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葬儀

葬式をしない方法を解説!火葬のみの直葬・火葬式

投稿日:2018年10月23日 更新日:

お葬式をしないの画像1
近年、家族葬などの小さなお葬式を行うのが一般的になりつつあります。

お金をかけたくない、おおっぴらにしたくない、無宗教だから、生前言われていたなど、その理由はさまざまで、形や体裁にとらわれない葬儀をしたいと考えている人が少なくありません。

では、葬式をしないときはどうすればいいのか、葬式をしないとどんなことが起きるのかなど分からないことが多くあるのではないでしょうか。

今回は、葬式の意味や葬式をしないときに起こること、葬式をしないときに代わる火葬式とは、火葬式のメリットやデメリットについて解説していきます。

目次

■お葬式の意味とお葬式をしない理由
・お葬式の意味
・お葬式をしない理由
・遺言に葬式をしないと書かれていたら

■葬式をしない火葬式/直送
・火葬式の流れ
・火葬式の内容
・火葬式にかかる時間
・お骨拾い(骨上げ)のマナー
・火葬式で気をつけることと注意点
・心づけについて
・火葬式に香典や弔電は必要?

■お葬式をしないメリット・デメリット
・お葬式をしないメリット
・お葬式をしないデメリット

■まとめ

お葬式の意味とお葬式をしない理由

これまで、人が亡くなったら葬式を行うことが一般的で、慣例でもありました。

しかし、法律的には、人が亡くなったら葬式を行わなければならないという法律もなければ、義務もありません。
ですので、お葬式をしないという選択をしても少しも問題はありません。

お葬式をしない理由はさまざまありますが、そもそもお葬式の意味とはどういった意味があるのか、まずはそこから解説していきます。

お葬式の意味

お葬式の役割には、社会的、物理的、心理的、文化的、教育的なものまで、さまざまな役割を担っています。

社会的な役割には、死亡届や除籍届け、相続などその人が亡くなったことを明確にするという役割があります。

物理的には、亡くなった人の遺体を火葬で処理して、物理的にその人の存在を無くすという役割があります。

心理的には、亡くなった故人に対する悲しい想いを持った人たちが集まり、悲しみを共有し慰めあうという役割があります。

文化的には、亡くなった人の霊を慰め、この世からあの世へ送りだすという霊的な役割があります。

教育的には、命の大切さやを命には限りがあるということを子供や孫に伝えていくという役割があります。

お葬式をしない理由

お葬式をしない理由はさまざまで、自分の葬儀にお金をかけてほしくない、残された家族に負担をかけたくない、派手にしてほしくないという故人の遺志や希望があった場合や、無宗教だから、おおっぴらにしたくない、人を呼びたくないという遺族の考えから葬儀をしないという選択をすることもあります。

お葬式をしない理由として特に多いのが、「自分の葬儀にお金をかけてほしくない」、「残された家族に負担をかけたくない」というお金に関わる理由です。

一般的な葬式をした場合、平均的な費用は200万円前後になり、葬儀の参列者や弔問者が香典を持ってきていただけたとしても、その金額で葬儀の費用をまかなうことはできないので、遺族にとって負担は大きくなります。

また、家族葬と呼ばれる小規模な葬儀をした場合は、50万円前後になります。

近年はこれまでの通夜や告別式という儀礼にとらわれずに火葬のみで故人を見送る火葬式(直葬とも言われます)という葬儀形式を選ぶ人が増えてきていて、その費用は10~30万円と一般的な葬式に比べて安い費用ですることができます。

遺言に葬式をしないと書かれていたら

遺言は故人から家族や友人、知人に送られる最後のメッセージになりますが、その遺言に葬式をしないでほしいと書かれていることもあります。

遺言に書かれていることは故人の考えや気持ちですから、遺族もできる限り故人の遺志を尊重してあげたいという気持ちがあります。

ですが、遺言に葬式をしないでほしいと書かれていても法的な効力はありません。
葬式をするのかしないのかは、最終的には遺族が判断することになります。

なお、遺言に書かれていることで法的に効力があるのは、大きく以下の3点に分けられます。

1.身分に関すること
2.財産処分に関すること
3.相続に関すること

身分に関することは、子供の認知や相続人が未成年者の場合の成年後見人、後見人監督人の指定についてです。

財産処分に関することは、遺産の譲渡で贈与の指定をしたり、特定の企業や人、団体への寄付を指定したり、信託銀行に預けて遺産の管理や運用の指定したりすることです。

相続に関することは、遺産分割の禁止を指定したり、遺産の分割方法を指定したり、遺言内容を実行する遺言執行者を指定したり、相続人の廃除の指定をしたりすることです。

近年では、死ぬための準備として「終活」が取り上げられることが多くなり、生前に死んだ後のことについて考える機会が多くなっています。
ですので、生前に親の死後に対する考え方や子供の考え方を親子で互いに知っておくことは大切です。

