家族が亡くなった場合、喪主の方は葬儀を行わなければなりません。
葬式が初めての場合、葬式は臨終から何日後に行うのがベストなのか、亡くなってから葬儀までの流れなど、分からない方も多いですよね。
そこで、この記事では、葬式の期間は一般的に何日間必要なのか、亡くなってから葬儀までの流れなどについて解説します。
葬式を行うのが初めての方は、ぜひ参考にしてください。
葬式の期間について
まず、葬式自体にかかる日程について解説していきます。
葬式にかかる日数は、平均的に3日間で行われることが多いです。
医師から死亡判定を受けて、臨終が確認されると、遺体を搬送して自宅や葬儀社に安置し、納棺を行うまでが初日の流れです。
その後、2日目には通夜を行い、3日目には火葬や告別式を執り行い、葬式は全ての工程が完了します。
ただ、諸事情によって臨終から葬式まで日程の都合がつかなかったりするため、火葬をすぐに行えない場合もあります。
必ずしも、臨終から葬式までの流れを3日で行うことができる訳ではないことを覚えておきましょう。
1日葬と2日葬
先ほど、葬式は「平均的に」3日間と述べましたが、これは最短1日だけで葬式を行うことができる、1日葬が存在するためです。
1日葬の場合は、お通夜を行わないことで葬儀の日数を短縮して経済的な負担を軽減することが可能になります。
1日葬で省かれるのは、お通夜だけで、告別式や火葬などは、一般的な2日葬と同様に行うため、ゆっくりとお別れすることが可能です。
経済的に2日葬が厳しい方は、こちらの1日葬を検討してみてはいかがでしょうか。
臨終から火葬までの流れ
ここでは、より具体的に臨終から葬儀までの流れについて解説します。
一般的に臨終〜火葬を行うまでが葬式の一連の流れとなるため、これから葬式を執り行う方は、ぜひ流れを覚えておくようにしましょう。
1.臨終〜遺体の安置
遺体は臨終から1時間〜2時間くらいで搬送されます。
病院側もそれほど遺体を長く置かせてくれる訳ではないため、葬儀社を決めていない場合は、病院に搬送先の葬儀社を紹介してもらいましょう。
病院で死亡診断書をもらったら、役所に行って死亡届を提出し、その場で火葬許可証をもらいます。
死亡届は、死亡を知った日から7日以内には届け出なくてはならないため、必ず期間内に提出しましょう。
火葬許可証は、火葬の際に必ず必要になるため、無くさずに持っておきましょう。
2.枕経と枕飾り
遺体の安置が完了したら、枕経を読んでもらうために、僧侶に連絡しましょう。
枕経は、臨終に際して行われる仏教の儀式の1つで、亡くなる人が仏弟子となって往生できるように唱えるお経のことです。
仏教の儀式であるため、神式やキリスト教式などで行われることはありません。
近年省略されるケースも多く、仮通夜やお通夜と一緒に行われるケースが非常に多いと言われています。
また、枕経を行う場合、祭壇ではなく、枕飾りが必要になります。
白木の台を用意して、香炉、蝋燭立て、花瓶と呼ばれる三具足と呼ばれる道具、枕団子、一膳飯などを用意します。
枕飾りは、葬儀社に頼んで手配してもらうと簡単に済むので、お願いしましょう。
3.葬儀の打ち合わせと納棺
葬儀をする予算や会社が決まったら、故人のお世話になった人に対して、葬儀案内を兼ねた訃報を出します。
その際に必ず葬儀での受付係や、弔辞を行いたい人にあらかじめ連絡しておくようにしましょう。
納棺とは、棺に故人を納めることで、お通夜までに納棺を行い、親族の都合や、葬儀社の都合によって、葬儀の日程も異なります。
通常、臨終の際には、病院で死に化粧をしたり、髭を剃ったりしてもらえますが、そこで行われなかった場合は納棺の際に行います。
納棺後は、副葬品を入れますが、金属やガラスなどの燃えないものや、フルーツ類などの汁気のあるものは、燃え残ってしまうため、避けましょう。
4.通夜
通夜は、一般的に逝去の翌日に行われます。
ただ、遠方から親族や家族が集まる場合など、人によって違いが出てしまうこともあるでしょう。
葬儀社が決まらない場合、通夜がさらに遅れてしまうため、喪主を務めるのであれば、必ず決めておくようにしましょう。
通夜を執り行うに当たって、喪主がしなければならないことは、葬儀の予算を決めたり、参列者に連絡したり、僧侶や参列者への接待などがあります。
5.葬儀
葬儀は基本的に、通夜の翌日に行われることが多いです。
ただ、基本的に友引の日は避けて行われるため、日程がずれることも、しばしばあります。
葬儀の時に参列者からもらう香典は、通夜で出した人からは省略されるのが、一般的であるため、覚えておきましょう。
6.告別式
一般的に、告別式は、葬儀の日の午後に執り行われます。
告別式の開始時間は、午後からの場合、遅くても13時〜14時に始めなければ火葬場の営業終了時間に間に合わないため、注意が必要です。
火葬場が同じ敷地内にある場合は、台車に入れて運び、それ以外の場合は、霊柩車で他の火葬場まで運びます。
