最近流行の断捨離という言葉をご存知でしょうか?
無駄を捨てて、よりよい生活を手にしようという考え方です。
実はこの考え方を人生の終わりの活動、すなわち終活に活かそうという動きが世間では密かにブームになっています。
今回の記事では、断捨離して生前整理をするポイントを紹介します。
目次
■断捨離をして老後の生活を有意義にしよう
・断捨離とはなにか?物を持たないミニマリスト
・断捨離して老後に備える
・断捨離すればこれからの生活がすっきりする
■生前整理とは何か
・老前整理・生前整理・遺品整理の違い
・生前整理は密かなブーム!ブログも人気
■断捨離のやり方
・1.まずは暮らしの見直しから始める
・2.片付けの範囲と期限を決めましょう
・3.不必要なものの仕分け「片付けるのではなく、捨てる」
・4.物以外の整理
■断捨離をしたら始める最高の終活
・断捨離をしたら始める地域とのつながり
・それまでになかった捨てる価値観
・これからの人生を想像する
断捨離をして老後の生活を有意義にしよう
断捨離とはなにか?物を持たないミニマリスト
断捨離という言葉が世に出て久しくなりました。
この言葉を知っている人も多いことでしょう。
もともとはヨーガの行法でもある断つ、捨てる、離れるという概念をもとに独特の考え方を提唱した山下英子さんという方の著書がもとになった、いってみれば造語のようなものです。
それぞれの意味は以下のようになります。
・断……入ってくるいらないモノを断つ
・捨……家にずっとあるいらないモノを捨てる
・離……モノへの執着から離れる
これに対してミニマリストという言葉もよく耳にするようになってきました。
このミニマリストは所有物を持たずに、必要最低限の生活をシンプルにするひとのことです。
これにはさまざまな人の解釈があるので誇大な解説は抑えますが、山下英子さんの言葉を借りればミニマリストは「すてなくてもよい」そうです。
どちらも所有や執着にとらわれないという仏教思想を強く反映しているように思えますが重視してい点が違うようです。
・断捨離は無駄なものを捨てることで所有物を減らし過ごしやすくする
・ミニマリストははじめから必要なものしか所有しない
この微妙な違いは山下英子さんの著書を参考にしてください。
しかし、最近これらの言葉が流行している背景には物にあふれた現代ならではの問題があるのでしょう。
断捨離して老後に備える
後述しますが、断捨離は老後、ものにとらわれずに生活を送るための手段です。
基本的に私たちの身の回りには大小さまざまなものが溢れています。
それは物に限らず、人、お金(の問題)、それ以外と実にさまざまです。
それらの片付けはいつかやらなければなりませんが、老いは思いもよらぬところからやってきて、気づけば自分で片付けるのは一苦労、そんな自体にもなりかねません。
自身がいつか旅立つときに家族に面倒をかけないためにも少しずつ物を減らしていきましょう。
断捨離すればこれからの生活がすっきりする
断捨離はなにも自身がこの世を去った後に家族に面倒をかけないためだけのものではありません。
物をたくさん所有しないでも豊かな生活を営むという人々はむしろ若年層に多いのです。
老後、今まで抱えてきたものから大切なものだけをのこし身軽になってよりよい生活をするという意味でも断捨離は優れた思想のひとつなのです。
生前整理とは何か
生前整理とは、自分の死後に家族に負担をかけないよう、事前に自分の財産や持ち物を整理しておくことをいます。
生前整理は断捨離ととてもよく似た点があり、セットで言われることがままあります。
老前整理・生前整理・遺品整理の違い
断捨離とはなにか、を考えていくと実はそれは生前整理のひとつであることがわかります。
生前整理とは言葉を聞いた事のあるひとも多いでしょうがこれは遺産や相続品などの整理をすることで
老前整理コンサルタントでもある坂岡洋子さんによるとされに3つの考え方に分けることが可能だそうです。
それが以下の3つです。
・老前整理
・生前整理
・遺品整理
それぞれ老前整理は今の自身の生活をすっきりさせよりよいものにすること、生前整理は残される家族のために行う整理、そしてなくなった後に家族等が行うのが遺品整理という定義になります。
断捨離はこれらのうち、前二つ「老前整理」「生前整理」にあてはまります。
一般的には老後などに限らず、自身の生活において余計なものを極力減らし、生活に調和を持たせようとする山下英子さんが提唱した思想のひとつです。
