一般的にお通夜は亡くなった翌日、お葬式は亡くなった翌々日となっていますが、様々な事情で遅れるケースが多いです。例えば、火葬場の状況や親族のスケジュール、六曜などが関係して、日程が予定通りに行かないこともあります。
お通夜やお葬式は、亡くなってから何日後にするものなのか?と戸惑う人も多いはず。葬儀の機会はあまりないものなので、知らなくて当然ですね。
この記事では、
- 葬式は亡くなってから何日後に行うべきか
- 葬式が通常よりも遅れてしまう原因
- 故人の死去から火葬までの流れ
- 遺体の保存方法
についてご紹介します。
葬式は亡くなってから何日後に行うべきか?
一般的には、葬儀は故人が亡くなってから翌々日に行い、お通夜は葬儀の前日に行われます。
しかし、葬儀を死後の何日後に行わなければならないというルールはないので、必ずしも守らなければいけないわけではありません。
ただし、火葬や埋葬は死後24時間以内に行えない、火葬場や僧侶、親族のスケジュールも考慮する必要があるので、一般的な考え方を理解した上で、基本に沿っていくのがベストです。
通例の葬式は亡くなった翌々日
通夜は亡くなった日の翌日、その翌々日に葬儀を行うのが通例で、出来るだけ通例に合わせてスケジュールを調整するとよいです。
しかし、いろんな事情で通例通りに行かないケースもあり、通夜がすぐに行えない場合は、故人が亡くなった当日の夜に仮通夜を行うこともあります。葬式を何日後に行うのかのルールが決まっていないとしても、遺体の安置・保存のことを考えると、長くても1週間以内に行うのが理想的です。
遺体は、死後から時間が経つほどに劣化や腐敗がひどくなるので、保存技術を用いて保管する必要があります。しかし、保存技術を用いた遺体の保管には費用がかかるため、費用面を考えても、出来るだけ早くお通夜や告別式を行うべきです。
死後24時間以内は埋葬・火葬ができない
葬式を何日後に行うかの判断の際には、死後24時間以内に埋葬・火葬ができない決まりも頭に入れておきましょう。
法律では、死後24時間以内に埋葬や火葬をしてはいけないと定められており、その理由は仮死状態でも死亡と診断されることがあるからです。
しかし、最近では医療技術が進歩し、死亡診断の誤診はほとんどありませんが、これまで通り、法律上では死後24時間を経過してからしか、火葬できないとされているのです。
最近は、葬儀の形式が増えており、お通夜をせずに火葬と法要だけを行う火葬式を選択する家が増えています。その場合は、死後24時間以内は埋葬・火葬ができないことを頭におき、スケジュール調整する必要があります。
亡くなってから葬儀まで日数が延びる原因
様々な事情が関係して、葬儀のスケジュールが予定通りに進まないこともあります。一体、どのような事情で、葬式の日程がズレるのかを解説していきます。
火葬場の休日や混雑で予約が入れられない場合
葬式の日程は火葬場の予約状況により、大きく左右されます。火葬場が休日、もしくはかなり混雑している場合は、予約が入れられずに出棺の儀式もできないため、必然的に葬式の日程をずらさなければいけません。
火葬場は、次のような理由で日程によっては予約を入れられないケースがよくあります。
- 火葬場が休み(六曜の友引の日や年末年始など)
- 休み明けで予約が埋まっている
- 真夏・真冬などの死亡が多いシーズンで予約が埋まっている
六曜の考え方で日程を決める場合
六曜とは、中国が起源の旧暦の暦注に使用される6種の曜です。昔から日本でも、六曜に基づいて行事の日程を決める傾向にあり、その風習は今でも少し残っています。
地域や家によっては、六曜の考え方で日程を決めることがあるため、日によってはスケジュールが延びる可能性があります。
特に、六曜の中の「友引」の日に葬儀を行うと、「友を引き込む」という意味で縁起が悪いとされているため、友引の日の葬儀は避けてスケジュールを組む人が多いです。
しかし、実際に六曜は仏教とは無関係で、友引に葬儀をすると「友をあの世に引き込む」のような考え方に根拠はありません。また、六曜の関係上、友引の日を休業日にしている火葬場が多く、その影響で葬式の日程調整が必要になる場面も多々あります。
僧侶のスケジュール調整が難しい場合
仏式のお通夜や葬儀では、僧侶による法要が執行されます。
菩提寺や地域でお世話になっているお寺の僧侶に依頼するのが一般的で、どうしても日程が合わない場合は同じ宗派のお寺の僧侶に依頼するケースもあります。
それでも、僧侶の空き状況によって葬式の日程をずらすこともよくありますので、頭に入れておきましょう。
親族との日程が合わない場合
突然の訃報に、日程が合わせるのが難しい親族もいます。また、遠方に住んでいるため、到着までに時間がかかるケースもあり、その場合は必然的に葬儀の日程をずらさなければいけません。
