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仏壇

仏壇に置く花瓶の選び方!色・サイズに決まりは?

投稿日:2020年2月10日 更新日:

仏壇を新しく購入する際や、仏具一式を新しい物に購入し直したい際、必ず購入しなくてはいけないものの1つに花瓶(花立て)があります。

花は仏教においてとても大切なものであるため、花瓶もそれに準じて大切に選ばなくてはいけません。 しかしながら、仏壇専用の花瓶を購入する機会はそこまで多くないので、そういった経験も少なく、具体的にどういった花瓶を選べばいいのか分からないという方も沢山いらっしゃるのではないかと思います。

そこで今回は、仏壇に置く花瓶の選び方について、花瓶の数や色、サイズなどに触れながら分かりやすく解説します。

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花瓶は三具足の1つ

花瓶は、三具足(みつぐそく)の内の1つであり、とても重要な仏具の1つです。

三具足とは、仏壇に最低限必要な3つの仏具を指し、香炉1つ・ロウソク立て(燭台)1つ・花瓶1つで構成されている仏具一式のことをいいます。

三具足に、ロウソク立てと花瓶を1つずつ足して各々一対にした仏具一式のことを五具足(ごぐそく)といい、さらに五具足に仏具を足した、七具足や十具足なども存在します。

また、浄土真宗では四具足(華瓶2つ・火舎香炉1つ・ロウソク立て1つ、あるいは華瓶2つ・火舎香炉1つ・仏飯器1つ)という、浄土真宗ならではの形式もあります。

少し話が逸れてしまいましたが、以上のように、花瓶は仏壇を飾る上で最低限必要とされている仏具3つの中に入っており、数ある仏具の中でもかなり重要な仏具の1つです。

したがって、仏壇の花瓶については、何でもいいやという気持ちではなく、しっかりと心を込めて選ぶ必要があります。

花瓶の数とサイズ

では、仏壇に置く花瓶の数やサイズについてはどのような決まりがあるのでしょうか。
以下で詳しく説明します。

花瓶は2つで一対が基本

先ほど、三具足や五具足について述べましたが、仏具の形式は五具足が正式な飾り方とされています。

よって、仏壇に置く花瓶は2つ(一対)というのが基本の考えです。

そのため、基本的に仏壇用の花瓶を購入する際は同じ花瓶を2つ購入する必要があります。

このことを忘れて1つだけ購入してしまう方もいらっしゃるので、十分注意しておきましょう。

小さめの仏壇なら1つでもいい

五具足が正式な仏具の飾り方ではあるのですが、仏壇が小さくて花瓶2つとロウソク立て2つを飾り切れないという場合は、花瓶1つ・ロウソク立て1つの三具足の飾り方でも構いません。

また、仏壇のスペースに五具足を飾れる余裕がある場合でも、普段の供養では三具足の形式で仏具を飾って構わないとされています。

しかし、仏壇にスペースがあるご家庭に関しては、法要などの特別な仏教行事の際には正式な五具足の形式で仏壇を飾るのが望ましいでしょう。

花瓶のサイズも仏壇に合わせて

花瓶のサイズについては、決まりがありません

したがって、ご自宅にある仏壇の幅や高さ、奥行きに応じて花瓶のサイズを決めることをおすすめします。

特に、花瓶そのもののサイズだけではなく、具体的に花を生けたときの全体のサイズと仏壇のサイズを照らし合わせて花瓶を選ぶと確実です。

また、できるだけ仏壇内に花瓶が2つ置けるようなサイズのものを選ぶという点や、花瓶の口のサイズが適当なものを選ぶという点も重要なポイントです。

せっかく購入したのに、サイズが大きくて飾れない・花瓶の口が大きすぎて花がもたれかかってしまうなどということが無いように、あらかじめ仏壇のサイズ(幅・高さ・奥行き)を計測し、実際に花を生けている様子を想像してから花瓶を購入することをおすすめします。

