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終活

終活の基本!エンディングノートその他のやること

投稿日:2019年7月17日 更新日:

終活という言葉は最近比較的ポピュラーなので、誰でもいろいろなイメージを持っているのではないでしょうか。
終活を過不足なく行うことは遺族へ負担を減らすと同時に、自分の残された人生を充実させることにつながります。

今回の記事では、終活では何をどのようにしなければならないのかということを網羅して解説します。

終活とは?

そもそも終活とは何を指すのでしょうか。

終活とは何か

終活の意義と内容は以下のように整理できるでしょう。

終活とは自分の人生の最後の準備

就職活動を「就活」、結婚のための活動を「婚活」というように、終活は自分の人生が「終」わるときのための準備です。しかしそれは単に亡くなる準備でありません。

終活の内容には自分の死後の、遺族に対する手続きの負担を減らす意味合いもありますが、同時に自分の残された人生を充実させる意味もあるのです。
なぜなら、終活は自分にまつわる物理的、社会的なしがらみを整理し、本当に必要なものだけを残して、残りを処分することです。

したがって終活を通じて自分の人生にとって必要なものがわかり、それに残りの人生を集中されることで、残りの人生を充実させることができるのです。

生前整理とは?

終活にはいろいろな要素が含まれますが、最近は「生前整理」という概念が注目されています。
生前整理とは遺品整理と比較するとわかりやすい概念です。
遺品整理は本人が亡くなった後、遺族によって、遺族のために行われることですが、生前整理は本人が生きている間に、本人自らの手で、遺族と本人のために行うことなのです。

終活の意義とメリットは?

終活にはどのよう意義とメリットがあるのでしょうか。

老後に前向きな人生を送れる

終活の最大の意義とメリットは、先ほど少し書いたように、自分の残りの人生を充実させることです。

人は当然死にたくはありませんが、しかしいずれ死ぬことに正面から向き合い、冷静にそ自分の死を考えることによって、逆に今生きている生の意義を見出すことができるのです。

たとえば、義理だけで付き合っていた人間関係を整理すれば、その付き合いに費やしていた時間を、自分の本当に大切にしている人と過ごす時間や、自分の好きなことをする時間に振り向けることができます。
それは人生の充実に繋がるでしょう。

遺産相続のトラブルを防ぐ 

人が亡くなってから残された遺族の間に1番良く起こるトラブルは相続問題です。
それまで仲のよかった家族が、相続問題をきっかけに仲たがいしてしまうという悲しいケースは実によく見られます。
自分が十分に準備していなかったために、家族が崩壊することは誰しも避けたいでしょう。

終活の中で相続問題について自分の遺志を明確化することは、そのような相続トラブルを未然に防ぐことにつながります。

自分らしい葬儀と埋葬方法を選べる

近年、日本人の死生観は大きく変わってきており、それに従って葬儀方法や埋葬方法も多様化しています。
たとえば、葬儀を行わない直葬の増加や、散骨例の増加などはその一端です。

しかし葬儀や埋葬は自分でその場で差配することはできません。
あくまで自分の遺志を遺族に伝えて、遺族がその通りに実行してくれて初めて希望がかないます。
ですから自分の葬儀と埋葬に関する希望を明確に遺族に伝えるためにも、終活は重要なのです。

遺族の負担を最小限にできる

相続にしても葬儀、埋葬にしても、何も決まっていない状態でゼロから遺族が判断し手配するのは非常に大きな負担になります。
しかし終活で相続の方針を示し、葬儀や埋葬方法を指示し、可能であれば段取りまで済ませておけば、遺族の負担は相当に減り、迷惑をかけなくて済みます。

終活はいつから始めるか

では終活はいつから始めたらよいのでしょうか。

60代で始めたい人が多い

楽天インサイト『終活に関する調査』(2019年) で、20-60代で終活の意向がある人を対象に終活を始めたい年齢を聞いた調査によると、いずれの年代も60代で始めたい人が3-4割程度で最多でした。

一方、2018年にマクロミルが実施した20~70代にきく終活に関する意識調査では、すでに終活を実施している60代男性は10.1%、60代女性は23.2%という数値が出ています。

調査主体と調査年が異なるので正確には分かりませんが、総括すると60代で終活を始めたい人は4割程度いるが、実際に60代で終活を実施している人は1-2割にとどまっているという考え方ができます。

年代は問わず、思い立った時に少しずつ始めていくのいいのではないでしょうか。

40代でも終活をしてよい

では終活はいつから行えばよいかというと、結論的に「思い立った時」です。40代であっても、40代なりの終活内容がありますから、早めに晩年の生き方と、亡くなった後のことに関して考え、決定しておいても早すぎることは決してありません。