葬式をしない火葬式(直葬)

葬式をしない火葬式(直葬とも言われる)は会場を借りて祭壇を設けて通夜や告別式を行わない、とてもシンプルなお別れの儀式になります。

とはいえ、葬式を行うことで遺族が知らなかった故人のエピソードに触れたり、遺族の心に故人が生きた証を刻むことができ、残された家族のその後に生きる力を与えてくれることにもなります。

葬式をするとお金はかなりかかってしまうことになりますが、死後の手続きや葬式の準備などを葬儀社がしてくれるので遺族にとっては負担が少なくなります。

実際に火葬式を行うときは火葬場が火葬式の会場になるので、故人の遺体はそれまで自宅か火葬場の安置室などに安置する必要があります。

火葬は亡くなってから24時間を経過しないと行なえないと法律で定められているので、その間に死亡届の提出、火葬許可証の交付、火葬場の予約、遺体を火葬場まで運ぶ霊柩車の手配や棺桶、骨壺の手配などを自分で行なわなければなりません。

最近では、火葬式を引き受けてくれる葬儀社もあるので、生前に火葬式を希望しているときは、事前に火葬式を引き受けてくれる葬儀社を探しても良いでしょう。

火葬式の流れ

火葬は亡くなってから24時間を経過しないとおこなえないと法律で定められているので、火葬式を行なう場合は最低でも2日間は必要になります。

ここからは、亡くなってから火葬式が行うまでの流れを具体的に解説していきます。

火葬式の大まかな流れは以下の通りです。

【1日目】
1.病院で亡くなる
2.遺体を自宅もしくは安置場所に搬送する
3.遺体を自宅もしくは安置場所に安置する
4.遺体の腐敗を抑えるためにドライアイスを用意して腐敗防止措置をする
5.遺体を納める棺や骨壺を購入する
6.市区町村の役場や役所に死亡届を提出して、火葬の許可証を手に入れる
7.火葬場の予約を行う
8.親族や故人の友人、知人など火葬式に参列して欲しい人に火葬式の日時を連絡する

【2日目】
9.火葬式当日、遺体を棺に納める
10.棺を火葬場まで搬送する
11.火葬を行う
12.骨上げ(お骨拾い)をする
13.埋葬の許可証を手に入れる
14.埋葬する(埋葬は後日でも問題はありません)

火葬式の内容

火葬式は火葬場に到着し、火葬する棺を炉の前に安置して納めの式から始まります。

炉の前に用意されている机に持ってきた遺影や位牌、お花を飾り、納めの式の準備をします。

次に僧侶の読経、焼香、喪主から血縁の近い遺族、近親者、友人や知人などの会葬者が焼香、合唱、礼拝と順番に行います。
ここで故人とは最後のお別れになるので、棺の小窓をあけて故人のお顔をしっかりと見届けて、これまでの感謝の気持ちを込めてお別れをしましょう。

また、火葬場によっては火葬の手順ですぐに火葬をする場合もあるので、納めの式ができるのかどうかを事前に確認しておいてください。

火葬式にかかる時間

納めの式が終わると火葬、骨上げと続き、火葬式にかかる時間は、1時間30分から2時間になります。

まず、火葬には約1時間の時間がかかり、火葬が終わるまでの時間は遺族が僧侶や参列者をもてなすことになります。

火葬場には会食ができる控え室などが用意してあるので、僧侶には上座に座っていただき、茶菓子や軽食などでもてなしをします。

ただし、読経などや納めの式も不要なので僧侶は呼ばないという場合は、この限りではありません。

お骨拾い(骨上げ)のマナー

火葬が間もなく終わるタイミングでアナウンスがありますので、アナウンスがあったら控え室の片付けを行いお骨拾い(骨上げ)の準備して収骨室に向かいます。

お骨拾いをする前に火葬場のスタッフの人がお骨について説明があり、その後お骨を骨壷に収めていきます。

お骨拾いの作法は2人が1組になり竹のお箸を使い、お骨を1片もしくは2片を骨壷に収めていきます。

お骨拾いの順番は喪主、遺族、近親者、友人や知人などの順番ですすめていきます。

拾いあげるお骨は、下半身から上半身の順番で拾いあげていき、最後に喉仏を故人にもっとも縁の深かった人が収めます。

また、遺族に特別な事情があるなど、どうしてもお骨拾いをしないという場合は、火葬場のスタッフに申し出て、お骨不要の意思を伝えれば、お骨の放棄と処分を火葬場で行ってくれることがあります。
全てのお骨の処分をしてくれるのは、原則一部の骨だけを骨壺に納める部分収骨の文化がある、関西地域や西日本のみです。
その他の地域では、基本的には火葬場で遺骨の処分をしてもらうことはできません。

