さまざまな葬儀社の広告やCMなどで紹介されている「家族葬」。家族葬は小規模の葬儀だから、安く葬儀を行えるというイメージを持っている方も多いと思います。
しかし実際どのような葬儀が家族葬に当たるかご存知ですか?
この記事では、
・家族葬の定義
・家族葬のメリット・デメリット
・家族葬の費用
について解説します。
家族葬に関する基本的な内容を理解できるので、ぜひご一読ください。
そもそも家族葬の定義とは?
家族葬とは、、具体的に何人規模の葬儀?費用はいくらからのプランあるの?と考える方も多いと思います。しかし、実際には「家族葬」に対する明確な定義はありません。
家族葬の解釈は個人や葬儀社によって差がありますが、基本的には家族や親族を中心とした、10~30人規模の小規模の葬儀を指すことが多いです。
参列者の範囲も明確に定められていないため、身内だけで家族葬を行う人もいれば、家族と親戚、親交が深い友人を呼んで家族葬を行うこともあります。
家族葬のメリット・デメリット
身内だけで葬儀ができるから費用を抑えられるというイメージが浸透している家族葬。実際にどのようなメリット・デメリットがあるかを解説します。
家族葬のメリット
はじめに家族葬のメリットから解説していきます。
家族葬のメリットは、以下の3つです。
1.葬儀の準備をスムーズに行える
2.費用負担が少ない
3.身内だけで落ち着いてお別れができる
1.葬儀の準備をスムーズに行える
参列する人が少ない分、葬儀の準備をスムーズに行うことができます。
一般葬の場合、友人や知人だけでなく、会社の人や近所の方など多くの方へ連絡する必要が出てくるので時間が掛かることが多いです。
対して家族葬は基本的に家族や親族、親交の深い友人など近しい人だけで葬儀を行います。そのため料理や返礼品の手配が少なく、準備がスムーズに進みすいです。
2.費用負担が少ない
家族葬は小規模の葬儀だからこそ、費用負担が少ないです。参列者が少ないので斎場も小さめの斎場で問題なく、料理や返礼品手配数も一般葬より少なくて済みます。
また自分達が参列を依頼した人しか来ないため、あらかじめ葬儀費用の目途がしっかり立つこともメリットです。葬儀後に多額の追加費用が発生してしまった、ということはあまり起こりません。
3.身内だけで落ち着いてお別れができる
身内中心の小規模の葬儀になるので、落ち着いて故人とお別れができます。
一般葬の場合、弔問客への挨拶などを行わなければならないので、故人とゆっくりお別れしたいのに慌ただしく時間が過ぎてしまった……ということも。
身内だけなのでリラックスした状態で、周りに気を使いすぎることなく、ゆっくりと故人とお別れができるのは家族葬で1番のメリットです。
家族葬のデメリット
何にでもメリットがあればデメリットがあるものです。家族葬のデメリットもしっかり把握しておきましょう。
家族葬のデメリットにについて、下記の3つを紹介します。
1.あとから弔問客が絶えない場合もある
2.親戚・知人とのトラブル発生の原因にもなり得る
3.お別れ会の開催が必要になることもある
1.あとから弔問客が絶えない場合もある
身内だけで家族葬を行った場合、葬儀後に友人や知人、会社の方など弔問客が途絶えなくなるという可能性があります。
家族葬だから参列はできなかった分、しっかり故人にお線香を上げたいと感じる方は多いです。
結果、葬儀を行うより弔問客が多くなることも。さらに葬儀とは異なり、多くの人がばらばらに訪問するため、葬儀後の方が慌ただしく落ち着かないということにもなりかねません。
2.親戚・知人とのトラブル発生の原因にもなり得る
はじめにお伝えした通り、家族葬の定義はなく、家族葬に誰を呼ぶかは遺族次第のところがあるのでトラブルが発生しやすいです。
仮に親戚を一切呼ばずに家族だけで家族葬を行ったあとに、親戚から「何で呼ばんでくれなかったの?」とクレームがきてしまうということもあります。
家族葬を行う場合、「身内だけで家族葬を行う」ということはあらかじめ伝えておきましょう。なぜ身内だけで行うのかを説明し理解してもらえれば、トラブルを回避しやすいです。
3.お別れ会の開催が必要になることもある
故人とのお別れは家族葬でゆっくりと行い、故人にお別れを伝えたい方に集まって後日会を開くのがお別れの会です。
葬儀は家族だけでゆっくりと行いたいけれど、故人にお別れを伝えたいという方が多くいるので「お別れの会」を開くとうケースも増えてきています。お別れ会を開くケースは故人に知人が多い場合や顔が広い場合が多いです。
お別れの会の形式は、葬儀のように形式に沿って進めるセレモニー形式やはじめに焼香を行い、後に食事を行うパーティー形式など多岐に渡ります。
あくまでも故人のお別れの場なので、故人を尊重した会になるよう心掛けましょう。
家族葬の費用はどれくらい?
