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50代の終活は何をする?50代で始めるメリット・デメリット

投稿日:2019年7月18日 更新日:

50代の終活イメージ1

かつての日本では、生きている間に亡くなる準備をすることは縁起が悪いとして忌避されていました。
しかし現代ではむしろ残された人生を充実させるうえで、亡くなる準備、すなわち「終活」をすることはタブーではなくなっています。

その意味で老後の70代、80代でするのではなく、働き盛りの50代から終活を行う人も増えています。しかしこのように50代から終活を始めることは早過ぎはしないのでしょうか。またメリットとデメリットはあるのでしょうか。
ここではそのような50代から始める終活に関する疑問点に答えていきます。

終活とは何か?

そもそも終活とはどのようなことを指すのでしょうか。

終活とは何か?

就職活動を終活、結婚のための活動を婚活というように、自分の終末、つまり亡くなる前の準備を行うことを終活と言います。

この終活を多くの人が行うようになった理由は、終活が人生の最後の段階で総決算を行うことになるからです。
人間は不思議なもので、単に生きて、生物として死んでいってもよさそうなものですが、そこに「意義」や「価値」を見出そうとします。その自分の人生の中に意義や価値を見出す作業が、終活というものの本質的な内容です。

生前整理とは何か?

終活には、自分が入所する施設の手配や亡くなった時に行う葬儀の段取りの決定や手配なども含みますが、その中に生前整理というもの入ります。
「生前整理」とはその名の通り、生きている間に財産の相続の決定や、不用品の整理など、いつ亡くなっても良いように、自分の身辺整理をすることです。

生前整理は終活のどの段階で始めるか?

生前整理はいつでも思い立った時にできます。
ですから80代になって行っても、行わないよりは良いことですが、しかしできれば人生の早い段階で行ったほうがより良いでしょう。
なぜなら、生前整理を行うためにはそれなりの気力、体力が必要です。
80代になってからでは、生前整理をしっかり行うための気力、体力が追いつきません。

ですから、気力、体力の充実している若いうちに行うのがベストなのです。

終活はいつから始める?

ではそのように早い段階で行ったほうが良い生前整理、あるいは終活だとしても50代で始めるのはいかにも早すぎるのでしょうか。

50代で終活を始めるのは早い?

50代で終活を始めた方がよい、という理由には以下のようなことがあります。

終活は加齢に伴って大変になる

終活は、実際に初めてみると実感しますが、実に多くの気力、体力、判断力が必要です。したがって早く始めれば始めるほど、メリットがあります。

特にお金の点で言うと、70代になって亡くなるための十分な準備ができていないとわかってももう取り返しがつきません。
しかし50代であれば、生活設計を変えることで必要な資金を用意することが可能です。

独身の人は女性でも特に終活を意識するべき

終活は男女の別なく行ったほうが良いことですが、しかし独身で女性の場合は特に意識したほうが良いでしょう。
なぜなら、一般的に言えば男性よりも女性の方が所有している物品が多いため、生前整理に時間がかかるからです。
さらに家族がいれば亡くなった後に整理をしてくれますが、独身の場合はそうはいきません。
ですから独身の女性ほど、終活を早めにスタートさせたほうが良いのです。

50代でした方がよい終活とは?

では終活を50代から始める場合、外さない方がよい内容は何があるのでしょうか。

断捨離

まず行ったほうが良いのは断捨離です。つまり手元にある品物を、まだ必要なものと不要なものに分け、不要なものを処分することです。

さらには友人関係も、今後生きていく中で本当に必要な人と、しがらみで付き合っていた人を分け、後者との付き合いを切っていくことも断捨離です。

そうした方が自分にとって真に意味のある人間関係に残りの時間を集中させることができるため、人生が充実するのです。

エンディングノートの作成

エンディングノートとは、遺言書には書けない、自分が亡くなった後にしてほしいことを記載するものです。
たとえば、葬儀の方法や葬儀に来てほしい人のリスト、あるいは埋葬方法などを書き残します。残された家族へもメッセージもこのエンディングノートに書くことが一般的です。

お墓の準備

自分が埋葬されるお墓がない人、あるいは先祖代々の墓に埋葬されたくない人の場合は、自分を埋葬するためにお墓も用意しましょう。
お墓ではなく、散骨にしたい場合は、散骨業者を探して予約をするのもこの中に含まれます。

ただし、納骨前から年間管理費がかかるお墓は注意が必要です。
墓石を建てる一般墓の場合はほとんどの場合で購入時点から年間管理費が発生します。
納骨していないお墓に毎年5,000~20,000円程度の管理料を納めることになるので、留意しましょう。

終活の進め方

では終活はどのように進めたらよいのでしょうか。

葬儀方法と埋葬方法を決める

まず行うべきことは先ほど書いたように、自分の葬儀方法と埋葬方法を決めることです。
葬儀に来てほしい人、亡くなったことを連絡してほしい人も、その連絡先と一緒にリスト化しておきましょう。

不用品を分別する

自分が持っている品物を亡くなった後にゼロから整理するというのは大変な負担です。
ましてやもしも賃貸住宅に住んでいる場合は、亡くなったらすぐに退去しなけれならないので、短時間で不用品の処分をしなければならないため、遺族に大変な迷惑をかけてしまいます。

