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葬儀

お葬式のお骨上げって何?マナーや順番を解説

投稿日:2018年9月27日 更新日:

骨上げのマナーの画像1
お葬式では、火葬の後に「お骨上げ」という儀式をします。
リアルに故人が亡くなったということを感じさせる儀礼なので怖いと感じる人もいますが、大切な儀礼ですのでマナーや作法などをしっかり守りたいものです。
今回の記事では、お骨上げのマナーや、参列者で行う順番などを解説します。

目次

■お骨上げとはどういう葬送儀礼か
お骨上げの読み方は
お骨上げとは箸で遺骨を拾うこと

■お骨上げの順番とマナー
・お骨上げを火葬場で行うまでのステップ
・お骨上げの方法とマナー
・お骨上げの順番
・喉仏は喪主ともう一人の近しい親族がお骨上げする
・お骨上げの終了
・分骨する場合の注意点
・東日本と西日本ではお骨上げの仕方が違う
・火葬には許可証が必要

■お骨上げは誰が参列する?遺族が一人の場合は
・お骨上げの参列者の基本
・交通手段の手配も忘れずに
・お骨上げが怖い、つらい場合は参加しなくていいのか

■お骨上げをしない、したくないということは可能か
・原則はお骨上げは必須ステップ
・収骨拒否ができる自治体も
・収骨しない理由

■お骨上げ費用の相場は

■まとめ

お骨上げとはどういう葬送儀礼か

骨上げのマナーの画像2

お骨上げの読み方は

お骨上げは「おこつあげ」と読みます。
ほかには、「拾骨、収骨」とも言い、ともに「しゅうこつ」と読みます。

お骨上げとは箸で遺骨を拾うこと

故人をお棺ごと火葬し、それが終わると肉体が燃え尽きて、遺骨だけが鉄板に乗って戻ってきます。
その遺骨を1つ1つ箸で拾って骨壺に入れるのが、お骨上げという儀礼です。

これは、故人をこの世からあの世に「橋」渡しするという意味です。
このステップを経て、故人はあの世との境界である三途の川を渡り、無事あの世へ行けるのです。

お骨上げの順番とマナー

骨上げのマナーの画像3

お骨上げを火葬場で行うまでのステップ

お骨上げをするまでのステップは以下の通りです。

まず告別式を終了した後に出棺し、お棺を霊柩車に乗せて火葬場へ向かいます。
お棺を霊柩車に乗せる際には6人の男性遺族、親族、親しい知人が行います。

霊柩車は葬儀社の人が運転し、遺族は乗りません。
遺族のうち喪主は位牌を、子供のうちの1人が遺影を持って、僧侶と一緒に次の車に乗って後に続きます。
そのほかにお骨上げに参列する遺族や知人は、さらに続く車やマイクロバスに乗ります。

火葬場に到着したら火葬許可証を提出し、火葬を行います。
火葬場のお釜に運ばれるお棺を全員で見送り、その後1時間ほどかけて焼く間、控え室で待機します。
場合によってはその間に簡単な料理や食事が出ますので、それをいただきます。

お骨上げの方法とマナー

火葬が終わったら、お釜から故人の遺骨が出てきますので、その遺骨の周りに参列者は集まります。
喪主は骨壺を持って、遺骨の頭部側に立ちます。

それぞれ桃や桑などの木と竹の箸をそれぞれ1本ずつ1対にして持ちます。
通常は男女2人でペアになって、1片の遺骨を男性の場合は左から、女性の場合は右から拾って、それをもう1人に箸から箸へ渡して、骨壺に入れます。

拾う遺骨の順番は、足元の骨から上半身の骨に移りながら進んでいきます。通常は火葬場の係員が指示してくれますので、それに従いましょう。

参列者全員が骨上げを行っても、まだ遺骨が残っている場合は、再びペアで遺骨を拾っていきます。
後で述べますが、地域によってはすべての遺骨を拾わない場合もあります。

お骨上げの順番

お骨上げの順番は、喪主を除いて、故人と縁が深い遺族から順番に行います。
最初に喪主になっていない場合の配偶者、そして子供、兄弟、孫、という順番です。
これも当日は火葬場の係員が指示してくれますので、その指示に従いましょう。

