神棚の作法やお供えものは知らない人も多いのではないでしょうか。
神棚は神聖であり故人や神様を祀る大切な棚になります。
今回は、神棚の作法やお供えもの、参拝するときの流れについて詳しく解説していきます。
神棚とは
神棚は神様を祀るための棚です。
神様と言っても、キリスト教などの唯一神ではなく、自然現象など身の回りの様々なものに宿る多神教の神様です。
神棚には神社からいただいたお札や祖先の魂を祀っています。
祀る御札は最も位が高い神社として有名な「伊勢神宮」が中心になっています。
神棚はできるだけ明るい場所に設置したり、高温多湿の場所を避けたりするなど、設置にも気を遣う必要があります。
神棚は神聖な場所であるため、定期的な掃除も必要になります。また、お供え物がは腐敗する前に下げます。
仏壇のように先祖代々受け継いで何十年、何百年と使用するものではないため、数年間おきに新しい神棚を購入しましょう。
神棚を処分する際は普通に捨てるのではなく、神社で祈祷をしてもらった上で処分か、「お焚き上げ」で祈りながら処分します。
神棚の祀り方
神棚は故人や神様を祀るために大切です。
ここでは、神棚の祀り方について詳しく解説していきます。
神棚を選ぶ
神棚にはさまざまな種類がありますので、自分にあった神棚を選ぶ必要があります。
神棚は神具店やホームセンターで購入することができます。
最近では、ネットが普及したことによりアマゾンや楽天、メルカリなどのネットで購入することもできるようです。
神棚のサイズは重要で、大きすぎると設置できない可能性もでてくるため、サイズを誤らないようにしてください。
扉の数は一社造りと三社造りに分かれています。一社造りは正面から見て扉が一箇所なのが特徴で、三社造りは正面から見て三箇所に扉が付いているのです。
当然三社造りの方がサイズは大きいです。設置場所のサイズを測ってから神棚を購入しましょう。
また、神棚の選び方には材質も重要です。
「茅葺き」は神棚の神聖な雰囲気が出て魅力的です。
ただ、手入れの面では手間になるデメリットもあります。
「板葺き」は「茅葺き」と比較して神聖な雰囲気には欠けますが、シンプルなデザインで手入れが簡単なメリットがあります。
ぜひ、神棚選びは後悔のないよう選んでください。
神棚を設置する
神棚を設置する際にはいくつか気にする点があります。
まずは明るい場所に設置することです。
また、台所やトイレ、風呂の近くも神棚の設置には向いていません。
どうしても設置する場所がないならしかたないですが、できれば水回りや汚れがつきやすい場所は避けます。
設置する場所に向いているのが南向きや東向きの部屋がおすすめです。
なぜなら、太陽の光が入ってきやすく、湿度も少ないためカビが生えるリスクも少ないためです。
仏壇がある部屋と一緒でも問題ありませんが、向かい合うような位置や、神棚の上に仏壇がくるような位置は避けます。
神棚にお供えするもの
神棚にはお供えするものには厳格な決まりはありません。
ただ、基本となるお供えものはありますので、いくつかおさえておいたほうがいいでしょう。
ここでは、神棚にお供えするものについて解説します
米・水・塩
神棚にお供えするものは米、水、塩が基本です。
お供えものは故人が好きだったものをお供えしてもいいですし、厳しく定められているわけではありません。
ただ、米、水、塩はどの家庭でもお供えものとして出している傾向があり、毎日交換してきれいな状態を保っています。
葉っぱ(榊)
榊は神棚の両脇に配置します。
榊は毎月1日と15日に交換することが多いですが、生けているお水は毎日交換したましょう。
ただ、忙しくて毎日交換するのが難しい人は、1週間毎や5日毎でも問題ありません。
御神酒
神棚にお供えするものとして御神酒(おみき)が挙げられます。
御神酒は披露宴、初宮詣、地鎮祭などの日本古来の祭礼にも使われるお酒です。
霊力が宿った神聖なお酒だといわれており、日本の歴史と関係が深いお酒です。
鏡餅(正月)
鏡餅は正月にお供えします。
また、正月はお雑煮と一緒に鏡餅をお供えして祈りを捧げるようです。
お餅は悪くなりやすいため、すぐに下げて美味しくいただきましょう。
餅はお供えものの中で順位が高いため、お菓子や果物よりも先にお供えする必要があります。
また、お餅は正月以外にもお盆や法事の際にはお供えする人も多いです。
お餅はかたくなりやすく、カビも生えやすい特徴があるため、その日のうちに下げて食べることをおすすめします。
酒・野菜・果物・お菓子(特別な日)
神棚にお供えするものは、酒・野菜・果物・お菓子です。
酒・野菜・果物・お菓子は、何か特別な日にお供えします。
米や水のように毎日交換するとなると、費用もかさみますので毎日お供えする必要はありません。
酒・野菜・果物・お菓子は自分が好きなものより、故人が好んでいたものを優先してお供えしましょう。
神棚に参拝するときの流れ
神棚に参拝する流れを詳しく理解している人は少ないです。
特に若い世代なら全く知らないといったケースも少なくありません。
いざ神棚に参拝する機会があっても困らないように、ここでは神棚に参拝するときの流れをレクチャーしていきます。
1.手や口を洗い清めておく
神棚に参拝するときは手や口を洗い清めておきましょう。
昔から人間の出す息は穢があるとされているため、神聖な神棚に参拝するときは清めた状態が望ましいといえます。
神社で参拝するときも、手や口を清める風習があります。小さい神社と表現されることもある神棚ですので神社と被る点も数多くあるのです。
2.参拝する前に衣服を正す
参拝する前に衣服を正しましょう。
帽子やサングラスは外した方がいいですが、冬場のコートなどの防寒具は着たままでも失礼にあたらないとされています。
自宅に設置する神棚はパジャマでも私服でも基本的に大丈夫ですが、一度チェックしてから参拝するといいでしょう!
