする必要があります。
火葬場の手配は、役所から死体火葬許可証を発行してもらい、火葬場に死体火葬許可証を提出して、火葬後に火葬場から埋葬許可証が発行されます。

・僧侶など宗教者の手配
無宗教葬ではない場合は、僧侶などの宗教者を手配する必要があります。
仏教式であれば僧侶、神式であれば神主、キリスト教式であれば牧師や司祭を手配します。
普段からお世話になっているお寺や神社、教会に連絡しましょう。
もしそういったところがなければ、近くのお寺や神社、教会などに連絡して、来てもらえるかを相談してみましょう。

・棺、枕飾りなどの物品
葬儀に必要な物品は、棺や枕飾りの祭壇、遺影写真、保存用のドライアイス、部屋が濡れないようにする防水シーツ、三具足、旅支度一式、花、骨壺などがあります。
葬儀社に葬儀を依頼している場合は、そこで用意してくれるでしょう。
三具足とは、香炉(こうろ)、燭台(しょくだい)、花立を各一つずつで一組となる仏具の事です。
旅支度一式とは、故人を棺に納める納棺の儀で、故人が最後に身につける白装束のことです。
用意する花は、式場内を彩るためのお花、出棺のときに棺の上に乗せるためのお花になります。

自宅葬で準備しなければいけないものはたくさんあり、用意するのは大変な労力を必要とします。

自宅葬に必要なものを単体で売ってくれるお店はあるの?と思われるかもしれませんが、近年ではインターネットの通販サイトで葬儀品を購入することができるようになっています。

通販サイトで購入できるとはいえ、自宅に届くまで時間がかかる、実物が見られないなどのデメリットはありますが、自宅葬までに時間がある場合は、必要に応じて通販サイトを利用するようにしてください。

■自宅葬を葬儀社に頼む

ここまで自宅葬の流れや自宅葬で準備しなければいけないものをみてきましたが、自宅葬を執り行うには、さまざまな手続きと準備するものがあります。

自宅葬を葬儀社に頼むと、こういった手続きや準備にかかる労力と時間の節約ができるので、心身的な負担も軽減することができます。

近年では小規模の葬儀を取り扱う葬儀社があるので、自宅葬をしようかと考えている場合は、自分たちで葬儀に関わるすべてを執り行なう方法と併せて、葬儀社に依頼する方法があることも覚えておいて、複数の葬儀社から見積もりを取るようにしましょう。

・自宅葬の費用の相場

自宅葬の費用の相場は、一般葬と比べてリーズナブルな金額になり、30万円から50万円が相場の目安になります。

一般葬に比べて、弔問に訪れる参列者が少なく、近親の家族のみで執り行うことから必要なものやサービスが必要最小限にしてあるので、その分費用が抑えられることができています。

この費用は、葬儀社に依頼した場合の費用の相場になるので、自分たちで葬儀に関わるすべてを執り行なう場合は、さらに費用を抑えることができます。

■自宅葬のメリットとデメリット

住み慣れた自宅で執り行なえる自宅葬は、家族にとっては少人数で、静かに落ちついて葬儀ができます。
一方、スペースの問題や準備の手間や労力の問題があって、実際に行うのは難しい面もあります。

ここからは、近年増えつつある自宅葬のメリットとデメリットについてみていきます。

・自宅葬のメリット

自宅葬のメリットは、何と言っても故人が住み慣れた家で最後の別れができることです。
病気などで療養生活を長く病院で過ごした故人にとって、最後は家で過ごしたいという気持ちは強く、できることなら叶えてあげたいと思うのではないでしようか。

自宅葬では、葬儀場で行う葬儀に比べて時間的な制限が少なく、故人とゆっくり向き合える最後の時を過ごすことができます。
家族などの近親者のみで行うことが多いので、和気あいあいとした雰囲気で、和やかに葬儀を行えるので、故人もきっと喜んでくれるのではないでしょうか。

・自宅葬のデメリット

自宅葬のデメリットは、自宅葬を行うスペースの問題、マンションなどではエレベーターに棺が入るのかという問題があります。

また、家に棺の出入りや弔問客の出入り、霊柩車の出入りなど近隣の家や部屋に配慮をする必要があります。
出入りによる騒音やお線香による香りなども、迷惑になることもあるので、注意が必要です。

■まとめ

ここまで、自宅葬について、自宅葬の流れや準備するもの、費用の相場や自宅葬のメリットデメリットなどについてみてきました。

自宅葬には、故人の希望が叶えられる、住み慣れた家で思い出深い葬儀ができるというメリットはありますが、自宅葬を執り行うのに必要な手続や準備しなければならないものが多く、その準備に労力と時間がかかってしまいます。

また、自分たちで自宅葬を行うことで、書類の不備や近隣との揉め事など思わぬトラブルに巻き込まれることがあり、そんな時は自分たちで解決しなければならなくなります。

自分たちで自宅葬を行うより、費用は高くなってしまいますが、葬儀社に依頼することで、必要な手続きと準備にかかる時間と労力が軽減できるます。
トラブルの発生を抑えることもできますので、自宅葬を考えている場合は、葬儀社に依頼することをおすすめします。

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