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葬儀

位牌堂とは?納骨堂との違いや費用などを解説します!

投稿日:2019年1月18日 更新日:

位牌のイメージ1
位牌堂という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
もしかすると納骨堂と混同している人も多いかもしれませんが、位牌堂と納骨堂は違います。

今回の記事では、位牌堂とは何かということ、そして位牌を納めるためにはいくらくらい費用がかかるのかということについて解説していきます。

■位牌堂とは何か

まず最初に位牌堂とはいったい何なのか、その定義について解説します。

・位牌堂は位牌専用の収納堂

故人や先祖を供養し、それらの霊魂が家に帰ってきたときに依り代となるものが「位牌」です。
「位牌堂」とは、その名の通り、故人や先祖の位牌だけを専用に納める仏教施設です。
一般的には寺院墓地や寺院の敷地内に併設されています。

以前の位牌堂は寺院の檀家の位牌だけを納めるための施設でした。
したがってどの檀家も位牌堂に位牌を納めていましたので、墓参りと一緒に位牌堂参りが行われるのが通例でした。

しかし現在は寺院にとって檀家が減ってきているという深刻な事実があるので、檀家以外の家の位牌も含めて受け入れる寺院も増えています。
そのうえで、永代供養墓のように、永代供養料を引き換えに位牌の永代供養を行ってくれるのです。

・位牌堂は納骨堂とは違う

位牌を安置する位牌堂に対して、「納骨堂」はその名の通り、火葬した遺骨を安置する施設です。
納骨堂の種類にはいろいろです。それは位牌堂と同様に棚式のものから、ロッカー式、倉庫式、暮石式、仏壇式などがあります。

納骨堂のタイプによっては遺骨と一緒に位牌も納めることができます。
しかし逆に位牌堂に遺骨を安置することはできません。

■位牌堂を使うのはどういう場合か

では位牌堂に位牌を納めるのはどのようなケースなのでしょうか。
それには2つのケースがあり得ます。

・お寺でも位牌を供養してほしい場合

1つは自宅と位牌堂の両方に位牌を安置するケースです。

この場合、霊魂の依り代となる位牌が自宅と位牌堂と2つに分かれてしまい、不都合ではないかと考える人もいるかもしれません。
しかし霊魂は3次元の人間の存在とは全く別のもので、「場所」という概念を超えた存在です。
したがって2つの場所に依り代があっても問題ありません。

長期旅行などで自宅を留守にしてしまう場合、引っ越しや転勤で自宅に置いてある位牌の供養ができなくなることを懸念する場合でも、寺院の位牌堂に位牌を預けておけば、毎日僧侶が読経などで供養してくれるため安心です。

・自宅で位牌を供養することができない場合

もう1つは位牌堂にだけ位牌を納めるケースです。

この方法を選ぶ理由にもいろいろとありますが、主なものとしては自宅に仏壇など位牌を納めるスペースを確保できないからということが多いです。

・寺位牌とは

1つ目の自宅と位牌堂にそれぞれ位牌を納める場合、位牌堂に納める位牌のこと特に寺位牌といいます。
あるいは位牌堂ではなくても、寺院やその寺院の本山に供養してもらうため2つ目の位牌をあえて作り、納める場合も、2つ目の位牌のことを寺位牌といいます。

■位牌堂に位牌を安置するにはどうすればいいか

位牌堂に位牌を納めたいという場合は、どのようにしたらよいのでしょうか。

・位牌は基本的に「永代供養」

位牌堂に位牌を納めた場合「永代供養」になります。
ただし、永久に位牌そのものが安置され続けるわけではないという点に留意しましょう。

基本的に位牌堂に納めた位牌は、三十三回忌もしくは五十回忌の法要を終えると、「お焚き上げ」で焼却され、霊魂はほかの霊魂と一緒の法要で定期的に供養されることになります。

そもそも人間の霊魂は、まず亡くなってから四十九日まで成仏しないでこの世に存在します。
四十九日後は成仏して、あの世に向かいますが、その際にはまだ個人として人格のままの霊魂です。
その霊魂が、個々の人格を失って、過去の祖先の霊魂と一緒になってこの世の人を見守るようになるのが、三十三回忌または五十回忌以降です。

また位牌堂は永代供養以外の場合も位牌を納めることが可能です。
それはいわば「一時預り」です。

たとえば、仏壇ができるまでの間位牌を預かってもらったり、引っ越し、転勤など急に位牌を納める場所が自宅になくなってしまった場合などに、新たに位牌を納める場所を設けるまで、位牌を位牌堂で預かってくれるのです。