出棺の時には、喪主が位牌を持って、遺族が遺影を持ちます。
7.火葬
告別式が終わったら、すぐその後に火葬を行います。
お経が読まれる中で、焼香を行い、手を合わせて火葬炉に入っていく姿を見送ります。
火葬が終わると、親族によって骨上げが行われ、故人と縁の深かった人から順番に、2人1組になって、骨を骨壺に入れていきます。
骨上げの方法に関しては、地域によってかなり差があるため、その場にいる係員の指示に従って行うようにしましょう。
8.会食(精進落とし)
火葬が終わったら、最後に「精進落とし」と呼ばれる会食を行います。
本来は、故人の死を悲しみ、肉や魚などを食べずに精進した日々に区切りをつけて、日常生活に戻るという意味もありました。
しかし、現在では、僧侶やお世話になった方々を労うという意味が大きく、これによって葬儀に区切りをつけるという意味合いが強いです。
精進落としを行う際は、まず会場を選び、予想される人数よりもゆとりを持って用意しておくと、スムーズです。
以上の臨終〜会食(精進落とし)までが、ごく一般的な葬儀の流れです。
葬式を執り行うタイミングに期限はない
日本では、法律によって亡くなってから24時間以内の火葬に関しては、行ってはならないと定められています。
そのため、亡くなった翌日以降でなければ葬式を行うことはできません。
しかし、亡くなってから「いつまでに」葬儀をしなければならない、という法律は無いため、葬式は翌日以降であれば、いつ行っても問題はありません。
腐敗が進まない内に行うようにする
「いつまで」という期限は法律で決められていなくても、腐敗が進まないうちに葬儀を行うのが一般的です。
臨終された後、遺体は一般的にエンバーミング(emberming)という、遺体を衛生的に保存できる処理を行います。
また、エンバーミングを行わない場合は、ドライアイスのみでの保存となるため、より腐敗の進みは早くなります。
エンバーミングを行ったとしても、遺体の保存期限はだいたい50日と定められているため、必ずその前に行うようにしましょう。
忌引き休暇について
葬儀を執り行う、参列するために取る休暇のことを「忌引き休暇」と言います。
「忌引き」という言葉には、日本の神道における、死=穢れという考え方からきており、穢れある人の親族や家族は行動を控える(引き)必要があるという考えからきています。
忌引き休暇を何日取れるかに関しては、学校や企業の規約や規定によるものであり、はっきりとした決まりがある訳ではありません。
そのため実際に、忌引き休暇を取得する流れについて、どのように規定されているのかについての確認を行うことが重要です。
忌引き休暇を取らなくてはならない人は、しっかり会社や学校に確認しておくようにしましょう。
葬儀の日程を決める際の注意点3つ
ここでは、いざ葬儀を行う時に、必ず注意して欲しい注意点を3つほど紹介しています。
出来るだけ早く葬儀日程を決めないと、どんどん葬儀が行えなくなってしまうため、必ず以下の点に注意して日程を決めましょう。
1.家族や親族の日程
葬儀は、故人が親交の深かった人たちとのお別れをする儀式です。
家族や親族、それから故人の友人、仕事で付き合いがあった人など、関わりがあった人々が参列出来るかどうかは日程を決める上での重要な要素です。
家族や親族の日程を確認するために、まずは故人が亡くなったことを伝える訃報を伝えることが重要です。
スムーズに確認するためには、電話をするのが1番早いため、日程、葬儀の形態などを明確に相手に伝えましょう。
2.火葬場の日程
次に、火葬場の日程を決めておくことをおすすめします。
先にお通夜や告別式の日程を決めてしまうと、火葬場の予約が取れなかった場合に、全て日程を組み直すことになってしまいます。
また、友引の日には火葬場が営業していないことも多いため、必ず1番最初に火葬場の日程を抑えておくようにしましょう。
2.僧侶・お寺との葬儀日程
葬儀で僧侶にお経を読んでもらう場合は、僧侶の予定も考慮する必要があります。
僧侶も時期によっては、忙しくなったりすることもあり、予定が合わずに日程が1、2日伸びてしまうことも十分に考えられます。
基本的には、喪家が檀家となっているお寺に連絡することになりますが、あまりに予定が合わない場合は、他の僧侶を紹介してもらう方法も考えましょう。
まとめ
今回は、葬式の期間がどのくらい必要なのか、亡くなってから葬儀までの流れについて解説しました。
葬式を執り行うのが初めての人も多いかもしれませんが、基本的にはだいたい形式や日程の取り方は決まっています。
喪主の方は、逝去されたら、なるべく早く葬儀社や僧侶、家族や親族にそれを伝えて、スムーズに葬式を行える状態にすることが大事です。
もし何かあった時に、焦らないように、なるべく早めに葬式の段取りなどについて、事前に決めておくようにしましょう。