誰しもが耳にしたことのある“断捨離”。
世間で話題になったこともあって、自分もやってみようと意欲が湧いた方も沢山いらっしゃると思います。
断捨離=物を捨てることだと思ってしまいがちですが、実は物を捨てるだけが断捨離ではありません。
では、断捨離とは一体何なのでしょうか。
今回は、断捨離の考え方や初心者の方でも簡単にできる断捨離のやり方について、分かりやすく解説します。
断捨離とは?
断捨離は、入ってくるいらない物を断って、家にあるいらない物を捨て、物の執着から離れることです。
“断”が入ってくる物を断つこと、“捨”が家にあるいらない物を捨てること、そして“離”が物への執着から離れることを指します。
断捨離はヨガが由来となっているため、ただ物を捨てる片付け的な要素だけでなく、精神的な要素が含まれていることも特徴の1つです。
断捨離の効果
断捨離には、様々な効果(メリット)があります。
- 部屋が綺麗になる
- 人を招くことができる
- 生前整理ができる
- 無駄遣いを防ぎ、金銭的余裕ができる
- 物を探す時間や片付ける時間が減り、時間にも余裕ができる
- 心の余裕が生まれ、心身ともに健康になる
- 物を取捨選択するため、決断力が上がる
- 自分に本当に必要なものが分かる
- 1つ1つの物を大切にできる
- やり遂げた達成感などから、自分に自信がつく
上記で紹介した以外にも、断捨離の効果はまだ沢山あります。
何か1つでも自分に備わってほしい効果がある場合は、思い切って断捨離を実行してみてはいかがでしょうか。
断捨離はどこから始める?おすすめの順番
断捨離のおすすめの順番は以下の通りです。
1.洋服
2.本
3.書類
4.小物類(文房具やキッチン用品など)
5.思い出の品(写真や手紙など)
取捨選択の難易度が低い洋服から順に断捨離を行っていくと、次第に判断力・決断力が向上していくため、最後の“思い出の品”に関しても、比較的断捨離しやすくなります。
いざ断捨離を始めようとしても、細々とした小物類やクローゼットから溢れかえった洋服、荒れたリビングなど、気になる箇所が多すぎて一体何から手を付けたら良いのか分からないという方はぜひこちらの順番で断捨離を試してみてください。
断捨離の具体的なやり方
では、断捨離の具体的なやり方について説明します。
まずは全体で共通するやり方を説明し、そのあと洋服や本など、種類別に言える断捨離の基準について説明しますので、自分の片付ける姿・自分の部屋にある物を想像しながらお読みいただければと思います。
断捨離全体のやり方と流れ
1.前日にごみ袋・軍手・マスクなどの断捨離に必要なものや断捨離中の食料をあらかじめ準備しておく
断捨離の途中でごみ袋や食事を買いに行ってしまうと、中だるみしてしまったり、「今日はもういいや」と後日に引き伸ばしてしまったりする可能性が高いため、必要なものは前もって用意しておきましょう。
そうすると当日は、断捨離が終了するまで部屋から出ることが無くなり、最後まで集中して断捨離をやり遂げることができます。
2.綺麗になった部屋・そこで過ごしている自分などをイメージする
このイメージをしっかり持っておくことで、モチベーションを維持することができます。
また、想像していた通りの部屋にするという目標を達成することでさらに自信をつけることもできるので、できれば飛ばさずに実行していただきたい工程です。
3.洋服や本など同じ種類の物を1箇所に集める
1箇所に集めると、自分が同じ種類の物をどれだけ持っている(=これだけ持っているなら片付けなくてはいけない)ということが一目で判断できます。
また、最初に全て集めると、減らした量も分かりやすく、「これだけ減った!」と楽しみながら断捨離することもできておすすめです。
4.捨てるものではなく、いるものを選ぶ
断捨離というと、思わず捨てるものを選んでしまいそうになりますが、そうするとあまり捨てたいと思うものが見つからず、結果、物が大して減らなかったという事態に陥ってしまいがちです。
そのため断捨離においては、捨てるものではなく、いるものを選ぶのが大切です。
端的にいるものと言っても「まだ太っていて着られないけど痩せたら着るから」「いつか使う機会があるかもしれないから」など、いるものとして選んだ理由に“まだ”や“いつか”という言葉が浮かぶものは、いるものには入りません。
この方法で取捨選択していくと、本当にいるものは意外と少ないため、かなりの量を減らすことができます。
5.処分するものをまとめる
いるものに選ばれなかった物をごみ袋に入れるなどして、まとめておきます。