・位牌堂利用の手順

位牌堂に位牌を納める手順は以下の通りです。

1.位牌堂のある寺院を探す

まず位牌堂のある寺院を探します。
菩提寺に位牌堂があれば、そこに相談します。

菩提寺がない、あるいは菩提寺はあるが位牌堂がない場合は、「位牌堂 寺院」などでネット検索しましょう。

2.檀家になることが必要か確かめる

位牌堂を管理している寺院によっては、位牌を持っている家そのものがその寺院の檀家にならないと受け入れてくれない場合もあります。
寺院の檀家になることを入檀と言います。

入檀するためには、入檀料が必要ですから、その際には位牌堂の利用費用と、入檀料のダブルで費用がかかります。
一般的に入檀料の相場は10万円前後ですが、寺院や寺格によって異なります。

3.入檀する場合は

もしも位牌堂に位牌を納める前提条件に入檀がある場合は、以下の点をクリアする必要があります。

1つは檀家になるためには、仏教徒であり、かつその寺院の宗派と自分の家の宗派が一致していることが前提です。
もしも今違う宗教、違う宗派の場合は、宗旨替えをすることになりますが、その際には自分の家だけの問題ではありませんので、よく親族と話し合いましょう。

入檀した場合には、その寺院が菩提寺となり、葬式や法要などはすべてその寺院に依頼することになります。

また現在ほかの寺院の檀家である場合は、その檀家を離れる、離檀というものをしなければなりません。
その際にはまた、離檀料という費用が必要です。
さらにはお金の問題だけではなく、現在檀家である寺院の理解を得る必要がありますので、事前によく現菩提寺の住職と相談するようにしましょう。

4.位牌を納める

以上の要件をクリアしたら、管理料や永代供養料などを納めることによって、位牌を位牌堂に安置することが可能になります。

・お供えすることはできるのか

ほとんどの位牌堂の形式は棚に位牌を並べている棚式です。
したがって、個々の位牌のためにお供えなどをすることはできません。またお供えだけではなく、位牌の前で手を合わせることもできない場合もあります。

位牌堂に納めた位牌は、基本的に寺院が供養すると考えましょう。

■お寺に位牌を預けるときのお布施、費用は

では位牌堂に位牌を納める場合費用はどの程度かかるのでしょうか。

・位牌を預ける費用は

位牌堂に位牌を納める場合、一般的に位牌1基につき10万円が相場です。
ただし、夫婦位牌のように1基が複数の霊魂の依り代になる場合は、料金が変わる場合もあります。

・檀家になるには入檀料としてのお布施が必要

また入檀が必要な寺院の位牌堂の場合は、上で書いたように入檀料も支払うことになります。
入檀料の目安は、10万円から30万円が一般的な相場です。
この入檀料は、位牌の預け入れ費用とば別に必要となる場合と、預入料と入檀料が一括になっている場合があります。

自分の家の位牌を納める位牌堂が上記のいずれの料金パターンなのかは、寺院によってそれぞれ異なりますので、しっかり事前に確認をしましょう。

またこの入檀料とはいわば入会金ですから、毎年定期的に発生するものではありません。
入檀時に1回払えば、それで離檀するまで費用は発生しません。

・檀家になると管理費が必要

檀家になるとその寺院や、檀家が共同で使用するお墓の施設などを維持するための管理費を毎年支払うことが必要になります。
ただし誤解しやすいのは、この管理費を支払っても、自分の家のお墓の清掃などもしてくれるわけではないことです。
あくまで管理費の使い道は、檀家が共同で使用する水くみ場などの施設の維持費用に限定されます。
この管理費の相場は年1万円から2万円程度です。

・戒名などを授けてもらうお布施

また家族が亡くなるなど、新たに戒名が必要になった場合も菩提寺に依頼する必要があります。これも相場は、戒名のランクや寺格などによって大きく異なりますので確認が必要です。また寺院によっては、ほかの寺院で戒名をつけられている場合、自分の寺院のお墓に遺骨や位牌を納めることを拒否するところもあるので注意が必要です。

・法要などに際して支払うお布施

檀家になると、三回忌などの回忌法要、あるいは盆施餓鬼やお彼岸などの定期法要などは、その寺院に故人や祖先の供養を依頼することになります。
この際の費用は、法要の種類や寺格によって変わりますから、依頼時に確認した方がよいでしょう。

・寺院施設の修繕、増設のためのお布施

檀家になると、本堂や堂塔などのその寺院の施設の修繕や新たに施設を建設するためのお布施をお願いされることもあります。
このお布施は管理費などのように絶対に払わなければならないというものではありませんが、しかし檀家になるとそのような費用も発生するのだと心得ておきましょう。

■まとめ

位牌堂は以上で解説したように、位牌の供養を行うためだけの施設です。
したがって納骨堂とは全く異なります。
また位牌堂に位牌を納めるためには、いくつかのクリアしなければならない条件と、そして納めた以降発生する費用があります。
位牌堂に位牌を納めようと思ったら、この条件や費用について、今回解説した内容を参考に、しっかり確認しましょう。

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