3. 二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)
神棚や神社の参拝は二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)が基本です。
二拍手を叩く時に祈りを捧げるのが一般的ですが、じっくり祈りを捧げたいときは二拝二拍手一拝の作法を全てすませてから祈りを捧げる人もいるようです。
神棚の前に進んだら深く頭を下げて2度お辞儀します。
仏様への感謝の気持ちを抱きながらお辞儀するようにしましょう。
2回手を叩いて1度お辞儀し、最後に軽く頭を下げて一歩下がります。お辞儀の角度は「45度」、深く頭を下げるときは「90度」体を折る意識を持ちましょう。
手を叩くときは、両手を胸の高さできちんと合わせ、右手を少し引いて拍手を打ちます。また、手を叩く際には祈りながら叩きます。
打ちます。また、手を叩く際には祈りながら叩いてください!
神棚のその他の作法
ここでは、神棚に関するその他のマナーについて解説します。
旅行中はお供えを下げる?
旅行中のお供えものは期間によっては全て下げる場合もあります。
例えば、賞味期限が1週間のお菓子があり、1ヶ月の旅行に行くなら状態が悪くなってしまうでしょう。
そのため、状態が悪くなると予想できるお供えものは全て下げた方がいいです。
一方で、旅行の期間が短い場合は、悪くならないお供えものはそのままにしても問題ありません。
毎日交換する米や水などは旅行中は下げた方がいいでしょう。
喪中の神棚封じについて
喪中の神棚封じは、神棚を封じるためお供えものしない、お掃除を避けるなど、さまざまなルールがあります。
また、お歳暮やお中元を贈らないことも一般的です。
ここでは、喪中の神棚封じについて徹底解説していきます!
喪中の神棚封じの意味
神棚封じは死の穢れを神様のいる神棚に入らないようにする意味を持っています。
大切な家族が亡くなったときから、喪中まで神棚へ参拝しないことはもちろんのこと、神社への参拝も控えるべきだといわれています。
新道では死ぬことは穢れを意味するため、死が神聖な神棚に入らないよう除去しなければいけません。
また、昔は死ぬことだけではなく出産も穢れだと捉えていて、別の喪屋をつくりそこに隔離するようにしていたそうです。
家族が亡くなることで元気がなくなり運気が落ちるともいわれており、喪中の神棚封じは死の穢れから遺族が回復するまでの期間だといえるでしょう。
喪中に神棚を半紙で隠すのはいつまで?
喪中に神棚を半紙で隠す期間は一般的に「50日間」です。
神棚の扉を閉めて半紙で封じましょう。
「50日間」経った後に白い半紙を取り除き封印を解除します。
神棚封じの期間は参拝してはならないという考え方があり、神棚に触れることも避けた方がいいといわれています。
喪中の神棚のお供えはどうする?
家族が不幸にあった際には神棚には一切触れることはありません。
そのため、お供えものや参拝、掃除も慎むのが一般的です。
本来なら神棚は神聖な場所なので、お米やお水、お塩などをお供え物として出して、掃除も行いますが、死は穢れとする概念があります。
死は生が枯れ果ててしまった状態であると捉えており、そのような状態で神様と接してはならないとされています。
喪中の神棚封じの際にはお供えものは慎むようにしましょう。
まとめ
神棚の作法やお供えもの、参拝するときの流れについてご紹介しました。
神棚について詳しいという人は少ないですし、いざ設置するとなったときのために理解を深めておくと役立ちます。
清らかな気持ちで神棚にお参りしてください!