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仏壇

仏壇に供える花の種類と選び方!生花じゃないとダメ?

投稿日:2018年9月25日 更新日:

仏壇にお供えする花の画像1
普段何気なく購入してきている仏花。すなわち仏壇やお墓に供える花ですが、ふさわしい花とそうではない花があるのをご存知でしたか?
また同じ花でも花を長持ちさせる秘訣をご存知でしょうか?
ここではそのような仏壇に供えるのにふさわしい花のご紹介と、その花を長持ちさせる秘訣について解説します。

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なぜ仏壇に花を供えるのか

仏壇にお供えする花の画像2
まず、ちょっとした豆知識として、そもそもなぜ仏壇に花を供えるのかを解説しましょう。

仏教の考え方と花の姿が重なる

その理由はいくつか挙げられますが、1つは花の姿、あり様が、仏教の教えと重なる点にあります。
仏教の僧侶はご存知のように、悟りを開くことを目的に、長年厳しい修行を行い、精進します。
花もその修業の姿と同様に、厳しい寒さや暑さに耐え、自然の中で花開きます。
その花の苦難に耐える姿が、仏教の修業のあり方と重なるために、仏壇に供えるのです。

釈迦のエピソードに花が出てくる

もう1つの理由は、仏教の創始者である釈迦がまだ悟りを開く前の儒童梵士(じゅどうぼんし)と呼ばれていた時代に、燃灯仏(ねんとうぶつ)という名前の仏に会ったエピソードに由来します。
釈迦はその仏をぜひ供養したいと思いましたが、本来供養のために捧げる仏具を持ち合わせていませんでした。
そこで釈迦は足元に咲いていた「青蓮華(しょうれんげ)」という名前の花を摘んで燃灯仏様に捧げて供養をしました。
この「瑞応経」という経典に記されているエピソードに由来して、仏壇に花を供えるようになったと言われています。

故人を供養したい気持ちの表れ

3つ目の理由は、仏壇やお花に向かって故人の冥福を祈るときに、故人の好きだった花や季節の花を選ぶことで、その冥福を祈る気持ちを形で表現できる点です。
またその行為は、仏壇やお墓に向かっている本人の気持ちも癒してくれます。
さらにきれいな花や故人の好みの花を供えることで、故人の苦しみを癒すことができるという考え方も存在します。

遺体と一緒に植物を埋葬していた名残り

4つ目ははるか以前の埋蔵方法に由来するものです。
昔は現代と違って土葬が一般的でしたが、遺体だけ埋葬してしまうと、その遺体を狙って動物がお墓を荒らしに来てしまいます。
その動物除けとして、薬効成分や毒性を含む植物を遺体と一緒に埋葬する習慣がありました。
その植物を一緒に埋葬する風習の名残として、仏壇やお墓に花を供えるようになったのです。

おすすめの仏花の選び方

仏壇にお供えする花の画像3
このような理由で花を仏壇に供えるようになりましたが、それではどのような花がふさわしいのでしょうか。

供える花の色

花の色は、四十九日法要までは白い花を供えることが一般的です。
そしてその後に仏壇やお墓に花を供える際も、鮮やかな色彩のものは敬遠して、宗教的な敬虔さを感じさせる白、黄色、ピンク、そして仏教上高貴な色とされる紫を供えるのが好ましいと言われています。

また赤い花は、悲しみを表す色としてはふさわしくないとされています。

色別のおすすめの花

以上の色を示す花としておすすめのものをご紹介します。

・白:百合、菊、トルコキキョウなど
・黄:ひまわり、キンセンカ、菊など
・紫:トルコキキョウ、リンドウ、スターチスなど
・ピンク:ガーベラ、カーネーション、グラジオラスなど

花全体のバランスも考えて

またいくつかの花を一緒に供える場合は、その全体のバランスも考慮しましょう。

たとえば大きな花弁の花ばかりをあわせると、花同士が邪魔をしあって全体が映えません。
逆に小さい花弁の花ばかりであっても、まとまりがつきません。
ですから、大きな花弁と小さな花弁の花を半々程度に一緒に合わせると、非常に全体のバランスがよくなります。

花弁の大きさだけではなく、色彩も、白い花をベースにして、そこに差し色のように黄色やピンクの花を入れると、全体が華やかになり、さらに紫を入れると、上品な見た目になります。

色を合わせる数は3色か5色などの奇数がよいでしょう。
たとえば3色であれば白、黄色、紫、5色であれば白、黄色、紫、ピンク、水色などで合わせると非常に映えます。

新鮮な花を選ぶ

また花屋の店先で花を選ぶ際には、色や大きさだけではなく、その新鮮さも考慮に入れましょう。
せっかくお供えする花ですから、やはり長持ちさせたいものです。
以下の点で花をチェックしてしてください。

花びらのチェック

・花びらに厚みがあって、色彩がクリアである
・花びらの縁がしおれていなくて、みずみずしい

ガクのチェック

・花弁と同様にガクも全体につやつやとした緑色でみずみずしい

葉のチェック

・葉が黄色く変色していたり、黒や赤い斑点などがなく、無傷であり、しおれていない

つぼみのチェック

・つぼみが多く、枯れている花がない

迷ったらこの花を

また以上のような観点で花を選びきれない場合は、以下の花を選んでおくと無難です。

菊は定番の仏花です。菊には邪気を払う効果があると言われています。

リンドウ

青紫色の釣り鐘のような花弁を持ったリンドウは、その花言葉が「悲しみに寄り添う」というように、供える人の気持ちを表すのにふさわしい花です。

ケイトウ

ケイトウの花弁は真っ赤なので、通常は仏花としてはふさわしくありませんが、ケイトウだけは別格だとされています。
その理由は、ケイトウは花の少ない夏の時期に咲き、なおかつ持ちがよいので、仏花として扱いやすからです。

