お葬式が終わってひと段落すると、故人の遺品整理をしなければなりません。故人の使っていた日用品や家具などを整理して、不要なものは処分し、価値のあるものは形見分けをしたりします。
しかし、自分のものでも片付けは大変なのに、他人のものとなるともっと大変です。一つ一つに故人の思い出が詰まっています。明らかにゴミや不用品と思われるものはともかくとして、何を処分し、何を残すか迷うことも多いでしょう。
遺品整理の際に困るものにはどのようなものがあるか、またその処分はどうすればよいかをまとめました。
遺品整理のときに困るものは?
写真・アルバム
遺品整理のとき、一番扱いに困るのが写真とアルバムです。
写真は、自分のものであっても捨てづらいものです。まして故人の写真には今までの思い出が詰まっています。しかも高齢者の場合は、年齢に応じて写真の枚数も多いため、どうしたらよいのか悩むものです。
とはいえ、大切な写真だけを残して、後は思い切って処分しましょう。できれば、生前のうちに整理しておくとよいでしょう。親子で一緒に整理すると、当時の思い出がよみがえって、灌漑深いひと時を過ごすことができるかもしれません。
また、どうしても処分しづらいという場合には、紙焼き写真をデジタルデータにするサービスを利用することもできます。DVDなどにすると場所も取りませんし、コピーして兄弟など欲しい人に配ることもできます。データ化すると変色やカビで写真がダメになるということもありません。
手紙・手帳など
故人の保管していた手紙や手帳なども処分に悩むものの一つでしょう。
故人と親しくしていた人とは、今後も何かと連絡が必要になることがあります。その場合、連絡手段がないような状態になると困るため、手紙や手帳はなるべく残すようにしておきましょう。
同様に、携帯電話などのデータも、パソコンにコピーしたり、印刷するなどして保管しておくようにしましょう。
書籍
故人が読書好きだった場合、たくさんの蔵書が残っているかもしれません。故人の大切にしていた書籍は捨てたくないが、値打ちがわからないので整理できないという方も多いようです。また、書籍は意外に重いため、整理自体が大変ということもあるようです。
家族も読書家で、故人の本をそのまま残したいという場合以外は、古書の買取サービスで売却しましょう。人文・芸術分野の書籍がある場合は高値がつく場合がありますので、専門家に査定してもらうとよいでしょう。
趣味の道具やコレクション
本人にとっては貴重で大切な品物でも、関心のない人にとってはただの不用品でしかありません。高価なものがあっても、興味のない人にはその値打ちがわからないのです。
もし、親族や知人に同じ趣味を持つ人がいれば、その人に譲ってもよいでしょう。また、ネットオークションなどを利用して売却するのも一つの方法でしょう。
衣類・寝具
衣類や寝具などは、捨てても失礼にならないかと考える人が少なくないようです。
高価な素材を使った洋服やブランド物は、再利用できるかもしれません。また、和服は価値がありますので、形見分けをするか、業者に引き取ってもらうといいでしょう。
それ以外の衣類については、処分しましょう。使っていないバッグや小物類も同じく処分。
寝具についても、来客用や未使用のもの以外は処分すべきでしょう。
元気なうちに生前整理を
遺品整理は大変です。特に賃貸のマンションやアパートに住んでいた人は、速やかに明け渡さなければならないため、時間のない中で整理をしなければなりません。そのため、昨今は、残された人に迷惑をかけないよう、生前整理を行う人が増えています。
子どもの独立や定年退職など、ライフスタイルの変化によって必要な品物は変わります。不必要なものを整理することで、家の中のスペースが確保できるだけでなく、生活そのものも整理できます。
遺品整理のときに困るものは、生前に整理しておいたほうがよいものです。不用品を処分するだけでなく、残しておく品物についてもエンディングノートなどで処分の方法を指示しておくと、家族も判断に迷わずにすむでしょう。
元気なうちに生前整理をはじめ、できるだけ家族に負担をかけないようにしたいものです。