人生の終わりに向けて葬儀やお墓、遺言書の作成等をすることを終活といいます。
いつか来る人生の終わりに備えてこういった終活を始めたいけれど、いざ行動に移すとなると何から始めていいか分からないという方も少なくないでしょう。
今回はそういった方たちのために、終活サービスについて分かりやすく説明します。
終活情報を知る方法と情報を提供する企業
実際に終活を始めるにあたって、終活の情報を知る方法と、そういった情報を提供している企業について説明します。
終活セミナーに参加する
終活の情報を知る方法の1つに、終活セミナーに参加するという方法があります。
終活セミナーの内容
終活セミナーとは、主に講演会形式で様々な終活について各専門家に学ぶことができるものです。
なかには、ただ座って話を聞くだけではなく、遺影写真の撮影や棺に入る体験、セミナー終了後の無料相談会などが行われる終活セミナーもあり、参加してみて人生観が変わったという声も多々上がっています。
終活セミナーを開催している企業
終活セミナーを開催している企業としては、イオンライフ株式会社や株式会社くらしの友、終活バンク株式会社、アルテ株式会社、ふじもと美誠堂などがあり、他にも葬儀社や各自治体などもこういったセミナーを開催しています。
受講料金は各セミナーで幅広く設定されていますが、無料で受講できるものもあるので、まずはそういったものから気軽に受講するのもおすすめです。
しかし、終活セミナーの名をかたって高額商品を売りつけてくる団体もあるようなので、十分に精査して受講するセミナーを決めてください。
心配であれば、自治体の開催する終活セミナーなどを選ぶか、お子様に相談して一緒にセミナーを選ぶなどすると、より安心です。
終活ツアーに参加する
終活ツアーに参加するのも、終活の情報を集める効果的な手段といえます。
終活ツアーの内容
終活ツアーでは、専門家の講演会の受講、葬式会場や霊園の見学会、散骨の疑似体験、遺影写真の撮影などができます。
そういった終活に関する体験の他に、豪華な食事まで楽しむことのできるランチ付きのツアーも多数あり、プチ旅行の1つとして楽しみながら終活について学ぶことができるのが終活ツアーの特徴です。
終活ツアーは比較的日帰りのツアーが多く、日程調整も簡単にできるので気軽に参加できます。
また、1泊2日のプランもありますので、ゆっくり深く終活について考えたいという方にはこちらがおすすめです。
料金は日帰りのものだと数千円程度で済むことが多いので、あまり予算が無い方やとりあえず軽い気持ちで参加してみたいなどという方には日帰りのツアーが良いでしょう。
半日~2日ほど他の参加者の方と行動をするので、終活仲間ができることもあるかもしれません。
一緒に終活について学べる友達ができるのは心強いですから、そういった点からも終活ツアーはおすすめです。
終活ツアーを開催している企業
終活ツアーを開催している企業には、クラブツーリズムや阪急交通社、アルピコ交通などの旅行会社や交通会社、また、各地域の葬儀社などがあります。
意外にも終活ツアーは沢山あるので、どれに参加したらいいのか分からなくなってしまうこともあるかもしれませんが、ツアーの日程やツアー内容、ツアー料金のどれかである程度候補を絞って選ぶと参加するツアーが決まりやすいです。
また、ツアーは長時間に渡りますので、自分の体調に無理のないプランを選ぶのも重要です。
雑誌の終活特集を読む
雑誌の終活特集を読むのも、終活の情報を集める方法の1つです。
今や終活は多くの人が関心を寄せているテーマなので、終活の特集記事が組まれている雑誌は少なくありません。
まずは軽く終活について知りたいという方は、コンビニの雑誌コーナーで販売されている各週刊誌なども終活について特集を組んでいるので、こういった週刊誌から終活について学ぶのがおすすめです。
また、もう少し深く終活について知りたいという方には、「ハルメク」や「終活読本 ソナエ」などの中高年用雑誌をおすすめします。
ハルメクは、株式会社ハルメクが発行している女性用雑誌です。
中高年の健康維持法やメイクアップ術なども載っている雑誌ですが、終活についても度々特集が組まれているので、終活の情報を集めるのに適しています。
ハルメクは申し込みで自宅に届く仕組みになっているので、書店には並んでいません。購読したい方はハルメクのHP、電話、FAX、ハガキでの申し込みが必要です。
終活読本 ソナエは、産経新聞出版が発行している終活専門雑誌です。各週刊誌やハルメクとは違い、終活だけに特化した雑誌なので、より深く終活について学ぶことができる雑誌といえます。