詳しい処分の方法については、後述します。
6.収納する
いるものとして選んだ物を収納していきます。
洋服や本など同じ種類のものは同じ場所にまとめること、取り出しやすく、しまいやすいところに入れることを重視して収納することが大切です。
取り出しやすく、しまいやすいところというと少し分かりにくいかもしれませんが、2回目の工程で物に触れる・物を戻せることができるように収納すると出し入れしやすいと言われています。
【例】
クローゼットを開ける→ラックなど(引き出しを開ける工程のないもの)に畳んでいる服を取ることができる
戸棚を開ける→ペン立てに入ったペンを取ることができる
洋服を断捨離する基準
洋服を断捨離する場合、いるものを選ぶ基準としては自分が現在(~1年の間で)着用している洋服、好きな洋服を基準に選んでいきます。
反対にいうと、1年以上全く着ていない服や毛玉がついていたり生地が擦り切れたりしてボロボロになった服、流行を過ぎてもう着ない服などは処分すべき服です。
洋服は特に量が多くなりやすい物なので、テンポよく判断していきましょう。
本を断捨離する基準
本を断捨離する場合、いるものを選ぶ基準としては、今現在読んでいる本や読み直したい本、絶版した本などを基準に選んでいきます。
反対に、もう読み直すことが無さそうな本などは、思い切って処分することをおすすめします。
「もし読みたくなったら、買い直せば大丈夫」と自分に言い聞かせて処分しましょう。
本を断捨離する際は、基本的に表紙だけを見て判断することが大切です。
内容を軽く読んでから判断すると、読みふけってしまう可能性が高く、結果として断捨離を中止してしまう事態になりかねません。
そのため、表紙を見て内容を思い出すことのできない本は、特に記憶に残るような本じゃなかったと割り切って処分するのも1つの方法です。
書類を断捨離する基準
書類は、年金手帳やおくすり手帳、源泉徴収票、数年分の給与明細書などの重要書類だけをいるものとして残しましょう。
それ以外は、基本的には全部捨てるくらいの気持ちを持って選別していきます。
特に家電の取扱説明書などは、あまり見返す機会もなく、最近はインターネットで家電の型番号を入力すると閲覧できるようになっているので、処分してしまって大丈夫です。
どうしても不安な方は、自宅の取扱説明書をスマホ内部にまとめておけるアプリや、書類をスキャンしてデジタル化できるサービスなどに残しておきたい書類をまとめてから手元の書類を処分すると良いでしょう。
小物類(文房具・キッチン用品など)を断捨離する基準
小物類には様々な種類があるので、代表して文房具とキッチン用品の断捨離基準について説明します。
文房具は、1アイテムにつき1点という基準でいるものを選んでいきます。
シャープペンシルは1本、物差しは1つ、というふうに、同じ役割のものを2つ以上いるものとして選ばないようにしましょう。
インクが途切れ途切れにしか出ないペンや、いつ使ったのか分からない文房具については処分します。
キッチン用品は食器や製菓道具など様々ですが、普段よく使うものや汎用性の高いものを基準に、いるものを選んでいきましょう。
反対にいうと、塗装の剥げている食器やひびの入った食器、滅多に使わない道具などが処分の対象となります。
思い出の品(写真・手紙など)を断捨離する基準
思い出の品の断捨離基準はかなり難しいのですが、一目見て残したいと思うものや、その思い出の品についてのエピソードを覚えているものなどを、いるものとして選んでいきます。
思い出の品は、処分してしまうと後悔することも多く、再度手に入れることもかなり難しい(あるいは不可能な)ため、あまり無理して捨てる必要はないという声もあります。
書類と同じく、手紙や写真、お子様・お孫様が描いた絵などはデジタル化してまとめることもできるので、自分に合った方法を試してみてください。
断捨離のコツ
つづいて、断捨離をやり遂げるためのコツをいくつか説明します。
一気にやりきる
人にもよりますが、断捨離は、モチベーションが上がっている間に種類別に一気にやりきることがおすすめです。
種類別なので、洋服は洋服、本は本で短期間の内に一気にやりきるようにします。
数ヵ月の間で少しずつ断捨離を行おうと思っている方もいらっしゃると思いますが、いずれやらなくなってしまう可能性もあるので、できるだけ1日~数日程度でやりきるくらいの気持ちで断捨離を行うようにしましょう。
1人でするか友人等に手伝ってもらうかを決めておく
基本的には、1人で集中して誰からの意見にも惑わされることなく自分の意見だけで取捨選択をしていくとスムーズに断捨離を行うことができます。