全ての親戚とのスケジュール調整はできなくても、ごく近しい親戚や故人と親しい関係にあった親族とは、日程の調整が必要です。故人との関係性に重点を置き、総合的に判断してスケジュールを決める必要があります。
故人の死去から葬式・火葬までの流れ
葬式を何日後に行うかの決定方法の流れが理解できたら、次は故人の死去から火葬までの流れも把握しておくと、円滑に火葬までを進めていけます。人が亡くなった後は、遺体の安置や葬儀の打ち合わせ、日程調整、納棺から火葬と、一連の流れで行なっていきます。
死亡診断を受けてから火葬までの大まかな流れをみていきましょう。
逝去から納棺までの流れ
医者から受け死亡診断を受けてから、死亡診断書を受領し、まずは葬儀社を選んで連絡します。
病院が仲介して、葬儀社を紹介してくれる場合もあるの葬儀社が決まっていないのなら、相談してみるのもおすすめです。
葬儀社が決まったら、遺体を保管しておく遺体安置場所の相談をします。その後、病院から葬儀社の遺体安置場所へと遺体を搬送します。または、自宅での安置も可能です。
遺体を無事に安置したら、葬儀の日程調整を進めていき、日程が決定したら早めに親族や生前故人と関係のあった人たちに連絡をします。
連絡を済ませたら、納棺の準備を進めていきます。
まずは、故人の体を清拭し死装束を着せます。遺体の状態によっては、エンゼルメイクも行います。エンゼルメイクとは、故人の顔や体をきれいに整えるためのメイクです。
清拭、死装束の着用、エンゼルメイクなどが完了したら、納棺を行います。
お通夜から火葬までの流れ
納棺が完了したら、お通夜へと移っていきます。お通夜は逝去の翌日夜を目安に行われ、その翌日が告別式になります。
お通夜と告別式の流れは、葬儀の形式によって異なるので、葬儀社や親族で相談しながら進めていきましょう。
お通夜、葬儀のあとは、故人とのお別れをする告別式が行われます。
最近は、葬儀と告別式を続けて行う事が多く、お通夜も合わせると、トータルで2〜2.5時間程度です。告別式終了後は、会場から出棺し、遺体は火葬場まで搬送されます。
火葬場に到着したら、親族や身近な人を中心に火葬式が行われ、納骨となります。
葬式までの遺体の保存方法
出来るだけ通例通りに葬式を行いたいと思っていても、様々な理由で遅くなることもあります。その場合は、遺体の腐敗を防ぐための保存をしなければいけません。遺体の保存には3つの方法があります。
ここで遺体の3つの保存方法を説明していきます。
ドライアイスで保存
一般的に多い保存方法が、ドライアイスを用いた方法です。
遺体保存のためのドライアイスは、1個2.5kg程度にカットされたものが使用されることが多いです。基本的には白い布で包まれたドライアイスを4個用意します。
まず、腐敗が早い内臓部分に2個のドライアイスを置きます。この時、合掌している故人様の手の凍結を防ぐために、手を脱脂綿で覆います。
残りの2個のドライアイスは、顔の横の左右のぞれぞれに置きます。
また、脳を冷やすと腐敗しにくいと言われており、首の後ろにドライアイスを設置するのもおすすめです。
このように遺体の保存のためのドライアイスの設置には、順序がありますが、葬儀場に頼んだ場合は、葬儀場のスタッフが行なってくれるので任せておきましょう。
エンバーミングで保存
痛いは長期保存しなければいけないケースでは、エンバーミングによる保存が行われます。
エンバーミングとは、「死体防腐処理」や「遺体衛生保全」などと言われる遺体腐敗を防ぐ特殊な技術です。具体的には、遺体の血管に防腐液に入れ替える作業です。
エンバーミングは次のような流れで行われます。
1.遺体の消毒処理および洗浄を行います。
2.遺体の一部分を切開して、動脈から防腐剤を注入します。また、静脈からは血液を抜きます。
3.胸腔や腹腔に血液が残っていることが多いので、腹部に小さな穴をあけて、残っている血液を鋼管で吸い出し、同時に防腐剤を注入します。
4.切開部分を縫合し、再び遺体を洗浄して、衣服を着用したら完了です。
保冷施設で保存
何らかの理由により、遺体の長期保存をしなければいけない場合は保冷施設で保存をします。保冷施設とは遺体の状態を保つために室温が保たれた保冷庫で、費用はエンバーミングよりも安めです。
すぐに葬儀を行えない時にそこまで費用をかけられない場合は、葬儀社に相談して保冷施設の利用を考えてみましょう。
まとめ
葬式は何日後に行うのかについて、説明してきました。
一般的には、死亡診断された次の日にお通夜が行われ、その翌日に葬儀や告別式が行われます。しかし、火葬場や葬儀場、僧侶や親族などのスケジュール調整も必要なため、通例通りに進まないことがほとんどです。そんな時のためにも、何を優先して葬式の日程を決めるべきかを把握しておくとよいでしょう。
日程が決まってから火葬までの流れも知っておくと、スムーズに心ゆくまで故人とのお別れができます。