仏壇はご先祖様と亡くなった親族に想いを馳せ、語りあえる一番身近な場所です。
長く自宅に置いてある仏壇はホコリをかぶり、少しづつ汚れていきますが、
仏壇をお掃除するとなると、敷居が高く、身構えてしまうのではないでしょうか。
仏壇には、金箔や漆塗りがされていて、扱いが難しそうな気になってしまいますが、
仏壇のお掃除をするときのポイントや注意点を知っていれば少しも難しいことではありません。
風水でも仏壇のお掃除は運気が上昇すると言われていて、定期的に仏壇のお掃除をすることでご利益もあるはずです。
今回の記事では仏壇の掃除の準備や手順などについて解説します。
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仏壇お掃除の前のチェックポイント
仏壇は、複雑な細工などが施されていて、一般の家具や日用品などの掃除方法と少し違い、雑巾でゴシゴシこするというわけにはいきません。
仏壇には唐木仏壇と金仏壇の2種類があり、それぞれお掃除の方法も異なります。
仏壇を適切な方法で扱うためにも、仏壇のお掃除をはじめる前に気をつけることなどを知ることは大切です。
ここからは、仏壇の種類やお掃除をはじめる前に気をつけることについて解説していきます。
仏壇の種類
仏壇は大きくわけて唐木仏壇と金仏壇の2種類があります。
表面の材質が異なるので、掃除の方法や扱いも異なります。
唐木仏壇
唐木仏壇は黒檀(こくたん)や紫檀(したん)など、さまざまな種類の木が使われていて、木目が表面に現れていて、落ちつきのある印象があります。
唐木仏壇は金仏壇に比べて地味にはなりますが、装飾や様式が比較的簡素に作られているので、お掃除もしやすい仏壇です。
お掃除をする際は、取り外せる仏具は取り外して、仏壇掃除用の筆でホコリを落としていきます。
金仏壇
金仏壇はヒノキやスギ、ケヤキといった木地に漆が塗られ全体的に金箔や金粉が貼り付けられていて、さん然と輝く仏壇になります。
表面が緊迫になっているので、素手で触ると皮脂や指紋が金箔についてしまします。
年月が経った金仏壇に至っては触るだけで金箔がはがれることもあります。
また、金仏壇を濡らすことは厳禁です。
もし濡らしてしまったり、金箔が剥がれたりすると修理が必要になり、費用も高額になります。
仏壇のお掃除をはじめる前の注意点
まず、仏壇は湿気に弱いこと、灯篭(とうろう)や燭台(しょくだい)、華瓶(けびょう)などさまざまな種類の仏具が飾られていることを留意しましょう。
飾られている仏具にはそれぞれ意味があり、配置される場所や順番も決まっています。
仏壇をいつもキレイに保つためにも、お掃除をはじめる前に気をつけていただきことを2つお伝えします。
お掃除は天気のいい日を選ぶ
仏壇は湿気に弱いので、晴れていて湿気の低い日にお掃除を行うようにしてください。
雨の日が絶対にダメというわけではありませんが、湿った空気は仏壇にカビが生える原因にもなります。
雨の日はできるだけ避けるようにしてください。
掃除前に現状の写真を撮っておく
仏壇には沢山の仏具が飾られており、それぞれ配置が決まっています。
普段目にしていると言ってもすべての配置を覚えていることは難しいため、いざ掃除が終わった後に仏具を戻そうとすると、分からなくなってしまいます。
仏具は下ろしてしまう前に、事前にスマートフォンやデジタルカメラで写真を撮っておきましょう。
掃除後は写真を見ながら復元すればいいので、楽に戻せます。
仏壇掃除の流れと注意点
ここからは実際に自分で仏壇掃除をする場合の流れと注意点について解説していきます。
もしかすると、「仏壇を触るのがこわい」、「仏壇に変なことをするとバチがあたる」とお仏壇のお掃除を何となくためらっている人もいるかもしれません。
仏壇のお掃除をすると、仏壇がキレイに保たれるのはもちろん、ご先祖様、亡くなった親族も喜んでくれますので、安心して仏壇に触ってみてください。
仏壇掃除で使う道具
仏壇をお掃除するときに使う道具は専門的な道具を含めてさまざまあります。
仏壇を長くキレイに保つためにもできるだけ仏壇専用の道具を使うようにしてください。
・仏壇掃除用の筆
仏壇の隅や内障子、彫り物の隙間のホコリを払います。
仏壇を傷つけないように、少し良いものを用意して下さい。
・毛ばたき
仏壇、仏具のホコリ払いに使います。
・ピカール(液体)
仏壇専用のクリームで汚れ落としやツヤを出すのに使います。
・ピカールケアー(クリーム状)
金属磨きのクリームです。仏壇や仏具の金属部分に使います。
・仏壇用クロス
仏壇、仏具のホコリや汚れを拭き取るときに使います。
漆塗りを傷つけずに使える仏壇用ワインピングクロスというクロスもあります。
・ローがとれます(ロウ除去液)
こびりついたロウに吹きつけるだけで簡単にロウが剥がれます。
・科学雑巾
・ティッシュ
・綿棒
・新聞紙
・使い古した肌着、Tシャツ、ストッキング(仏壇用クロスの代用として)
仏壇用の筆や仏壇用クリーム、仏壇用クロスなどは、仏壇、仏具店で販売されているので、お近くの仏壇、仏具店で探してみてください。