花瓶の置き方

一般的に花瓶は、香炉やロウソク立てと一緒に仏壇の最下段に置きます。

サイズや数の問題で仏壇内部に置けないという場合は、前机(前卓)を用意して、その上にそれらを置いても構いません。

三具足の形式で、仏壇内部や前机にそれらを置く場合は、中央に香炉、仏壇に向かって右にロウソク立て、そして左に花瓶を置きます。

五具足の形式で、仏壇内部や前机にそれらを置く場合は、中央に香炉、その両端にロウソク立て2つ、さらにその両端に花瓶を2つ置きます。

一番外側に花瓶が2つあり、左右対称になっていれば正解です。

また、花瓶の向きとしては、花瓶に生けてある花の正面が私たちの方を向くように(ご先祖様や仏様などに背を向けるように)置くというのが一般的な置き方となっています。

花を供養する側に向けるのは、仏様の慈悲の心が私たちに向いているということを表しているためです。

このような飾り方を向下相と呼びますが、地域や宗派によっては花の正面をご先祖様や仏様に向ける向上相という飾り方をする場合や、特に花の正面を決めず、全体に向けて飾る向中相という飾り方をする場合もあります。

先に述べたように、向下相の飾り方が一般的ですが、それでいいのか不安だという方は家族や近所の人、檀家さんに相談すると確実です。

花瓶の素材と色

花瓶の素材や色については、浄土真宗を除けば宗派によって違いがあるわけではないので、仏壇との統一性や故人の好み、その素材や色の持つ雰囲気、生ける花とのバランスなどで決めると良いでしょう。

普段の供養で使う用の気軽な花瓶と、法要などの特別な供養で使う伝統的な花瓶の2種類を用意しておくのも良いかもしれません。

以下では素材と色のおすすめの組み合わせや、素材ならではの長所を説明します。

真鍮(黒・金)

真鍮は、仏壇の花瓶をはじめとした仏具に使われるオーソドックスな素材の1つです。

高級感があり、昔ながらの伝統的な仏壇には真鍮の花瓶がとてもよく合います。

長年使用していると黒ずむこともあるのでお手入れが必要ですが、金メッキや漆の加工をしてあるものであれば黒ずみの心配はあまりありません。

色は黒や金などがありますが、特に浄土真宗本願寺派であれば黒色(宣徳色)、浄土真宗大谷派であれば金色のものを選ぶ必要があるので注意しておきましょう。

アルミ(銀など)

アルミは、何といってもその軽さが特徴です。

軽量なのでお年寄りでも気軽に扱うことができ、普段の供養にはもってこいの素材となっています。

銀色の渋い見た目に抵抗があるという方は、アルミ製であってもラメ入りで豪華な塗装がしてあるものや、暖色系の塗装で柔らかな雰囲気が施されているものもあるので、ぜひ探してみてはいかがでしょうか。

陶器(白・乳白色・青など)

陶器は、そのシンプルさから基本的にどのような仏壇にも、そして生ける花にも馴染みやすい素材です。

最近はモダンな仏壇も増えてきて、仏具もそれに準じてモダンなものに需要が出てきましたが、陶器はそういったモダンな仏壇にもぴったりで、洗練された雰囲気の中に柔らかさがあるのも特徴です。

また、比較的値段が安いものでもそれを感じさせないのが陶器の良さなので、仏壇の花瓶に高い値段は払えないという方にもぜひおすすめしたい素材となっています。

色としては様々あるので仏壇や好みによって選んでいただければいいと思いますが、シンプル差を追及したいのであれば白、より柔らかい雰囲気を演出したいのであれば乳白色、爽やかな色を選びたいのであれば青などがおすすめです。

色違いで値段の手ごろなものを複数購入して、季節や行事によって変えるのもささやかな楽しみができて良さそうですね。

ガラス(無色・青など)

ガラスは、軽やかな見栄えが特徴の素材です。

陶器と同じで、大体どの仏壇にも、そして生ける花にも馴染みます。

日光が当たると透けて違った一面を見せてくれるので、そういった楽しみ方が増えるの長所と言えるでしょう。

色はやはりガラスならではの無色透明のものがおすすめですが、中の汚れが目立ちやすいという問題もあるので、青色など、少々色がついたものもおすすめです。

花瓶の費用相場は?