しかし、優柔不断な方や、自分だけだとサボってしまうという方に限っては、信頼できる友人や家族などに断捨離を手伝ってもらうのもおすすめです。
断捨離を手伝ってもらうといっても、いる・いらないを最終的に判断したり、実際に収納したりするのは自分自身でしなくてはなりません。
友人や家族には、アドバイスをしてもらう程度、あるいはあなたがサボらないようにその場にいてもらう程度の手伝いをお願いしましょう。
自分が把握できる量だけ残す
断捨離ではいるものを選ぶのがポイントと述べましたが、だからといってあまりにも多くのいるものを選んでしまっては断捨離の意味がありません。
そのため、いるものは自分が把握できる量のみ選ぶのが断捨離のコツです。
把握できないほどにいるものが残っているのであれば、もう一度見直すことで断捨離の完成度をさらに上げることができます。
捨てるものの処分方法
断捨離で捨てると判断したものの処分方法には、市町村の処分方法に従ってごみに出す・必要としている人に譲る・フリマアプリで販売するなどがあります。
自治体のゴミ収集に出す
一番推奨したい方法は、勿体ないですが、市町村の処分方法に従ってごみに出すという方法です。
これは環境問題的にはあまり良くない方法かもしれませんが、断捨離の観点のみから言うと、すぐに捨てることができるので物への執着心が残りにくく、おすすめです。
人に譲る
必要としている人に譲るという処分方法は、その物を必要としている人が見つかっていて、何日後に譲ることが決定しているという場合にのみおすすめの方法です。
まだ譲ってほしいという人が見つかっていない場合は、結局譲る人が見つからず、自分の家で保管しっぱなしになってしまう恐れもあるので、できればこの方法は避けた方が良いでしょう。
フリマアプリで販売する
また、フリマアプリで不用品を販売して処分するという方法は、面倒くさがりな方にはあまりおすすめできない方法です。
フリマアプリはリサイクルができるほか、不用品がお金になるというメリットもあるので良い処分方法だと思われるかもしれませんが、出品するための写真をいちいち撮影したり、売れるまで自宅で保管したり、売れたら丁寧に梱包して発送したりと、意外と手間がかかります。
そういう手間をかけることを苦手とする方は、出品時の撮影で躓いてしまってそのまま自宅保管にしてしまったり、売れるまでの自宅保管で結局ずっと保持しておかなくてはいけなかったり、梱包することなどを思うと面倒で結局販売せずに自宅保管にしてしまったりと、不用品を処分する前に挫折してしまうことが多々あります。
そのため、手間がかかっても苦にならない・一定期間売れなかったらすぐに捨てるなどという判断ができる方のみフリマアプリを使用するようにしましょう。
捨てない断捨離もある
ここまで、いるものを選んで、それ以外は処分するという断捨離方法を説明してきましたが、捨てない断捨離も存在します。
捨てない断捨離とは、いるものかいらないものか判断に迷ったものを1ヵ月間保管しておき、1ヵ月後に改めて、いるものとして選ぶかどうかを考えなおすという断捨離です。
1ヵ月経ってもやはり迷ってしまうという場合は、またさらに1ヵ月間保管しておきます。
これを繰り返しているものを精査していくことで、次第に本当にいるものだけが分かるようになっていき、保管中の物が次第に減ってくるはずです。
断捨離だからいるものを選ばなくてはいけないと根気詰めた結果、いるかいらないかの判断ができず自己嫌悪に陥ってしまう恐れもあるので、たまには“捨てない断捨離”を上手に利用して、ポジティブな気持ちで断捨離をやり遂げられるようにしてみましょう。
リバウンドしない断捨離術を身につけよう
以上、断捨離のやり方や順番、コツなどについて解説しました。
こちらで紹介した断捨離のやり方はあくまで一例であって、必ずしもこのような方法に則って断捨離を実行してなくてはならないということではありません。
人によっては、洋服より小物から断捨離を始めた方がやりやすいかもしれませんし、いるものを選ぶ断捨離よりいらないものを選ぶ断捨離の方が進めやすいかもしれません。
コ決めたことをコツコツと続けられるという方は、一気にやるよりも長期的に断捨離する方法の方がやりやすい方もいらっしゃるでしょう。
人それぞれ、自分流の断捨離術があって構わないので、自分に合ったリバウンドしない断捨離術を模索していただければと思います。
読んでくださった方が断捨離で心も身体も身軽になり、素敵な人生の再スタートがきれることを心から応援しています。