「エンディングノートを書いてみたいけれど、いったい何を書けばいいのだろう?」と思ったことはありませんか?
万が一の時に備えて書こうと思ったけれど、何を書けばいいかわからず、エンディングノートが空白のままという方も多いと思います。
そのためこの記事では、
・エンディングノートに書くべき項目と書き方の一例
・エンディングノートを書くコツと注意点
についてご紹介します。
エンディングノートを書き進めるための第一歩となるので、ぜひご一読を。
エンディングノートとは?
エンディングノートとは、人生の終末期について書き残すためのノートです。将来自分に万が一のことがあった際に備えて、自分のプロフィールなどの基本情報をはじめ、介護や葬儀などの要望を書きます。
エンディングノートを書くことによって、自分の人生を見つめ直すことができ、今後どのように生きていきたいかを考えるきっかけになるとも言われています。
「葬儀や介護についていつかは考えなきゃ…」と思っていても、つい先延ばしにしてしまいがち。しかし先延ばしにしてしまうと、臨終を迎えたり、認知症になってしまったりして、自分で意思を伝えられないということもあり得ます。
そのため自分の意思を書けるうちに、少しずつ書き進めることが大切です。
エンディングノートの項目・書き方例
エンディングノートを書く際に、書いておくべき項目を順番に紹介します。書き方の一例も合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
自分自身の基本情報
自分の基本情報を書くことは、2つのメリットがあります。1つ目は、お子さんやお孫さんにどのような人生を歩んできたかを伝えることができる、2つ目は介護が必要になった際、介護者がどのような人なのかすぐに理解することができるということです。
また自分の基本情報を書くことは、自分の人生を見つめ直して、大切な人との関係を見直すことができるので、終活の第一歩に最適とも言えるでしょう。
書いておきたい基本情報は大きく分けて2つです。
自分のプロフィール
まず基本情報として、名前、生年月日、住所、連絡先、勤務先、緊急連絡先を書きましょう。これらの内容が記載されることで、ノートを書いた人の基本的な人物像を誰もがイメージでき、緊急時の対応がスムーズになります。
- 名前:終活花子
- 生年月日: 昭和〇年(西暦19○○年)〇月〇日生まれ
- 連絡先:東京都~ 電話番号:080-××××-××××
- 勤務先:▲▲商事株式会社 総務部
- 緊急連絡先:終活太郎 関係:長男 電話番号:090-××××-××××
生い立ちや思い出
出身地や学生時代の思い出などを書き出して、自分の人生を見つめ直すと新たな発見があるかもしれません。
またお子さんやお孫さんにとっては、知らなかった新しい一面を知れたというプレゼントにもなりますよ。
- 出身地:東京都
- 名前の由来:母がお花を育てるのが好きだったから
- 趣味・特技:ハイキング、ピアノ
- 学生時代の思い出:中学生の時に都内ピアノコンクール入賞
医療や介護について
健全な方でも急に認知症を患う、事故などで自分の意思が伝えられなくなってしまうという可能性もあります。
人生急に何が起こるかわかりません。そのため自分の代わりに希望する治療や介護についてエンディングノートが伝えてくれるように、しっかり書き残すことが大切です。
医療と介護それぞれの項目と書き方例を紹介します。
医療の項目・書き方例
かかりつけの病院の連絡先、持病、常備薬について記し、急に体調を崩された時に適切な処置ができるようにしておきましょう。
また延命措置や臓器提供を希望するかも書いておくと、残されたご家族が希望に沿った対応をできるので、書けそうであれば書いておくことをおすすめします。
- かかりつけの病院:東京○○病院 主治医:東京先生 電話番号:0120~
- 持病:高血圧 常備薬:高血圧の薬、リビングの引き出しに入っている。
- 延命措置:最後までできるだけの措置を希望、家族にまかせるなど
- 臓器提供:臓器提供をする、臓器提供を希望しないなど
介護の項目・書き方例
介護が必要になった際、家族に介護をしてほしい、施設に入所したいなどの希望を書きましょう。
施設に入所を希望する際は、事前にご家族と見学へ行くとよりイメージしやすいです。また介護費用や介護保険についても書いておいてくださいね。
- 希望の介護:家族に介護してほしい、○○施設に入所したいなど
- 介護に掛かる費用:介護用貯金を使ってほしい、特に準備していないなど
- 介護保険: 保険会社名△△、連絡先0120~、保障内容について
ペットについて
ペットを飼っている方にとって、ペットは大切なご家族ですよね。
自分がお世話をできなくなった場合に備えて名前や性別などの基本情報に加え、かかりつけの病院やペット保険加入の有無、生活習慣、そして万が一の時誰に育ててほしいかを書いておきましょう。
誰が育てるかはノートに書くだけでなく、事前に家族での話し合いを行うことが大切です。
- 基本情報:ポチ、犬、チワワ、オス、7歳、去勢手術済み
- かかりつけの病院:□□動物病院
- ペット保険:□□ペット保険、補償内容
- 生活習慣:朝晩必ず2回散歩する、□□ドックフードが好き
- 万が一の時:長男家族に育ててほしい