終活専門雑誌とはいっても毎回著名人のインタビューなども載っているので、そこまで気難しい内容ではなく、誰でも気軽に読むことができます。
雑誌は手元に残るものなので、改めて調べなおしたいものができたときにも雑誌を開いて確認できるところもポイントです。
セミナーやツアーに参加するのは勇気が出ないという方も雑誌なら取り入れやすいかと思いますので、まずは一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
終活サービスとサービスを行う会社・相談先
具体的な終活サービスとそのサービスを行っている会社や相談先について説明します。
生前整理関連のサービスと会社・相談先
終活サービスの1つとして、生前整理のサービスがあります。
生前整理サービスの内容
生前整理サービスでは、荷物の仕分けや不用品の買取り、不用品の処理の手伝いなどを行ってもらえます。
自分の死後、家族に物を処分する手間をかけさせたくない場合や、1人では持ち運びできなくて捨てられない物がある場合、物で溢れかえって何から手をつけていいか分からない場合などには生前整理サービスを依頼すると良いでしょう。
生前整理サービスを行っている会社・相談先
生前整理サービスを行っている会社、団体、相談先としては生前整理普及協会やクロネコヤマト、生前・遺品整理ファンデックス、その他遺品、生前整理業者など多数あります。
その他遺品、生前整理業者に関しては「みんなの遺品整理」などの紹介サイトで探すこともできます。
無料見積りをしてくれる会社も多くありますので、まずは気軽な相談から始めてみてはいかがでしょうか。
お葬式関連の終活サービスと会社・相談先
昔は家族に手配してもらうのが普通だったお葬式も、今や自分で手配できる終活の1つとなっています。
お葬式関連の終活サービスの内容
お葬式の終活サービスを利用すると、自分で葬儀社と契約し、お葬式の種類を選択することができたり、前もって葬儀費用を払うことができたり、遺影を自分で決めておくことなどもできます。
自分のお葬式には色々とこだわりを持っているという方はぜひこういったお葬式関連の終活サービスを利用しましょう。
お葬式関連の終活サービスを行っている会社・相談先
お葬式の終活サービスを行っている会社、相談先には葬儀社、お寺などがあります。
最近では大手の葬儀社以外の地元の葬儀社などもこういった終活サービスを提供してくれているので、自宅の近くにある葬儀社に相談してみるのもおすすめです。
より気軽に相談したい場合は、普段からお世話になっている菩提寺に相談に訪れてみても良いかもしれません。
菩提寺の方とは日頃から顔を合わせていると思いますので、話しやすい存在の1人ともいえますし、親身に相談に乗ってくれる葬儀社を紹介してくれる可能性もあります。
お墓関連の終活サービスと会社・相談先
自分のお墓を準備しておきたい方のために、生前墓の相談を受け付けてくれるサービスもあります。
お墓関連の終活サービスの内容
お墓についての終活サービスには、主に自分のお墓を前もって作っておく生前墓のサービスがあります。
生前墓を建立しておけば、自分の理想のお墓のタイプや墓石のデザインなども確実に再現することができます。
また、お墓は相続税の非課税対象なので、相続税対策にもなるという点も生前墓を建立するメリットの1つといえます。
余談ですが、生前墓を購入する際には家族の意見を取り入れることも大切です。
自分で何もかもを決めることができるのが生前墓のメリットでもありますが、特にお墓の場所などは家族や親戚がお墓参りに行くことのできる場所でなければいけませんので、事前に話し合っておく必要があります。
また、生前墓を建てた際にはその場所を確実に家族に伝えておくようにしましょう。
自分でお墓を準備していたにも関わらず、家族がその場所を知らずに、違う墓地に納骨してしまうことも少なくないようです。
こういった事態を防ぐためにも、生前墓を建てる際には必ず家族に相談、報告をしましょう。
お墓関連の終活サービスを行っている会社・相談先
お墓の終活サービスを行っている会社、相談先には墓石屋や霊園、お寺などがあります。
しかし霊園に関しては、生前墓の建立が認められていない霊園もありますので、あらかじめ確認しておくことが重要です。
相続・遺言関連の終活サービスと会社・相談先
終活と言ってまず思い当たるのは遺言書の作成かもしれません。
相続や遺言に関するサービスを行う会社もあります。