しかし多くの人の場合、「思いたつ」のは大きな病気をした時、会社などから引退した時、子供が成人するなど家族環境が変わる時などです。
ですからどのようなタイミングでも、少しでも死を意識したり、残りの人生を考えた場合は、終活をする良いタイミングだと言えるでしょう。

特に葬儀や埋葬方法に希望がある場合は、その実行のためには相応の準備と資金が必要なことが多いです。その準備と資金の手配を行うためにも、早めに終活に取り組んだん方が良いのです。

終活では何をするか

では終活ではどのようなことを行うのでしょうか。

不用品の処分

終活では何よりもまず自分の所有する不用品を整理しましょう。
この対象は何も物品に限りません。義理だけで付き合っていた人間関係も含みます。
ですから不用品を分別して売るなり廃棄するなりすることと、義理だけの付き合いの人に今後の付き合いは控えるという連絡をしましょう。
特に年賀状だけの付き合いの人には、最期の年賀状で以降は年賀状を遠慮すると書き、翌年から出さない方法がおすすめです。

貴重品をまとめる

本人が亡くなった後、遺族にとって最大の懸案事項は遺産の相続です。
その際には銀行の預金通帳、証券や株券の証書、死亡保険の証書、不動産の権利書、年金手帳、実印や銀行印などが必要です。

これらがバラバラに保管されている場合、遺族にとってはそれを1つ1つ探し出すだけでも大変な労力です。
ですから遺族の相続手続きの負担を減らそうと思ったら、これら貴重品を1か所にまとめておきましょう。ただし実印と銀行印だけは防犯上、別の場所に保管することをおすすめします。

遺言書の作成

終活の1つのゴールは遺言書の作成です。
しかしその遺言書は法的に有効なものでなければ、遺族に対する拘束力が発生しません。拘束力のない遺言書がいくらあっても、相続トラブルは防げません。

ですから、遺言は自筆で書く、記入年月日を明記する、財産内容を明確にする、相続内容を税法に沿ったものにする、などに気を付けましょう。

このうち問題は相続内容を税法に沿ったものにするということです。これはなかなか法律の素人には難しいでしょう。そのような場合は、行政書士、司法書士、弁護士などの専門家に遺言書の作成を依頼しましょう。

エンディングノートの作成

相続に関すること以外の、葬儀方法、埋葬方法などの希望は遺言書ではなく、エンディングノートに記載して残しましょう。
なぜなら遺言書の開封は簡易裁判所の確認を経なければできないため、内容を確認できた時にはもう葬儀も埋葬も終わってて、取り返しがつかないことになっているのがほとんどだからです。

その点エンディングノートは亡くなってすぐに開封できるので、そこに葬儀と埋葬の希望を書いておけば、遺族がかなえてくれます。

財産目録の作成

貴重品を1か所にまとめると同時に、財産の一覧を作っておきましょう。
そうすれば遺族は全ての財産を把握できるため、相続の手続きが簡便化されます。

ただし財産内容は亡くなる直前まで移動するものですから、定期的に修正、更新する必要があります。その際に毎回ゼロから手書きで作成していては大変ですので、可能であればパソコンの表計算ソフトで作成し、修正するだけで済むようにしておきましょう。 

墓の購入・葬儀の予約

葬儀内容と埋葬方法に明確に希望がある場合は、自分の元気なうちに葬儀会社を予約し、墓地を購入することをおすすめします。そうすれば間違いなく、自分の希望がかない、遺族への負担もかけずに済みます。

ただし、墓地を購入した場合は納骨前から管理費が発生します。
費用の様子も決めながら購入しましょう。

おひとりさまの場合の終活と利用できるサービス

最近は未婚化、少子化が進展しているため、結婚せずに、あるいは跡継ぎがいない状態で晩年を迎える人も増えています。そのようなおひとりさまの終活を行う場合は、遺言を作成するだけではなく、その実行者も合わせて指定する必要があります。

では誰を指定するかというと、最も自分が信頼し、なおかつ相続の利害関係がない人にしましょう。具体的には親しく信頼できる友人、弁護士などです。
また最近は、葬儀と相続を故人の希望通りに執り行うNPO法人などもあります。

そのほかに終活の実務を代行してくれるサービスもあります。
たとえば不用品処分の代行、生前整理の代行、自分の持っている写真のデータ化、葬儀の段取りと実施の一括委託などです。
また、亡くなる以前に施設などに入所しなければならない場合、いざという時に駆けつけてくれる保証人を指定する必要があります。
家族がいない場合、保証人の指定に困ってしまいますが、NPOでそのような保証人を請け負うところもかなり増えています。

まとめ

終活の概要についておわかりいただけたのではないでしょうか。
良く死ぬことはよく生きることに繋がります。
終活はまさに良く死ぬための準備であり、同時によく生きることそのものです

思い立ったらできるところから終活を始めていきましょう。その際には以上の解説を参考に漏れがないように実行してください。

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