葬儀を行う上で気になるのが葬儀の費用です。家族葬の費用は規模や斎場の金額などによって差異が出るので、一概に家族葬の費用はいくらとは言えません。
とはいえ、葬儀を行う上で費用は重要なポイントです。
ここでは 株式会社鎌倉新書の「第3回お葬式にかかる全国調査」の結果を元に、
・葬儀費用
・飲食費
・返礼品
・宗教者へのお布施
の4つの項目ごとに一般的な費用と、家族葬の場合金額負担が減らしやすい項目を解説します。
葬儀費用
葬儀費用とは、斎場使用料や火葬料、棺や祭壇など、葬儀にまつわる費用一式です。株式会社鎌倉新書の調査によると、平均1,171,111円という調査結果が出ています。
家族葬の場合、葬儀費用負担で減らせされるのは斎場使用料です。参列者が少ない分小さい斎場で済むので費用負担を減らすことができます。
飲食費
飲食費は精進落としや通夜料理など、葬儀でふるまう料理代を指します。平均金額292,946円という調査結果が出ていますが、家族葬の場合平均金額を下回ることが多く、費用負担を減らしやすい項目です。
一般葬の場合、想定した参列者の人数より多めに料理を用意する必要があるため費用がかさむ傾向にあります。
しかし家族葬の場合はあらかじめ人数がわかっているので追加料金が掛からず、人数も少ないので平均金額を上回ることは少ないです。
返礼品
参列してくださった方に渡す品が返礼品。平均318,459円ですが、家族葬の場合参列者が少ないため平均金額を下回ることが多いです。
また親族や知人を一切呼ばずに、身内だけで家族葬を行う場合返礼品の費用は発生しないので1番費用負担を抑やすい項目とも言えます。
宗教者へのお布施
僧侶へのお布施やお車代、戒名料などが宗教者へのお布施です。葬儀の形式や宗派によって金額が大きく異なるので、この項目では平均費用は取り上げません。
菩提寺がある方は、菩提寺もしくは親戚に戒名料や過去の納めたお布施の金額を確認すると、スムーズに葬儀の準備を進めることができます。
また菩提寺がない方は葬儀社もしくは僧侶手配サービスで定めた金額を納めることになるので、見積の段階で金額を確認しておきましょう。
家族葬の流れとは
家族葬の場合も一般葬と葬儀の形式に変わりはありません。
例えば仏式に場合、通夜を夕方17時から21時の間に行い、翌日の午前中に告別式を行います。
あくまでも家族葬は葬儀の規模や参列者を指すものであり、葬儀自体に変わりはないのでご安心くださいね。
まとめ
家族葬について紹介しました。「家族葬」という言葉がだけが世に広まり、実は具体的な定義がないものだからこそ、自分たちでしっかりどのような葬儀を行うか考えなければいけません。
小規模の葬儀だから安いというイメージを持つ方も多いですが、親戚や知人にもしっかり根回しをしておかないと後々トラブルにもなりやすいです。
大切な故人とのお別れをしっかり行えるよう、自分たちが行いたい「家族葬」のイメージを見つけて準備してくださいね。
ライター:笹 まい 大学卒業後、冠婚葬祭企業に就職。営業職として、互助会の加入案内や終活セミナー講師を経験。 葬儀や終活に関するお悩みをわかりやすく解説していきます。 |