実家から仏壇を引き継いだけれど大きすぎて自分の家に入らない、ということはありませんか。
そうなった場合、仏壇を買い替えるということが考えられますが、実は仏壇をリフォームして小さくすることもできます。
今回の記事では、仏壇のリフォームあるいはリメイクについて解説します。
仏壇とは
仏壇とは、自宅で仏様を祀る宗教施設です。「家における小さなお寺」と考えていいでしょう。
仏壇には、ご本尊(その宗派で最も信仰される仏様)の他、位牌を祀るので故人や先祖の供養もできます。
位牌はこの世の窓口のような役割があり、仏壇の前で拝むときには故人が位牌に降りてきてくれます。
ただし、浄土真宗では霊魂の考えが無いため、位牌は置きません。
仏壇の起源は飛鳥時代の「玉虫厨子」までさかのぼりますが、仏壇が各家庭に置かれるようになったのは江戸時代の寺請制度がきっかけです。
幕府はキリシタンを排斥するため、各家を寺に所属させました。特定の寺の檀家になった家は仏壇を置くことを義務づけられたため、仏壇は一般家庭にも浸透しました。
仏壇のリフォーム・リメイクでできること
では仏壇をリフォームするとはどのようなことなのでしょうか。
仏壇を修繕する・きれいにする
古くなった仏壇の部品を変えたり、塗装をやり直すことで、仏壇をきれいにできます。
お盆や法要などに合わせて仏壇のリフォームをされる方が多いようです。
仏壇を本格的にきれいにする場合は、一度仏壇を解体します。
その後は、洗浄、壊れたり変形している木材の取り換え、磨き上げなどの他、金箔を新しく押してもらったり、蒔絵を新たに絵師に入れなおしてもらえます。
せっかく家で引き継いできている仏壇なので、こまめに手入れして長く使えるようにしましょう。
ダウンサイジング:仏壇を小さくする
実家の大きな仏壇を一度解体し、サイズを小さくして組み立てなおしてもらえます。リフォームというよりは、リメイクと呼ばれることが多いようです。
まずは、現在の家のスペースに合わせて生まれ変わる仏壇の設計をしてもらいます。
設計が決まったら、仏壇を解体して、部品を作っていきます。
組み立てて、塗装をしたら完成です。
地方に比べて都市は家が狭くなっています。
田舎の実家にある仏壇を引き取りたい方は、仏壇をリメイクしてコンパクトにするのもいいでしょう。
仏壇リフォームの価格相場
では仏壇をリフォームする場合、費用と期間はどのように考えたらよいのでしょうか。
仏壇を修理・クリーニングする場合
唐木仏壇の場合、一部の部品を変えたり、少しの傷を修繕する程度であれば、数千円~2万円程度できれいにしてくれます。
唐木仏壇を解体してリフォームする場合は、サイズによって20~50万円程度できれいにしてくれます。
金仏壇の場合は、唐木仏壇よりも費用が格段に上がります。
金仏壇の一部の部品を変えたり、少しの傷を修繕する費用は、箇所にもよりますが、料金は唐木仏壇と同様数千円~2万円程度です。
金仏壇を解体してリフォームする場合は、70~100万円程度は見ておきましょう。
仏壇をリメイク・ダウンサイジングする場合
仏壇をリメイクする費用は、出来上がりのサイズで変わります。
大型仏壇からリメイクをする場合、おおむね相場は以下のようになります。
- 大型仏壇→大型仏壇:100万円 程度
- 大型仏壇→中型仏壇:60~70万円程度
- 大型仏壇→小型仏壇:30~40万円程度
仏壇リフォーム・リメイクはどこに頼む?
仏壇のリフォーム・リメイクは仏壇店に頼みます。
仏壇は一般の家具とは違い、扱いが特殊です。
特に金仏壇の場合は、持ち上げたりする時に持つ場所を間違うと壊れてしまったりします。
仏壇を解体するような作業を伴う場合は、自分では行わず、必ず専門家に頼んでください。
仏壇店に問い合わせると、現地調査や図面の設計、見積もりなどをしてくれます。
内容に満足したら発注しましょう。
仏壇リフォームの期間
仏壇リフォームにどれくらいの期間を要するかは、リフォームの内容によります。
障子の張替えや一部品の取り換え、小さなキズの修繕など、小規模なものであれば1~2週間程度で対応してくれます。
次に、解体を伴うクリーニングやリフォームの場合は、唐木仏壇で1~2カ月、金仏壇で2~3カ月かかります。
さらに、仏壇をリメイクしてサイズを小さくする場合は、4~6カ月程度かかります。
法要などに合わせて仏壇をきれいにしたい方は、余裕をもって準備を進めましょ。
仏壇リフォームをする時の注意点
仏壇リフォームをする時に気を付けること、知っておいた方がいいことを解説します。
仏壇リフォームの前の閉眼供養
仏壇を移動したり解体する際には「閉眼供養(または魂抜き)」という法要が必要です。
仏壇を購入して家に設置した際には、「開眼供養(または魂入れ・性根入れ)」という法要を行っているはずです。
開眼法要とは、仏壇に祀る本尊や位牌がそれとして機能するようにする法要です。開眼法要をしていない本尊はただの木の像や紙ですし、開眼法要をしていない位牌に故人の霊は降りてきません。
逆に、これら本尊や位牌の機能を停止させるのが「閉眼供養」です。
菩提寺の僧侶に「仏壇の閉眼供養をお願いします」と言えば伝わります。
また、菩提寺がなかったり、近くにない場合は、仏壇の宗派を調べて同じ宗派のお寺を探します。
お寺を探すのが難しければ、ネットの僧侶派遣サービスを利用するのもいいでしょう。
閉眼供養のお布施は1~5万円程度です。加えて御車代を1万円ほど包みます。
仏具の配置を記録する
仏壇をリフォームに出す前に、仏具の配置を写真などで記録しておきましょう。
仏壇を解体したり移動する場合は、一度仏具をすべておろすことになります。
仏壇のサイズをかなり小さくする場合を除いて、仏壇のリフォームが完了した後はまた、仏具を配置することになりますが、意外とここで困る方が多いです。
写真を取っておけばその通りに配置するだけなので、仏壇リフォームの完了後もスムーズです。
まとめ
仏壇はリフォームに出すことで新品のようにきれいにしてもらったり、サイズを小さくすることができます。
ちょっとした部品の交換や小さなキズの修繕であれば、数千円~2万円程度、1週間から2週間ほどでできます。
ただし、解体を伴うリフォームやダウンサイジングをするとなると、費用は20~100万円程度、期間も最長で半年かかります。
仏壇をリフォームする予定のある人は、余裕をもって仏壇店に相談しましょう。