必ずやってくる終末期に備えて、必要な情報を残すためのエンディングノート。自分の死後に、遺族が適切な判断や手続きをスムーズに進めるためにも、死を迎える前の心の整理のためにも役立ちます。
そんな終活ノート作成を便利にする終活アプリが人気です。これまでは、紙製のノートの方が人気がありましたが、最近は30代くらいから終活を始める人が増えている影響もあり、アプリが活用されているのです。
この記事では、
- 終活アプリの特徴
- 終活アプリのメリットとデメリット
- おすすめの終活アプリ
をご紹介します。
終活アプリとは?
終活アプリとは、エンディングノートのアプリ版のこと。これまでは、市販のノートを活用するのが一般的でしたが、IT技術の進化により、すばやく入力でき、管理が便利なアプリが活用されています。
終活アプリには二つの種類があります。一つ目は、エンディングノートと同様に、自分の情報や財産目録などを入力する終活用アプリ。二つ目は、毎日の出来事を記録していくライフログアプリです。
それでは、2種類の終活アプリの特徴をみていきましょう。
終活用アプリ
終活用アプリは、自分がこの世を去った後の希望や意思、死後の手続きに必要な個人情報やインターネット上のアカウント情報、財産相続に関することなどをスマートフォンから入力できるアプリです。
分かりやすく言うと、終活ノートのアプリ版であり、テキスト入力はもとより、写真や音声なども記録も可能で、より明確なエンディングノートを作成できるのです。
残された家族へのメッセージも、写真とテキストで記録できるので、鮮明なままの思い出やメッセージをずっと残しておけるのがメリットです。
ライフログアプリ
ライフログアプリは、終末期を迎えるまでの日々の生活や行動を瞬時にスマートフォンから記録できるアプリです。
写真や音声とともにアプリにて日記を綴れて、紙に残すよりもリアリティがあり、忙しい毎日の中でもサッと記録できるのが魅力です。
終活アプリ活用のメリットとデメリット
高齢者だけでなく、30代から終活を行う人が増えている中で、終活アプリは特に若い世代に評判です。しかし、メリットだけではなくデメリットもあります。
終活アプリのメリットとデメリットには、次のようなものが挙げられます。
終活アプリのメリット
アプリでエンディングノートを書くメリットには、次のようなものが挙げられます。
スキマ時間に入力できる
アプリタイプの終活ノートなら、家事や育児の合間や通勤時間、仕事の休憩時間などのスキマ時間に入力に終活ノート作成ができ、便利です。
まさに、忙しい現代人に最適なツールであり、これまでより終活が楽しくなるはず。
また、伝えたいメッセージや書き留めておきたいことが浮かんだ時に、スマートフォンをひらけばサッと入力、自由に編集できるのが最大のメリットです。入力だけではなく、すばやく削除や修正できる点も評判です。
無料版なら費用なしで始められる
紙製のエンディングノートには有料のものが多い中で、アプリの無料版なら費用なしで気軽に終活をスタートできます。無料で使える機能も増えているので、利用方法によってはお得に活用できます。
画像や動画、音声も記録できる
紙製のノートには、画像や動画、音声の記録ができませんが、アプリ版なら画像などのデータも一緒に残しておけます。本来なら、別のアルバムに収めておかなければいけないはずの写真も、アプリならひとつにまとめられるため、見やすいのもメリットです。
経年劣化の不安がない
従来の紙のエンディングノートには、経年劣化が不安でしたが、アプリなら経年劣化の心配がなく、安心です。
紙やインクの劣化を避けるために保管場所を工夫したり、最悪の場合は書き直したりなどの手間もありましたが、アプリならそんな苦労や手間がありません。
終活アプリのデメリット
アプリでエンディングノートを書くデメリットには、次のようなものが挙げられます。
途中でサービスが終了する恐れがある
特に若い世代から終活アプリを始めると、自分が亡くなる時までアプリのサービスが続かない可能性もあります。
例えば、業績不振を理由にサービスが終了するアプリもあり、終活アプリの利用年数が長くなるほどに、そのリスクは高まります。
一部の機能が有料でしか使えない
無料版の終活アプリが増えていますが、特別な機能には料金がかかるケースが多いです。無料版の機能の範囲内で満足できるのであれば、問題はありませんが、使いたい機能が有料の場合は、長期間にわたって費用が必要です。
無料版は広告表示に悩まされる
無料版のアプリには大抵の場合、広告が表示されています。
表示される広告費により、アプリの運営が行われているから、無料で終活アプリの利用ができるのですね。
そのような仕組みを理解した上で無料アプリを利用しなければ、広告表示に悩まされて利用が億劫になる恐れもあります。
おすすめの終活アプリ5選
ひと口に終活アプリといっても、年々種類が増えており、選ぶのが困難ほどたくさん存在します。それぞれにメリットやデメリットがあるので、特徴を知った上でふさわしいアプリを選ぶことです。