火葬式で気をつけることと注意点

火葬の際に棺に入れる故人の思い出の品(副葬品)、お骨拾いなど気をつけることや注意することが3つあります。

・副葬品について
棺に入れる副葬品は、「燃えるものなら何でもいい」と思われている方が少なくありません。
プラスチックやゴム、発泡スチロールなどを入れて火葬をすると、ダイオキシンや悪臭が発生し、お骨に色がついたりします。
また、指輪や眼鏡などの金属品を入れた場合は、金属品が冷えないとお骨拾いができないので、火葬場での待ち時間も変わってきます。

・点火スイッチは誰が押す?
火葬炉に棺を入れると火葬炉の点火スイッチを押して火葬がはじまります。
火葬炉の点火スイッチは火葬場のスタッフの人が押すこともありますが、地域によっては遺族が点火スイッチを押す場合があります。
火葬炉の点火スイッチは喪主が押すと思われるかもしれませんが、火葬場に行った親族が押しても問題はありません。
ただ、亡くなった故人が若かった、事故などで突然亡くなったという場合は、喪主が点火スイッチを押すことができないことがあります。
そのようなときは、喪主の子供や兄弟が代わり押してあげるという気づかいも必要です。

・埋葬許可証は大事に保管する
お骨拾いが終わると火葬場のスタッフが骨壷を白木の箱に入れてくれて、錦帯(きんたい)をかけてくれます。
その際、納骨をするときに必要な「埋葬許可証」を白木の箱に入れてくれますので、なくさないように注意してください。
墓地に埋葬する際に必要になります。

心づけについて

火葬式では、火葬場のスタッフや霊柩車の運転手、送迎のハイヤーやマイクロバスの運転手に心づけを渡すことが一般的です。

心づけは半紙で包んだり、白封筒に入れて、火葬場に出発する前や火葬場から帰ってきたときに渡します。

心づけの相場は、3,000〜5,000円程度が目安になります。

また、公営の火葬場では心づけを禁止しているため、渡さないようにしてください。

火葬式に香典や弔電は必要?

火葬式では葬儀をする会場がないので、香典やお供え・弔電を送る必要はありません。

火葬式に呼ばれた場合は香典を持っていっても問題はありませんが、呼ばれていないときは呼ばれた人に香典をことづけるということはしないでください。
香典をどうしても持っていきたい場合は、日を改めて喪家に香典を送りたい旨の連絡をしてからするようにしてください。

また、火葬式では葬儀をする会場がないので弔電や供花を送ることができません。
供花や弔電が当日、自宅に届いても困ることになるので、後日、別な形で弔意を示すことをおすすめします。

お葬式をしないメリット・デメリット

家族葬や1日葬など近年は小規模な葬式が主流になりつつあり、火葬式もこれからますます増えていくと思われるます。
最後にお葬式をしないことのメリットとデメリットを解説します。

お葬式をしないメリット

お葬式をしないメリットは、以下の4つが考えられます。

1.費用を抑えることができる
2.香典、香典返しをする必要がない
3.参列者や弔問者の対応をしなくて済む
4.式の準備に追われず、落ちついて故人を見送ることができる

お葬式をしないデメリット

お葬式をしないデメリットは、以下の4つが考えられます。

1.式をしなくても火葬まで遺体の安置場所を確保する必要はある
2.遺体を火葬場まで搬送する手段を確保する必要がある
3.棺や骨壷の用意や死亡届や火葬許可証などの手続きを自分で行う必要がある
4.故人の友人や知人から十分な別れができないと反感を招く恐れがある

まとめ

ここまで、葬式の意味や葬式をしないときに起こること、葬式をしないときに代わる火葬式とは、火葬式のメリットやデメリットについて解説してきました。

火葬式を選択する理由は、「高齢だから葬式に呼べる人が少ない」、「葬式の費用を安く抑えたい」、「身内のみの少人数で見送りたい」などがあり、今後ますます増えていくと思われます。

生前に葬式について親と話し合いを行い、どのような葬式を親が望んでいるのかを確認しておくことが大切です。

もし、親が葬式をしない火葬式を望んでいるときは、ここで解説したことを参考にしていただき、来たるときに備えるようにしてください。

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