2019年10月から、消費税が8%から10%になることが予定されています。
お葬式をすると規模が小さいものでも数十万単位の費用が掛かるため、例え2%だとしても費用に差がついてしまいます。
お葬式はいつあるか分からないものですが、生前契約をしていても、2019年10月以降にお葬式があった場合には消費税は10%になってしまうのでしょうか。
今回の記事では、国税庁が発行する「消費税法改正のお知らせ」と、国税庁の電話相談センターに問い合わせた内容を参考に、お葬式の費用が8%になる条件を紹介します。
●2019年10月の消費税増税の予定
国税庁が発行する「消費税法改正のお知らせ」によると、2019年10月から、「資産の譲渡等、課税仕入れ及び保税地域から引き取られる課税貨物に適用される税率」は次のようになります。
現行 | 平成31年10月1日 | |
標準税率 | ||
消費税率 | 6.3% | 7.8% |
地方消費税率 | 1.7% (消費税額の 17/63) |
2.2% (消費税額の 22/78) |
合計 | 8.0% | 10.0% |
●経過措置とは何か
ただし、増税にあたっては、「経過措置」と呼ばれる対応が取られる場合があります。
「消費税法改正のお知らせ」には以下のように記載されています。
適用開始日以後に行われる資産の譲渡等のうち一定のものについては、適用開始日前の税率(以下「旧税率」といいます。)を適用する等の経過措置が講じられています。
経過措置とは、ある一定のもの移管しては、ある決められた日(指定日)までに、契約などの何らかのプロセスが完了していれば、新税率適用開始日以降に物の引き渡しなどがあったとしても、旧税率を適用するというものです。
もしお葬式にもこの「経過措置」が適用されるのであれば、増税以降に行った葬儀も消費税8%でできる場合があるかもしれません。
●国税庁に聞いてみた!消費税8%になる条件
それでは、お葬式費用の消費税が8%になるのはどんな条件があるのでしょうか。
「消費税法改正のお知らせ」の情報をもとに、国税庁の電話相談センターに問い合わせました。
Q1:お葬式に経過措置は適用されますか?
適用されます。お葬式は、経過措置の内「5.指定役務の提供」に含まれます。
施設や祭壇などの物品を含んだセットプランのお葬式も該当します。
なので、指定日である2019年4月1日以前、つまり2019年3月31日までに契約が完了しているお葬式については、新税率適用日の2019年10月1日以降に施工されても旧税率が適用されます。
【詳述!経過措置の「指定役務の提供」】
消費税法改正のお知らせによると、「5.指定役務の提供」については以下のような説明があります。
5.指定役務の提供
平成25年10月1日から平成31年3月31日までの間に締結した役務の提供に係る契約で当該契約の性質上役務の提供の時期をあらかじめ定めることができないもので、当該役務の提供に先立って対価の全部又は一部が分割で支払われる契約(割賦販売法に規定する前払式特定取引に係る契約のうち、指定役務の提供(*)に係るものをいいます。)に基づき、平成31年10月1日以後に当該役務の提供を行う場合において、当該契約の内容が一定の要件に該当する役務の提供
*「指定役務の提供」とは、冠婚葬祭のための施設の提供その他の便益の提供に係る役務の提供をいいます。
まとめると、下記のような条件のサービスには経過措置が適用されます。
・2013年10月1日から2019年3月31日までの間に契約している
・サービスの性質上いつ提供できるか分からない
・代金が全額または分割で支払われる
・2019年10月1日以降にサービスが提供される
お葬式には「指定役務の提供」の経過措置が適用されるので、2019年の3月31日までに生前契約をしておくと、消費税8%でお葬式ができます。
Q2:指定日から新税率適用開始日の間に契約して10月以降に葬儀があった場合、新税率分を追加で支払う必要はありますか?
お葬式の費用に関しては新税率が適用されます。
ただし、顧客から追加費用をとるかどうかは各業者の裁量によります。
Q3:新税率適用開始日以前に葬儀を行い、適用開始日以降に代金を支払う場合の税率は?
新税率の10%が適用されます。
●まとめ
消費税8%でお葬式ができる用件は、以下のいずれかです。
・2019年9月30日までにサービスが提供され、代金が支払われる
・2019年3月31日までにサービスの契約が完了している。
お葬式を確実に消費税8%でするには、指定日である4月1日以前、つまり3月31日までに契約をしておけば良いでしょう。
生前契約をお考えの方は、3月31日までの契約がおすすめです。