葬儀やお墓について
葬儀やお墓については、考えると1番気が重くなってしまう項目かもしれません。しかし、残されるご家族のために少しずつ書き進めておくことを1番推奨したい項目でもあります。
なぜなら意外とお子さんが菩提寺や宗派について、認知していないということが多いからです。そのため菩提寺ではない他のお寺で葬儀を行い、納骨の際に菩提寺とトラブルになってしまったということも実際に起きています。
トラブルを回避するために菩提寺と宗派、希望する葬儀の形式、お墓、供養についてはしっかり書いておきましょう。
- 菩提寺と宗派:○○寺、○○宗
- 希望する葬儀の形式:一般葬、家族葬、火葬のみ、など
- お墓について:新しく購入してほしい、散骨してほしい、など
- 供養について:年1回はお墓参りをしてくれると嬉しい、など
相続について
相続関係は、手続きが掛かる上に金銭が関わるため家族関係にヒビが入ることも少なくありません。口座情報や保険会社の詳細を書くことに加え、受取人も記入してください。
エンディングノートには法的効力がないため、法的効力のある遺言書を一緒に書き残しておくことがトラブル回避に繋がります。
- 預金口座:〇〇銀行、○○支店、普通口座、番号0000111、
名義人:シュウカツハナコ、通帳と印鑑は寝室の戸棚にある - 生命保険:○○保険、証券番号1234567、連絡先0120~、受取人は長男
また株式や有価証券、不動産など土地を所有している場合は、あわせて内容を確認しながら書いてみてください。不動産は100%自己所有でない場合、自分の持ち分と共有者の名前もお忘れなく。
- 株式や有価証券:○○機関、○○株、100株
- 不動産:○○マンション、東京都~、終活花子名義、登記簿上は東京都~
親族・友人・知人の連絡先
自分に万が一のことがあった際に連絡をしてほしい親族や友人、知人の連絡先を書くことも大切です。名前、住所、電話番号に加え、葬儀への参列希望を書いておくと、残された家族が葬儀の手続きをスムーズに進められます。
- 名前:終活次郎 関係:親戚(夫の弟) 電話番号:070~ 葬儀への参列〇
- 名前:相続愛子 関係:学生時代の友人 電話番号:080~ 葬儀への参列〇
家族・友人・知人へのメッセージ
お子さんに幼い頃の思い出やお礼のメッセージ、お孫さんに人生で大切なことを伝えるなど、直接伝えるのは照れくさい内容もエンディングノートには書きやすいのではないでしょうか?
思い出の写真も添えておくと、より素敵なメッセージになりますよ。
友人や知人へメッセージを送る場合は、確実にメッセージが届くように前項の連絡先の項目に住所や電話番号などをしっかり書いてくださいね。また郵送してほしい場合は、宛封を書いた封筒を用意しておくことをおすすめします。
例:息子さんへの手紙
昔から負けず嫌いで、特に運動会の徒競走は1位を取れるようにいつも頑張っていましたね。努力する姿勢をこれからも忘れずに生きてください。
エンディングノートを書くコツと注意点
ここまでエンディングノートを書く際に必要な項目を紹介してきました。次に書き進めるためのコツと注意点をご紹介します。
つらくなったら、無理に書かない
エンディングノートを書いていてつらくなったら、無理に書き進めなくて大丈夫です。
自分の人生の見直しや家族のために必要なことではありますが、デリケートな内容のためつらくなってしまうのは当然です。つらくなったら書くのをやめて、好きなことをしましょう。
エンディングノートは1日で完成させる必要はありません。書けるタイミングやエンディングノートと向き合いたいと思った時に、自分のペースで書き進めることが大切です。
定期的に書いている内容を見直す
定期的にエンディングノートに書いている内容を見直しましょう。
エンディングノートを書いたあとの生活の中で、人間関係や契約している保険内容が変わることも大いにありえます。見直しをしていないと、いざエンディングノートが必要な状況で正しい情報が書いていないということになってしまうことも。
おすすめは1~3年単位での見直しです。またいつ書かれた内容か自分とエンディングノートを見る人がわかるように、書いた日付を記入しておいてくださいね。
エンディングノートの保管場所を家族に伝えておく
エンディングノートを書いたら、必ず信頼できる家族や知人に置き場所を伝えておくことが大切です。
せっかく書いても、誰にも見られない場所に保管してしまい、葬儀後に発見されたら希望していた葬儀をしてあげられなかった…と残されたご家族が悲しんでしまうかもしれません。
そのため必ず置き場所は、家族をはじめ信頼できる人に伝えておいてください。
まとめ
エンディングノートの必要項目を紹介しました。エンディングノートを書くことは自分自身の人生を見直すことであり、また大切な家族への思いやりとなります。
幼い日の思い出や学生時代の思い出、社会人生活の思い出などを振り返っていくと、自分にとって本当に大切なものが改めて確認できるかもしれません。
一度きりの人生を最後までより良い日々にするため、少しずつ書き進めてみてくださいね。
ライター:笹 まい 大学卒業後、冠婚葬祭企業に就職。営業職として、互助会の加入案内や終活セミナー講師を経験。 葬儀や終活に関するお悩みをわかりやすく解説していきます。 |