つづいて、花瓶の費用相場について説明します。

花瓶の費用相場は幅広い

仏壇の花瓶単体(1つ、あるいは一対)の費用相場は300円台~30,000円台と幅広く、なかにはそれ以下の値段のものやそれ以上の値段のものもあります。

蓮の花などが描かれている、いかにも仏壇専用らしい花瓶でも600円程度で販売されているものも多くあり、意外と安価で手に入れることができます。

仏壇用の花瓶は、花瓶単体でなく、三具足や五具足でセット販売されていることも多いので、まずは単体で買うか、セットで買うかを考えてから購入することをおすすめします。

花瓶は100均で買ってもいい?

仏壇の花瓶の値段に決まりは無いので、100均で購入しても構いません。

最近の100均では仏壇の花瓶として十分に機能しそうなシンプルなデザイン・色の花瓶が多く販売されています。

心を込めて花をお供えすれば、花瓶の価格については全く問題ないので、花瓶1つにそこまでの値段は払えないなどという方は気軽な気持ちで100均の花瓶を仏壇用に購入しましょう。

花瓶の掃除の仕方

花瓶を掃除する際は、花瓶用のスポンジ(普段の食器洗い用とは別のもの)と中性洗剤、ぬるま湯を使って優しく掃除します。

花瓶が細長く、手やスポンジが底まで入りきらない場合は、100均などでよく販売されている持ち手つきの細長いスポンジを使うと良いでしょう。

持ち手つきのものを購入する際は、花瓶を傷つけないように、先端に硬いブラシがついているものではなく、柔らかなスポンジがついているものを選んでください。

これらを使って花瓶を洗い終わったあとは、柔らかい布で水分を拭き取りましょう。

また、金属製の花瓶で磨きが必要そうなものは磨き粉(その金属専用のもの)を使って磨くことも大切です。

しかし、金属製であっても金メッキや漆加工をしているものは磨き粉を使って磨いてはいけません。
その場合は乾いた布で優しく拭く程度に抑えておきましょう。

仏花にルールはある?

ここまで仏壇の花瓶について説明をしてきましたが、花瓶に生ける仏花についてもルールはあるのでしょうか。
以下で詳しく説明します。

仏花の種類

仏花の種類には、そこまで厳格なルールはありませんが、トゲや毒、ツタのある植物、そして香りが強い植物は避けるべきとされています

しかし、トゲなどがあっても故人の好きだった花であるのであれば生けても良いという声もあり、あくまで個人の判断に任されているのが現状です。

仏花としてのおすすめは、やはり日持ちする菊やカーネーションなど、オーソドックスなもの、そして季節の花(リンドウやホオズキなど)です。

庭で咲いた花についても、故人に向けたメッセージの1つとして生けてもいいですね。

また、こだわりがあって飾るわけでないのであれば、花弁が散りやすいものや花粉が落ちやすいものは避けた方が、掃除が楽です。

迷った際にはお花屋さんで仏花におすすめの花を聞いてみるのも良いでしょう。

仏花の本数

仏花の本数は、基本的に3本、5本、7本などの奇数がいいとされています。

一対の花瓶に生ける際は、同じ本数の花束を2つ用意しましょう。

生けるときには、ひしがたをイメージして生けるのも大切なポイントとされています。

仏花はプリザーブドフラワーでもいい?

仏花にプリザーブドフラワーや造花を使ってもいいのかという問題については賛否両論あるのですが、基本的には、それらを使用しても構いません。

仏花は生花であるべきだという声ももちろんありますが、定期的に生花を購入する金銭的余裕が無い方や、足腰が悪くてそう頻繫に外に出られない方、家を空けがちで花や水の交換をこまめにできない方など、様々な状況を考えると、プリザーブドフラワーや造花を使用することは否定できないと思います。

生花を飾れないということより、たとえプリザーブドフラワーや造花であっても「仏壇にお供えしよう」という気持ちを大切にしましょう。

たまにであれば生花を用意できるという方は、ぜひ法要などの特別な供養では生花をお供えしてみてはいかがでしょうか。

仏壇に合った種類の花瓶を置こう

以上、仏壇の花瓶について解説をしました。

仏壇の花瓶1つとっても色々と気にしなくてはいけないことがあって大変ですが、仏様やご先祖様、故人への気持ちを一番大切にして行動していただければ基本的には大丈夫です。

あまり気を張りすぎずに肩の力を抜いて、大切な方々への花瓶を選び、お花を飾っていただければと思います。

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