相続・遺言関連の終活サービスの内容
相続や遺言の終活サービスには、生前相続などの手続きや遺言書の作成サービスなどがあります。
相続に関しては最も家族が揉めやすい話題なので、事前に終活サービスを利用して決定しておくことが大切です。
遺言書に関しても自分で作成することはできるのですが、様々な決まりがあり、少しでも決まりに外れているところが見つかると法的効力を持たない遺言書となってしまう恐れがあるので、やはりこういったサービスを利用して遺言書を作成するのが確実です。
相続・遺言関連の終活サービを行っている会社・相談先
相続や遺言の終活サービスを行っている会社、相談先には行政書士や司法書士、税理士、弁護士などの法律家や相続サポートセンター、中野相続手続きセンターなどがあります。
不動産の相続相談であれば司法書士、生前贈与の相談であれば税理士、遺言書関連や相続人、事業承継についての相談をはじめ、総合的に相談したいのであれば弁護士に相談するのが一般的ですが、自分でどこに相談するべきか判断できない場合には相続サポートセンターや中野相続手続きセンター、その他支援センターに相談すると良いでしょう。
死後のメッセージを残す終活サービスと会社・相談先
遺言やエンディングノートの他、自分の死後に演出をつけて遺族にメッセージを残せるサービスもあります。
死後のメッセージを残す終活サービスの内容
死後のメッセージを残す終活サービスには、死後に特定の人へメッセージを送信してくれるサービスや、ハガキや手紙、プレゼントを特定の人に届けてくれるサービスなどがあります。
自分が生きている間には伝えることができない恐れのあるメッセージや、少し恥ずかしくて言えていない感謝の気持ち、今だから言える謝罪の言葉、死後の意向などがある方は、こういったサービスを利用することをおすすめします。
死後のメッセージを残す終活サービスを行っている会社・相談先
死後のメッセージやプレゼントを届けるサービスを行っている会社、相談先にはウイングメッセージやタイムカプセル郵便みらいぽすと、未来POS〒などがあります。
ウイングメッセージは死後の確認が取れたらメールや手紙、エンディングノートを送ることのできるサービスで、基本的には無料で利用できる点が特徴です(有料サービスもあります)。
タイムカプセル郵便みらいぽすとや未来POS〒は、ハガキや手紙、プレゼントを特定の人に送ることができるサービスで、死後というよりは、指定の月日に郵送されるシステムです。
そのため、お子様やお孫様の成人の年や誕生日などを配達日に設定することもできます。
おひとりさま向けの終活代行サービスと会社・相談先
現在では少子化や核家族化が進み、独身だったり、配偶者に先立たれるなどして一人暮らしをしている高齢者も増えてきました。
時勢に合わせて、おひとり様向けの終活サービスも増えています。
おひとりさま向けの終活サービスの内容
おひとりさま向けの終活代行サービスとして主に挙げられるのは死後事務委任契約です。
死後事務委任契約とは、死後に発生する葬儀や納骨、公共サービスの利用停止、医療費の支払いや自宅の片付けなどの事務を指定の人に依頼する契約のことをいいます。
おひとりさま向けの終活サービス を行っている会社・相談先
死後事務委任契約を行っている会社、相談先には司法書士や行政書士などがあります。
死後事務委任契約は誰にでも自由に依頼することができますが、亡くなった後に行わなくてはいけない事務手続きにはかなりの数があり、とても労力のかかるものなので、誰しもが簡単に請け負えるものではありません。
そのため、おひとりさまの場合であれば特に司法書士や行政書士などの専門家と死後事務委任契約を締結しておくことをおすすめします。
司法書士や行政書士も沢山いるので選定に困るという方は、何かがあったらすぐに駆けつけてくれる近所の司法書士や行政書士の方、司法書士や行政書士のなかでも特に死後事務委任契約をメインに取扱っている方などに絞って探してみると良いでしょう。
まとめ
これからの日本は更に高齢社会になっていくことが想像されます。
そのため、自分の死後を託す相手を考えようにも、周りは高齢者ばかりで頼れる若い身内が見つからず、誰に託していいのか分からないという事態に陥ってしまうことが考えられます。
そういったときのためにも、まずは自分が元気な間に終活をはじめ、自分の死後のことは自分で考えるという思考を持つことが大切です。
今回の記事を読んで終活サービスを積極的に利用し、自分の人生を改めて見つめ直してくだされば幸いです。