ここから、老後の生活をよりよくするために派生していった考え方に生前整理が生まれてきました。
生前整理は密かなブーム!ブログも人気
自身がどのように自身の生活に終わりを告げるか。
どのように人生の最後をすごしたいか。
物に溢れ、多種多様な幸福感を追求できる現代だからこそ、そのような思想を思い描く人が多くなりました。
そんなテーマを追求する手段としても生前整理はとても注目を集めています。
自身の身の回りの片付けや、そのノウハウを紹介する生前整理はブログでも人気があり、ひそかなブームを呼んでいます。
是非、あなたも生前整理について考えてみてはいかがでしょうか。
断捨離のやり方
1.まずは暮らしの見直しから始める
断捨離はすなわち入ってくるものの遮断、必要のないものを捨てる、そして執着から離れるという概念をあわせた造語です。
これらの内、生前整理をする場合には捨てることと、執着から離れる必要が出てきます。
そのために、まず自身の生活を客観視して、物を捨てることからはじめなければなりません。
しかし、ここで日本人には特有の「もったいない」という心持が働くのではないでしょうか。
「もったいない」という考えは、物を大切にするという堅実な気持ちの表れとも言えますが、年を取るにつれて心身ともに自身の抱えることのできる幅というものは縮小しています。
執着を断ち切れずに、所有を続けた場合に一番困るのは、実は家族です。
あなたがなくなって、そのものを使う所有者がいなくなったあと行われる遺品整理はとてつもない重労働になります。
動けるうちから少しずつ所有物を減らしておくというのは、老後の生活をよくすることと同時に、残された家族のためでもあります。
このとき、その執着を断つために必要なのが暮らしの見直しになります。自分自身の生活を思い出してください。
以下の項目に沿って、あなたが今何を必要としており、何を捨てるべきなのかを考えましょう。
・現在の生活に何を必要としているか
・現在の生活における不満、不安はなにか
・現在自宅にある膨大なもので、捨てられないものはなぜ片付けられないのか
・もし、ひとつだけ無人島に持っていくとしたら何を選ぶか
2.片付けの範囲と期限を決めましょう
次に、家を見回して見ましょう。
家の中にはさまざまな部屋、物があります。
これらをすべて一日で片付けるというのは無理な話ではないでしょうか。
しかし、いつかやろうとするとどうしてもできないという人が多いようです。
そこで以下のような手順が推奨されています。
・片付けの範囲を分ける
・どこからやるか順番を決める
・それぞれの期限を決める
これらの期限は当然個人差がありますので、明確には決まっていませんが、個人のペースで無理なく、しかし必ずできるペースで組んでいくとよいでしょう。
3.不必要なものの仕分け「片付けるのではなく、捨てる」
どうしても、片付けていると「これはまだ使えるな」とか「懐かしい~」といった気持ちがわいてきて捨てられなくなってしまうことがあるでしょう。
しかし、それではいつまでたっても捨てることができずに終わってしまうことがあります。
そんなときのためにルールを設けましょう。
例えば、以下のような例がそうです。
・何年使ってないものは捨てる
・役に立っているものは捨てない
・今すぐ使う予定の思いつかないものは捨てる
これらのルールを詳細に決め、何か心に迷ったときはそれに従うとよいでしょう。
自分自身で客観的にコントロールするためのものです。
詳細にといっても困るでしょうが、5W1Hに従うとよいかもしれません。
いつか、どこかで、だれかに使うかもしれないを明確にすることで以外に「いらないかもしれない」となることが多いようです。
しかし、思い入れのあるもの、というのはなかなか判断に迷うものです。
どうしても捨てられないものなど判断に困るときは保留してもよいと思いますので、ルールの基準はあくまで参考程度にしましょう。
4.物以外の整理
断捨離でよくいわれるのは部屋の片付けや、相続などの整理ですが最近では老後を見据え、人生と生活そのものでの片付けと捉えられることも少なくありません。
代表的な例が人間関係です。
老後が迫り、自身やあるいはパートナーが退職をすると、それまで付き合ってきた仕事関連の付き合いがあります。
これらの付き合いの整理も断捨離の一環として捕らえられるようになってきた、という意味です。
ビジネスライクに付き合っていた人間関係をずるずる続けるのか、その退職というタイミングを期に、一度整理するのかといった判断も重要です。