そこで、評判の終活アプリを5つ厳選しましたので、ぜひ参考にしていただきたいです。
あなたのエンディングノート
あなたのエンディングノートは、ライフログタイプのアプリで自伝がコンセプトになっています。
自分史の作成により、自分の生い立ちや今日までの道のりを記録でき、それによって人生を振り返ることができるのです。
エンディングノート作成により、気持ちの整理ができると、家族や遺族に向けてのメッセージが明確になり、浮かんだ瞬間にさっと記録することができます。
あなたのエンディングノートには、次のような機能があります。
- 動画付きのメッセージが記録できる
- マップで埋葬地の確認ができる
- 自分の学歴・職歴などを細かく入力できる
- 作成した内容の公開日設定が可能で閲覧制限ができる
- メインカテゴリは9種類、サブカテゴリは11種類設定できる
100年ノート
100年ノートは、生活総合情報誌の「はいから」編集部が提供する終活アプリ。シニア向けの使いやすい終活アプリとしてよく知られており、会員登録なしでライフログアプリとして、便利に使えるのもメリットです。
高齢者でも入力しやすいように文字が大きく表示されたり、操作がシンプル化されていたりなどで、スマートフォンアプリ操作に慣れていない人でも楽しく利用することができます。
100年ノートには、次のような機能があります。
- 機種変更や故障などでスマートフォンを買い換えてもクラウドにより、データを呼び出せる
- 開示権限を利用すると、別端末から開示請求が可能
- 画像入力は「自分」と「ペット」の項目だけでシンプル
- 短い日記やメッセージを簡単に残せる
生前整理アプリ
生前整理アプリは、手軽でスマートに使えるエンディングノートタイプの終活アプリ。
クラウド上に細かいデータを一括保管でき、セキュリティ面万全体制の中で管理できて、使いやすいと評判です。
高齢者はもちろんのこと、終活に関心を持つ若い世代の人まで幅広い年齢層のユーザーが利用しています。特に相続関係やお墓の情報などを残せるシステムが完備しており、入力は項目に従って行なっていくため、アプリ利用者初心者でも簡単に記録できます。
生前整理アプリには、次のような機能があります。
- 自分の死後に伝えたい情報や想いを伝えたい人だけに届けられるシステムがある
- お墓の情報や遺影の写真を登録しておける
- 遺言書の保管場所や内容を記しておける
- 動画にてメッセージを残すことができる
- 年忌法要ごとのメッセージや個別のメッセージを録画記録できる
エターナルメッセージ
エターナルメッセージは、無料なのに豊富な機能が揃っているエンディングノートアプリです。
記入内容が見やすく、書き込みやすい工夫がされており、記し忘れを防げます。記入項目は、遺された家族に対してのメッセージや希望がメインで、死後の相続や手続きに不安を抱いている人に最適です。
エターナルメッセージには、次のような機能があります。
- 葬儀や相続関連の内容の記入項目が多い
- 写真や動画でも希望やメッセージを残せる
- 日々の出来事を写真と言葉で残せるライフログ機能もあり
- 事前に家族登録をしておけば、それぞれの家族に動画メッセージを届けられる
ウケツグ
ウケツグは、自分の遺産情報の記録に特化したエンディングノートアプリ。現在の所有資産と継承者を登録するだけのシンプルな機能で、全て無料で利用できます。
具体的には、銀行口座や不動産、借金、各サービスのID・パスワードなどの資産情報を指定した継承者に対し、記録できます。
入力された情報は全て暗号化されるのでセキュリティも万全。遺言書代わりの60秒動画メッセージも残せるので安心です。
安否確認の設定をしておくと、週に一度アプリを開いたり、通知メッセージを開いたりする操作により、運営事務局に無事を伝えることができる機能にも注目です。
ウケツグには、次のような機能があります。
- 安否確認や生存確認の設定があり、アプリを通しての運営事務局とのやり取りで自分の無事を伝えることができる
- 金融機関や不動産、利用中のサービスのIDやパスワードを記録しておける
- 記録したデータは暗号化されるので安心
- 1分間の動画メッセージにて遺言を残せる
まとめ
終活のアプリの特徴やおすすめについて、解説してきました。終活アプリにはエンディングノート作成タイプとライフログタイプの2種類があります。現在の年齢や終活の目的によって2種類を使い分けたり、2種類が一緒になっているアプリを使ったりなどの活用ができます。
終活アプリのメリットとデメリットをよく知った上で、おすすめのアプリを参考にして自分に最適なアプリでエンディングノートや遺品整理などを進めていけるといいですね。
アプリを利用するのは20代や30代の若い世代の人達だけではありません。最近はシニア世代でも使いやすいアプリが続々と登場しており、楽しく終活できる環境が整えられています。