喉仏は喪主ともう一人の近しい親族がお骨上げする

骨上げの最後に、喉仏の骨上げを行います。
なぜ喉仏を最後にお骨上げするかというと、その理由は喉仏の特徴的な形状にあります。
喉仏は、突起や曲線の感じがお釈迦様が座禅している姿によく似ているため、大切に扱われます。
ただし実際の喉仏は軟骨で焼けてしまいますので、この際にお骨上げしているのは第二頸椎です。

この「喉仏」を喪主と1番近しい親族が一緒にペアになって拾い、骨壺に入っている遺骨の1番上に載せます。

お骨上げの終了

遺骨を骨壺に納めたら、白木の骨箱に入れ、埋葬許可証を係員から受け取り、それも一緒に骨箱に入れて、全体を白い布でくるみます。
この埋葬許可証は、お墓に遺骨を入れる際に提示する必要がありますから、そのまま大切に保管しましょう。

そして斎場に戻り、祭壇に骨箱を安置し、「還骨勧行」という僧侶の読経とともに、参列者全員が焼香します。

これで葬送儀礼の法要の全てが終了します。

分骨する場合の注意点

遺骨を2か所以上のお墓に埋葬する、つまり分骨する場合は、葬儀社の担当者へ前もって伝えておくと、お骨上げ時に分骨用の骨壺を用意してくれます。
分骨のことは、火葬場の係員にも伝えておくと、トラブルなく進めることができます。

東日本と西日本ではお骨上げの仕方が違う

骨壺へ入れる遺骨の選別は、西日本と東日本では大きく違います。

東日本では火葬して出て来たすべての遺骨を骨壺へ納めます。
これに対し、西日本では一部の遺骨だけを骨壺へ入れ、残りは火葬場の係員が収骨し火葬場の共同墓地へ納めたり、簡単な袋に入れて遺族に手渡されたりするのが一般的です。
したがって、骨壺の大きさも西日本に比べて東日本の方が大きくなっています。

東日本のお葬式に慣れた人が西日本のお葬式に出るとこの点で驚きますが、決して遺骨をいい加減に扱っているわけではなく、そのような習俗なのです。

火葬には許可証が必要

少し触れましたが、火葬の際には、火葬場の係員へ火葬許可証を渡さなければなりません。
その際に「心づけ」を渡す慣習がある地域もありますので、親族や葬儀社に確認し、必要であれば用意しておきましょう。
そして火葬後に埋葬する場合も、埋葬許可証を役所や墓地などを管理しているお寺や霊園に提出する必要があります。

この火葬許可証、埋葬許可証は死亡届を役所に提出する時に、同時に「死体火葬許可申請書」を申請することで、発行してもらえます。
手続きに必要な情報は死亡届と同様に、死亡地、本籍地、住所地などですが、そのほかに亡くなった病院から発行された死亡診断書、もし検視が行われた場合は死体検案書が必要となります。

また届け出る人にも条件があります。
届け出ができる人は、同居の親族、同居していない親族、同居者、家主、地主、家屋管理人、土地管理人、公設所の長のいずれかです。
ですから遺族が死亡届の届け出に行けない場合は、届けてくれる人を探す必要があります。

提出先は死亡した土地、死亡者の住所、届出人の現住所の役所の住所登録窓口です。

お骨上げは誰が参列する?遺族が一人の場合は

骨上げのマナーの画像4

お骨上げには誰が参列するのが一般的なのでしょうか。

お骨上げの参列者の基本

お骨上げに参列し、火葬場へ向かうのは、遺族、親族、親戚、故人と生前特に親しかった友人などで、特に決まりはありません。
ですので、故人の知人でどうしてもお別れしきれない気持ちがある場合は、遺族にお願いをして火葬場へ一緒に向かう許可をもらいましょう。

