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遺品・生前整理

後悔しない遺品整理!残すものには何がある?

投稿日:2018年10月1日 更新日:

遺品整理で残すものの画像1
家族や親族が亡くなった後には遺品整理をしなければいけません。

遺品整理は、死者としての家族と新たな関係を認識していくための、大切なプロセスです。
きちんと全て片付けができたら、遺族も気持ちに区切りがついて新しい一歩が踏み出せます。

すでに遺品整理に前向きな方は、すでに着手しているかもしれません。
ですが、遺品整理では処分してはいけないもの、しないほうが良いものがあります。
何よりも先に残しておくものを確認してから、作業を始めましょう。

今回の記事では、遺品整理で残すものについて解説します。

■遺品整理をする前に確認すること

まずは、遺品整理をする前に確認することについてご紹介します。

・遺言書やエンディングノートの確認

まずは、遺品整理を行う前に遺言書やエンディングノートがあるか確認しましょう。
正式な書式に従って記入されている遺言書は法的な効力があり、故人の意思を確認するために重要なものだからです。

遺品整理は相続にも関わるため、遺言書に記載があればその通りに物品の処分や相続をすることになります。
もし遺言書がない場合は、遺品整理をする前に相続人全員で遺産分割協議をします。
なお、遺産分割協議の後に遺言書が見つかった場合、協議内容は失効し、遺言書に従って財産を処分します。
なので、遺品整理を始める前にまず遺言書の有無を確認しましょう。

また、封印のある遺言書はすぐに開封してはいけません。
家庭裁判所に検認の申し立てを行い、一通りの手続きが完了してから開封してください。

・遺族の合意を取る

遺品整理は遺族全員の合意が大切です。
他の遺族の了承を得ず勝手に遺品整理を行うことはトラブルの元になります。
前もってどのような方針で遺品整理を行うか話し合っておくと効率的にトラブルなく進めることができます。

・スケジュールを決める

遺品整理を行う場合にはスケジュールを立てます。

遺品整理にはこれといった期限がないため、何となく着手してしまうといつまでもダラダラと長引いてしまいます。
一番悪いのは、途中で何となく面倒になってやめてしまうことです。

遺品整理の鉄則は一部屋ずつ片付けていくことなので、どこの部屋をいつまでに終わらせるかを決めてスケジュールを具体的にしていきましょう。
あわせて遺品整理の期限も設定します。

遺品の量や人数、遺品整理に使える時間などを考えて、無理のないスケジュールを立てます。
スケジュールを立ててしまえばあとはその通りにこなしていけなので、気持ちも楽になります。

 

■残すものと処分するもの

次に、残すものと処分するものを決めます。
ここでは、残しておいた方が良いものを具体的にご紹介しましょう。

・現金・通帳・証券類

現金類は、相続して使うので必ず残しましょう。
相続の際には、資産の把握が曖昧だとトラブルの原因になります。
そのためにも、へそくりなども丁寧に探すことが大切です。

・金銭的に高い価値があるかもしれないもの10選

価値の高いものは処分しないほうが良いでしょう。そのまま相続しても資産になりますし、売却してお金にすることもできます。
ここでは、具体的に当てはまるものをご紹介します。

1.貴金属製品

指輪やネックレスといった定番のものや、金縁メガネや金を含有したトロフィーなども残しておきましょう。

売却する場合は、素材(金など)として売るか製品(指輪など)として売るかによって価格に差が出ます。

2.酒類

高級酒や貴重な年代物であれば数千円から数万円の値がつく場合があります。
インテリアとしても映えますし、未開封ならば問題なく飲むこともできます。

3.仏具や仏壇

仏具や仏壇など、金や銀でできているものは高値で売ることができます。
また、年代や由来などによっては値段が上がることもあります。
ただし、整理する場合は、事前にお寺で魂抜きという法要をしてもらうことを忘れないでください。

4.美術品や骨董品

絵画や壺、他に鉄瓶や欄間といった物は、稀に驚くような高級品の場合があります。
高級品でなくても飾ることもできます。
もし処分する場合は、まずは鑑定を依頼してみると良いでしょう。

5.着物

着物は、生地が正絹であれば高値の可能性があります。
また、作者やブランドによって値段も大きく変わります。

6.家電関係

家電関係は、まだ使えるものはリサイクル業者が買い取ってくれます。
特に、オーディオ機器やパソコン・スマートホンは値段が付きやすいものです。

7.趣味・スポーツ用品

特にゴルフ用品は比較的高額な場合が多いです。
ただし、ブランド品であれば高価になりますが、古くなると大きく値落ちします。

釣り道具も、流行に左右されないため古くても値がつきやすいものです。
他には、将棋盤なども高価な場合があります。

8.コレクション関係

切手・古銭・昭和のおもちゃや古い人形などが当てはまります。
切手や古銭の場合は、掃除すると価値が下がってしまうものがあるので注意が必要です。

昭和のおもちゃは、マニアの間で人気が高く保存状態で価格に大きな差が出ます。
古い人形は、アンティーク・ドールなどの名称で一部に人気があり、数万円で売れることもあります。

9.ブランド品

流行りのブランドの財布などは高価です。
ただ、時代遅れのものは安値になる傾向があります。
複数個あった場合は、合計すれば結構な額になるでしょう。

10.勲章

故人やその兄弟などが戦争に従軍した人だと見つかることがあります。
階級が高いほど希少価値が高く高額になります。

残すときに気をつけること

高く売るためには、物品に関する証明書や入れ物の箱はとっておくようにしましょう。
また、基本的に埃や簡単な汚れは掃除して見栄えを良くした方が高く売ることができます。