グラジオス

大きな花弁を持ったグラジオスは、非常に高級感と上品さがある花です。
なおかつ持ちもよいので、供えたあともなかなか枯れません。

カーネーション

カーネーションは母の日のイメージですが、清楚な感じなので仏花としてもよく選ばれます。
特に白いカーネーションの花言葉は「私の愛情は生きている」ということなので、故人を偲ぶ思いを表すのにふさわしい花です。

トルコキキョウ

トキコキョウもよく仏花では使われます。
その理由はやはり夏場に出てくる花であることと、丈が高いのでほかの花を一緒に供えた時に全体のバランスがよくなることが挙げられます。

百合

大きな花弁を持つ百合も仏壇に供えた時に非常に映える花です。
また高級感もあるので、仏花としてはふさわしいでしょう。

ただし、地方や宗教によっては敬遠されます。

仏花に向かない花

仏壇にお供えする花の画像4
一方で仏花としては向かない花もあります。
どの花が、ということはありませんが、一般的には「棘がある」「香りが強い」「ツル状」の花は適さないとされます。
ですからバラやアザミは選ばない方がよいでしょう。

造花やブリザードフラワーでもいい?

仏壇にお供えする花の画像5
では生花ではなく、人造の造花や、あるいは花弁を特殊な方法で凍らせて固定したブリザーブドフラワーは仏花として用いてもよいのでしょうか。

特にNGという決まりはない

個人の意見としては造花はふさわしくないという人もいますが、しかし一般論として造花やブリザーブドフラワーが仏花としてNGだという決まりもルールもありません。
よくお墓関連の情報の中では、できるだけ生花を飾るように、という記事もありますが、特にこだわらなくてもよいでしょう。

普段は造花やブリザーブドフラワーでもOK

予算的に、見栄えのする仏花を購入すると1束500円から1000円はします。
それでいて長くても1週間ほどで枯れてしまいます。
枯れる都度に花を供えた場合は月に4000円の出費になります。

しかし造花やブリザーブドフラワーであれば、1回購入すれば長くそのまま供え続けられます。
ですからたとえば普段は造花やブリザーブドフラワーにして、お彼岸や、お盆、法要、月命日などの時には生花にする、などの方法をとれば良いでしょう。

花を供える位置や飾り方は?

仏壇にお供えする花の画像6
せっかくのお花でも飾り方や位置によってはその価値が下がってしまうこともあります。
ですから以下のルールに沿って花を供えるようにしましょう。

花は左側に供える

花が1対しかない場合は、仏壇に向かって左側に供えます。
2対ある場合は左右両側に供えましょう。

自分の側に向けて花がよく見えるように

故人に向かって供える花であっても、花の正面はこちら側に向けます。
つまり自分から見てきれいに映えるように花を供えればよいということです。

供える本数は奇数

また花の本数は3、5、7本の奇数にしましょう。
左右に供える場合は、両方とも同じ本数にしてください。

輪ゴムで束ねてもOK

花を束で購入すると、根元が輪ゴムで止めてあることが多いですが、その輪ゴムがついたまま陶器にいれて供えてもかまいません。むしろそれで花がばらけないでまとまって供えられるようであれば、あえて輪ゴムで止めてもよいというほどです。

ひし形に供える

また花弁のそれぞれの位置が全体にひし形になるようにまとめると、平面的に飾るより、ボリュームが出て見栄えがするようになります。

花を長持ちさせる秘訣

仏壇にお供えする花の画像7
最後にお供えした花が長持ちするための秘訣をご紹介します。

そもそも花はなぜ枯れるのか

そのためには花がなぜ枯れてしまうのかという理由を把握しておいた方がよいでしょう。

花に限らず植物の茎や葉脈には、水分を運ぶための「導管」が通っています。
導管の中は毛細管現象によって水分が吸い上げられ、植物の各部位に供給され、新鮮さを保ちます。
しかし茎の切り口から空気が入り込んだり、雑菌が繁殖したり、あるいは自然に樹液がにじみ出すことによって、その毛細管現象が阻害され、うまく水が吸い上げられなくなって枯れていくのです。

水切りをする

枯れないための水を吸収する働きを促進する方法として「水切り」がありあます。
具体的には、茎の先を水を張った容器に入れ、茎の先をハサミで斜めに切ることです。
水の中で切るのは茎の内部に空気が入らないようにするためであり、斜めに切るのは茎の切り口の表面積を大きくして水をより多く吸い上げるようにするためです。
この水切りは1回ではなく、1度に何度も行うことで、空気の入った部分を完全に落とせ、導管中の内部にある水と、容器の水をつなげて毛細管現象がスムーズに行われるようにできます。

切り口を焼く

また茎の切り口を焼くと雑菌が増殖しなくなるため長持ちします。
具体的な方法は、花の上部を新聞紙で保護して火の熱気で傷まないようにしたうえで、ガスコンロの火で花の茎を焼くというものです。
そして根元の1~2cmが黒く炭化するまで直火焼きにして、その後すぐに水を張ったはった容器に茎をつけ、そのまま水切りします。

根元を割る、裂く

また水分を吸い上げる表面積を広げるために、水切りをした後で、茎の根元をハンマーで叩いて縦に裂いたり、あるいは縦に切れ込みを入れて割ってもよいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

仏壇に花を供えることは故人の供養にもなり、同時に供える側の悲しみやさびしさを癒してくれる助けとなります。ですからせっかく花を供えるのであればふさわしいものを選びたいですし、供えた後はできるだけ長持ちをさせたいものです。
その際には以上の解説をぜひ参考にしてください。

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