仏壇掃除の流れ
仏壇をお掃除するときの基本的な流れは、以下のようになっています。
1.ご本尊とご先祖様にお断りをする
2.写真を撮る
3.仏具を外していく
外した仏具は新聞紙などを敷き、その上に置くようにしてください。
4.ホコリを落としていく
毛ばたきや仏壇掃除用の筆などを使って 上から下へ順番にホコリを落としていきます。
5.上置き部分を掃除する
平面などは科学雑巾でサッと拭き、細かな部分は綿棒など使って汚れをとり、
仏壇用クロスに仏壇用クリームをつけて軽く拭き、仏壇用クロスで乾拭きをします。
仏壇用クロスが無い場合は、使い古した肌着やストッキングで代用することができます。
6.下台部分を掃除する
上置き部分と同様に科学雑巾、仏壇用クロス、仏壇用クリームなどを使ってお掃除をします。
7.仏具を戻す
2.で撮った写真を見ながら戻してください。
8.ご本尊とご先祖様に報告をする。
1.〜8.の順番が基本的な仏壇掃除の流れになります。
お気づきの方がいるかもしれませんが、仏壇をお掃除する流れは上から下への順番が基本になります。
また、金仏壇を扱う場合は必ず手袋をして、金箔や金粉に触れないように注意しながら、お掃除をするようにしてください。
仏壇掃除の注意点
仏壇掃除をするときの注意点には以下のような点があります。
・濡れた雑巾で拭かない
仏壇のお掃除をするときに濡れた雑巾を使い、拭き取りが不十分な場合、残った水分が木の部分に染み込みカビを発生させたり、漆部分は拭き跡が残ってしまったり、金属部分にはサビを発生させる恐れがあります。
・金箔、金粉の部分に触れない
金箔、金粉の部分に触れると、その部分が剥がれたりすることがあり、剥がれた金箔、金粉部分を修理する費用が高くなってしまうので注意が必要です。
・力を入れずにやさしくお掃除する
仏壇や仏具の表面は繊細に仕上げられているので、お掃除するときは力を入れてゴシゴシと擦るのではなく、やさしく軽くていねいにこするようにしてください。
仏壇の普段のお手入れとお掃除の頻度
毎日、仏壇に向かって拝んでいる人はいるでしょうが、毎日、仏壇をお掃除している人は少ないのではないでしょうか。
普段は負担にならない程度のお手入れを行い、年に数回しっかりとお手入れをしておくことで、いつまでもキレイな状態を保つことができます。
仏壇の普段のお手入れ
仏壇を毎日お掃除するのは負担がかかりとても大変です。
毎日もしくは数日に一回、週に一度でもいいので、仏壇に拝んでいるタイミングでホコリを払うことからはじめてみましょう。
毛ばたきや仏壇用の筆などで軽くホコリを落とすだけで、見た目も随分変わります。
ホコリを払うだけなら負担も軽く、時間もほとんどかからないので、長く続けられます。
仏壇のお掃除をする頻度
年に数回は仏壇をしっかりとお手入れしてください。
春のお彼岸、夏のお盆、秋のお彼岸、お正月には、親戚の方が仏壇をお参りすることが多いので、そのタイミングに合わせて仏壇のお掃除をしてみてはいかがでしょうか。
仏壇のお掃除では、ネジの緩みや蝶番のガタつきなど仏壇の不具合なども見つけることもできるので、早めに仏壇を整えておくことができます。
年に数回お掃除をしておけば、仏壇を整えられ気持ちよくお参りをしてもらうことができるようになります。
仏壇掃除を業者に依頼する方法
仏壇の掃除を自分でするのが不安な方は、業者に依頼してみてはいかがでしょうか。
特に金仏壇かなりデリケートで繊細な注意が必要なので、プロに任せた方が安心です。
仏壇のお掃除は仏壇専門のお掃除業者に依頼します。
ハウスクリーニングなどでは仏壇の扱いまでは心得ていないので、注意しましょう。
かかる費用は業者によって違いはありますが、5万~20万円がおおよその相場になります。小型の仏壇だと、5~6万円で、高さが1mくらいの仏壇だと12万~15万円なります。
高いと思われるかもしれませんが、自分では落とせない汚れも落としてくれたり、金仏壇も安全に扱ってもらえるので、業者に依頼するメリットはあります。
また、仏壇専門のお掃除業者では、お掃除以外にも剥がれた金箔や金粉部分の修理も行ってくれます。
仏壇専門のお掃除業者を知らない、探したけれど見つからなかったというときは、仏壇、仏具店に一度相談してみてください。
まとめ
ここまで、仏壇のお掃除をする前に気をつけること、お掃除をする手順や流れ、使う道具、お掃除をする頻度など、仏壇のお掃除について解説してきました。
仏壇を触るのがこわい、仏壇に変なことをするとバチがあたるのではと思っている方がいるかもしれませんが、そんなことは一切ありません。
仏壇のお掃除をすることで、ご先祖様や亡くなった親族も喜んでくれて、あなたや家族の運気が上がるご利益があるかもしれません。
今回、解説しました仏壇のお掃除の流れや注意点を参考にして、定期的に仏壇のお掃除をするようにしてみてください。
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