もちろん無条件で人間関係を絶つ事を推奨しているわけではありません。
さらには自身のライフワークとして行っていたような趣味や活動も環境が一変します。
これからの人生を前向きに考えるにあたって、物同様に、必要なものとそうでないものとの仕分けが、その後の人生を身軽にするかどうかの分かれ道になるでしょう。
断捨離をしたら始める最高の終活
断捨離をしたら始める地域とのつながり
断捨離をすることで、今までとは生活環境が一変します。
例えば、付き合いで続けていた人間関係をやめることで、それまでなかった時間が生まれます。
ですが、人間関係と時間から開放された代わりに、ぽっかりと穴が空いたような空虚な時間をすごす人がいることがひとつの問題になっています。
退職しリタイヤした後でも遅くはないのですが、早めにご近所との付き合いを始めておくとよりよい老後生活を送ることができます。
断捨離で捨てるとともに、そのような人間関係を作っておくのもよい終活の一環といえるでしょう。
それまでになかった捨てる価値観
現代の私たちを取り巻く環境は、世界的に見てとても恵まれています。
さまざまな意見はあるでしょうし、最近では日本は下火に向かっているという見解もありますが、世界的に見れば日本は経済的に恵まれた国の一国に数えられて間違いないでしょう。
そんな中で、私たちは多くのものに囲まれて生きています。
ある程度の人間関係や仕事を持った人間ならば、それこそ断捨離の断のごとく遮断をしなければものに溢れ返っていってしまいます。
しかしこれまで物にあふれるようになるまでになったのはほんの数十年の話で、それまでは捨てるという概念がありませんでした。
高度成長期を過ごした人々は物とともに過ごし、そしてバブルの崩壊を体験し、捨てるということに恐怖心があるとも言われています。
そんな中社会問題化しているのがごみ屋敷のような問題です。
本人たちは自身の所有物だと言い張るあれらの多くのものですが、敷地を飛び出すほどあふれたものを見たときに誰もが違和感を抱かずにはいられないかもしれません。
しかし、実際にはあれらの物を所有したいという気持ちは誰しも必ず大なり小なりもつ心の作用です。
現代になり、日本がようやく裕福になり、物に囲まれるようになった世代が、ミニマリストなどと呼ばれるものを所有しない概念を持つようになりました。
一方で、家族の単位が核家族化し、平均寿命が伸び、物に囲まれるようになった現代において
ここまで極端な話でなくても、この時代を上手に生きるには物を持ちすぎない、上手に捨てるという新しい考え方が必要になってきています。
これからの人生を想像する
もしも、生前整理をしているときに迷ったら、ひとつやってみてほしいことがあります。
それは、これからの人生を想像することです。人生はだれしも有限です。
しかしながら、多くのモッタイナイの精神で抱えてきたあらゆるものを手放せずにそれを維持し続けていたら、自分の時間と家族の時間はあっというまになくなっていってしまいます。
もしも、何を捨ててよいのかわからないときはこれからの生活でもしも三つしか手にする事が出来なかったら何を残すか想像してみてください。
例えば家族と過ごす時間が持てなかった人は、家族との時間と答えるかも知れません。
絵が好きだったのにずっと描くことが出来なかったひとは絵を描きたいというかも知れません。
もちろん答えはないでしょう。それぞれの答えを前向きに持って、自分らしい生活を手にするために、そのイメージを作り出しましょう。
このときに、もうモッタイナイという言葉はいらないかもしれません。
まとめ
今回は断捨離をして生前整理を行うことについて解説をしてきました。
今の時代だからこそ、心に多くの溜めごとがありもしかすると豊かなゆえに生活が枯渇しているのかもしれないという問題が多く言われます。
今回のポイントをもう一度見直していきましょう。
・断捨離やミニマリストという考え方は違いがあるにせよ、物を持たないことで生活に豊かさを生むという思想
・断捨離という考え方にのっとって生前整理とすることで死後、老後に備えることが出来る
・断捨離をや生前整理を行うことで老後の生活をよりすばらしいものにする事ができる
・断捨離をするときに迷ったら自分の人生や必要なものを思い出し、しっかりと捨てること
これらが今回のポイントとなります。物を捨てるというのは意外と容易なことではありません。
しかし、一度やり始めたらやみつきになるようです。是非、試してみてください。