・身分証明書・印鑑・カード類・書類

身分証明書や印鑑に加え、クレジットカードなどのカード類、保険や不動産の契約書、公共料金の領収書といった書類は保管すべきものです。
故人がした契約の確認・調整・解約のために役立ちます。

また、仕事関係の書類も、会社から問い合わせがくる可能性を考えてとっておくことが大切です。
遺族が趣味の集まりでまとめ役だった場合などは、趣味の書類も引き継ぎに必要なものかもしれません。

さらに、あまり重要でなさそうな葉書なども連絡が必要になった場合役に立ちます。
多くの書類は重要なものの可能性があるので、しばらくは保管しておいた方が良いでしょう。

・リース品など借り物関係

遺品の中に、他の法人や人から借りた物があれば、持ち主に返却しなければならないため処分してはいけません。

車椅子や歩行器などの介護用品やテレビのチューナーなどに多く見られます。
もし処分してしまうと弁償しなければならず余計な費用がかかってしまいます。
返却する時には、同時に契約の解約も行うと良いでしょう。

また、預かり物の可能性が高いものも残しておきましょう。
貸主が故人の死を知り連絡をくれるかもしれません。
できれば3回忌位までは持っていた方が無難です。

・鍵

遺品整理で鍵が出てきても、いったいどこの何の鍵だか分からないことも多いです。
だからといって捨ててはいけません。大事なものだから鍵をかけているのです。

何の鍵かを調べるには、故人の知り合いに聞いたり、鍵に何か書いてあれば調べることもできます。
また、鍵屋で鍵の形状やナンバーから情報を得られる可能性もあります。

・心理的に大切なもの

これまでは、金銭的に価値等があるものを中心にご紹介しました。
しかし、金銭的に価値がなくても大切なものはあります。

故人が特に大事にしていた物や思い出が詰まっているものなどは保管しておくと良いでしょう。
アルバムなどは、データ化すれば劣化することもなくずっと保管しておけますし、それらの品々を見た時に、ふと故人を思い出すこともできます。

・迷ったら残しましょう

処分するかどうか迷った物は、一旦とっておきましょう。処分は後からでもできます。
後で意外なものが必要になる可能性もあります。

亡くなって間もない時期の遺品整理は、正常な判断をしにくいこともあります。
迷った場合は、保管スペースが許すのであれば残すようにしましょう。

■遺品を使っても縁起は悪くないのか

遺品を身に付けることに対して抵抗を感じる人もいるでしょう。
しかし故人を身近に感じたいと思うなら身に付けることは決して悪いことではありません。
遺品を身に付けることは素敵なことです。

故人が使っていた物を使うことでいつも故人を思い出すことができます。
遺影を飾るのと同じような感覚で遺品を使っても良いでしょう。

■遺品整理を始める時期

いつから遺品整理を始めたら良いのか悩みますよね。
ここでは、遺品整理を始める一般的なタイミングや、おすすめの時期についてご紹介します。

・遺品整理をする一般的なタイミング

遺品整理を始めるのはつぎのようなタイミングが一般的です。

四十九日を迎えた後

故人が亡くなって四十九日を過ぎると忌明けとなるので、これを機に遺品整理を始めます。

浄土真宗以外の仏教では、故人の霊は四十九日までこの世にとどまっていると考えられています。
霊は亡くなってから七日おきに閻魔大王の裁きを受け、四十九日目に極楽浄土に行けるかの最後の裁きがあります。
故人がこの世を離れ、あの世に旅立っていくということも、一つの節目になるでしょう。

また、四十九日法要は遺族が多く集まるため、形見分けをしやすいということも遺品整理のタイミングとして選ばれる理由の一つです。

諸手続きの完了後

誰かが亡くなると、その人が契約していた各種サービスや保険などの手続きをする必要があります。
電気・ガス・水道などの公共サービスの停止や年金、保険金の手続きなどは比較的すぐにする必要があり、遺品整理よりも優先度が高いと言えます。
こういった期限があるものやすぐに手続きをしなければならないものが一段落したら、次の段階として遺品整理に着手するという考え方です。

葬儀後すぐ

故人が賃貸に住んでいた場合、すぐに退去しなければならないので必然的に遺品整理もすぐに行わなければなりません。
また、遺品整理をする際には一度相続人全員で遺産分割協議をする必要があるため、葬儀で親族が集まったタイミングで手を付けることも多いようです。

・遺品整理を行うおすすめの時期

上記に遺品整理の一般的なタイミングを紹介してきましたが、結局は気持ちの整理ができてから着手するのが良いでしょう。

あまり混乱している時期に焦って物を処分すると、後々に後悔することもあるかもしれません。
また、悲しさや寂しさが深く残っているときに故人の遺品を扱っていると、余計に気持ちが辛くなり、作業が進められなくなることもあります。

遺品整理をスムーズに進めるためには、一度故人への思いが整理できた段階で着手しましょう。

ただし、あまり長く先延ばしにすると、いつまでも区切りが付けられなくなることもあります。
また、単純に面倒になってどんどん腰が重くなることもあります。

気持ちが落ち着いてきたら遺品整理の具体的なスケジュールを立てて、取り組みやすくしましょう。

■まとめ

お通夜や葬儀、法事や各種手続きなどで故人の死をゆっくり悲しむ暇もない上に、遺品整理までしなければならないと思うと気持ちが重くなってしまうでしょう。
遺品整理は、無理に始めるのではなく、自分にとって適切な時期を見極めてから取りかかってください。
ただ、大切なことは自己判断では行わないということです。必ず親族と話し合いながら進めましょう。
トラブルを招くことなく、故人の残したものを一つひとつ丁寧に整理していくことで、悲しみも徐々に落ち着いていくでしょう。

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