また、遺族が1人だった場合でも、原則としてお骨上げは行う必要があります。

火葬場へ向かう人以外は、火葬場へ向かう霊柩車を見送って散会になります。
ただし、一部の世話役と葬儀社の人は残って、遺骨が戻ってきてからの次の準備をします。
告別式まで遺骨を自宅で安置する場合は、その祭壇を準備するために家の工事や修理が必要な場合もあるので、葬儀社に確認しましょう。
自宅で安置できない場合は、お世話になっているお寺があれば預かってもらえるか相談してみましょう。

交通手段の手配も忘れずに

火葬場には専用のマイクロバスで向かうのが一般的ですが、空席がない場合はタクシーや自家用車で同行します。

自家用車の場合は火葬場の住所、駐車場の位置、経路を確認し、迷わないように注意することが大切です。
通常は霊柩車、マイクロバスの後ろについていけばよいのですが、信号待ちなどではぐれてしまうと、お釜に故人を入れる儀礼に間に合わなくなってしまいます。

タクシーの場合は火葬場からの帰りも利用する必要がりますから、控え室で待つ間にあらかじめ帰りのタクシーを手配しておきましょう。

お骨上げが怖い、つらい場合は参加しなくていいのか

この火葬からお骨上げという儀礼は、実際に遺体を火で焼き、そして骨になって出てくる、という葬送儀礼の中でも、リアルに「死」を感じさせ、目にしてしまうものなので、参列するのが怖い、焼けてしまうのを見るのがつらい、という人もいるでしょう。

通常であればお骨上げに参列する立場である遺族などで、上記の理由で参列を避けたい場合は、喪主または葬儀委員長、代表世話人に申し出て、お骨上げに参列しない方法も可能です。
本来はそれらの人に直接伝えるべきですが、葬儀のバタバタでそれらの人と直接話ができない場合は、葬儀社を通じて伝えましょう。

お骨上げをしない、したくないということは可能か

骨上げのマナーの画像5

お骨を火葬後に受け取らない、あるいは火葬はするがお骨上げの儀礼自体を行わない、と言うことは可能なのでしょうか。

原則はお骨上げは必須ステップ

原則は、お骨上げは葬送儀礼の中で必須のステップであり、遺骨の回収自体は条例で義務付けられていることが多いです。
ただし上で述べたように、西日本では「部分収骨」なので、お骨上げで残った遺骨を火葬場が供養します。
したがって、全ての遺骨をそのようにしてもらうことは可能です。

しかし東日本は「全収骨」ですから、お骨上げの拒否はできません。

収骨拒否ができる自治体も

また収骨拒否、つまり遺骨を引き取らないことが法的に許可されている自治体もあります。
各自治体で「火葬場条例」を設けて収骨に関しても定められていますが、1番早いのは葬儀社の担当者に相談することです。

たとえば西日本では大阪市、堺などの火葬場での収骨拒否が可能です。
収骨拒否の申請書類に署名、捺印すれば、各火葬場で全遺骨を供養してくれます。
この申請書類の記入は、喪主または死亡届の届出人が行います。

収骨しない理由

お骨上げをしない理由はその遺族によって様々ですが、一般的には以下のような理由が多いでようです。

・経済的な理由で遺骨を受け取っても埋葬や供養ができない
・生前の故人との関係があまり良くなかった
・故人とは血縁の遠い親戚なので、納骨までは面倒がみられない
・信仰上、遺骨を重要視していない
・最近ではお骨上げをしない雑誌記事なども多いので、自分も重視していない

お骨上げ費用の相場は

骨上げのマナーの画像6

火葬からお骨上げにも費用が必要です。
中には、「火葬場へ支払う費用」だけ済むと思っている場合もありますが、そのほかに寝台車代、棺桶代、遺体安置費用、葬儀社の人件費などがかかります。

葬儀社によってはそれらも含め、お通夜、火葬、告別式のセット料金になっている場合も多いですが、この火葬とお骨上げだけを独立して行う場合の相場は、平均20万円〜30万円です。

まとめ

お骨上げの儀礼のマナー、参列者、行う順番などを網羅して解説しました。
お骨上げはお葬式の儀礼上、重要なステップですから、間違わずに行うことが大切です。
もしも自分が参列する立場であれば以上を読んでマナー違反を行わないように注意しましょう。

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