そうならないようにするために、元気なうちに不用品を処分しましょう。
特に処分が大変な衣類や書類は、どんどん捨てるか売るかして、身軽になることがおすすめです。

しかし現段階で完全に処分してよいかどうか迷うものが出て来ることもあります。そのような際には「保留」の箱を作ってその中に入れましょう。そして1年後までに1度も使わなかったら処分する、亡くなったら処分するなどのルールをきめておくことです。 

貴重品をわかるようにしておく

亡くなった後に遺族が困ることは、不用品の処分もありますが、それよりも重要なのが財産の相続手続きをするために、貴重品をすべて探し出し、確認することです。
ですからその負担を軽減させるために、貴重品は1か所にまとめておきましょう。
ただし預金通帳と印鑑、不動産の権利書と実印などを一緒にしておくことは防犯上ふさわしくはありませんから、印鑑だけは別に保管しておくことがおすすめです。

財産目録を作成する

相続をするために重要な情報は、すべての財産がどうなっているかということです。これが整理されていないと、誰にどの財産を相続させるのかということが遺族の間で確定しません。ですから終活の中で財産目録も作っておきましょう。

以前は、財残目録を遺言書として記入する時には自筆ではなければならなかったので、作業が大変でしたが、現在では法律が改正されたため、パソコンの表計算ソフトなどで作ったものでよいことになっています。ですからいったん作れば、そのあと財産の異動があっても、すぐに修正することが可能です。

エンディングノートを作成する

遺言書に書けない、あるいは書いても法的な拘束力がないものは、エンディングノートに記入して、遺族に遺志を伝えましょう。

エンディングノートに記入する内容は以下のようなものです。

  • 自分の本籍地と生年月日
  • 健康保険証、年金手帳、保険証券、パスポートなどの重要書類の保管場所
  • 家系図
  • 入院時、葬儀時に連絡してほしい親族や知人のリストと連絡先
  • 祭祀継承者の指名
  • かかりつけの病院
  • いつも飲んでいる薬
  • 延命措置や終末期医療の希望
  • 臓器提供や献体についての希望
  • 菩提寺の連絡先
  • 葬儀の形式
  • 埋葬方法や墓地
  • 事前に予約した場合は墓地の場所

法的に有効な遺言書を書く

意外に知られていないのが、遺言書には公的に有効となる書き方があることです。この形式を押さえておかないと、せっかく書いた遺言書に法的な拘束力が発生せず、自分の希望する通りに財産の相続ができない事態になります。

ではどのような形式が法的に効力のある遺言書かというと少なくも以下の点は押さえましょう。

  • すべてを自筆で書く
  • 書いた年月日を明記する
  • 財産を1つ1つ明確にする。ただしこれは表作成ソフトでもOK。
  • 封をする
  • 自分と相続する人の生年月日を記載する

以上の形式を完全に押さえることについて不安がある場合は、専門家に委託しても良いでしょう。たとえば、行政書士、司法書士、弁護士などです。

さらに遺言書に完全な法的効力を発生させるためには、遺言書を公正証書にする方法もあります。
これは遺言書を公証役場に持ち込んで改めて法的に効力のある遺言書にしてもらい、その上で遺言書を公証役場で保管してもらうことです。そしてその旨をエンディングノートに記載しておけば、自分が亡くなった後に遺族が公証役場に行けば有効な遺言書が確認できるため、相続トラブルを防げます。

50代ではまだしてはいけない終活

以上が終活として行ったほうが良い内容ですが、しかし早く始めないほうが良いものもあります。

手書きの財産目録の作成

1つは手書きでの財産目録の作成です。なぜなら財産は目録作成後も、売却したり新たに購入したりするなど変動があります。財産目録もその都度作成し直さなければなりません。
表作成ソフトで財産目録を作っておけば修正は簡単ですが、手書きの場合はすべてを書き直さなければならず非常に大変です。

ですから財産目録は若いうちには作らず、財産がある程度確定してから作成したほうが良いのです。

遺言書の作

また遺言書も財産目録と同様に考え方の変化や家族の変動に伴って書き直す必要が発生します。

手書きで作る自筆証書遺言を修正があるごとに作り直すのは大変です。
また、公証役場で作る公正証書遺言は修正がききません。

したがって、考えが確定し家族の変動もなくなってから作成したほうが良いのです。

50代で終活を始めるメリット、デメリット

では50代で終活を始めるメリットとデメリットには何があるのでしょうか。

メリット

まずメリットとしては以下が挙げられます。

最大のメリットは終活をすることを通じて、自分の人生の振り返りができ、同時に今後の残された人生についても考えることができるため、残りの人生を充実させるために何が本当に必要かということが明確化する点です。
いつから終活を始めるかにもよりますが、少なくとも今まで生きてきた人生の長さよりも、残された人生の方が短いことがほとんとです。
その短い人生を無駄なことに浪費してはもったいありません。終活をするとそのようなもったいないことが防げるのです。

2つ目は、自分の遺志を家族にしっかり伝えることができる点です。
ただしいきなり家族に自分の葬儀について話し始めると驚かれますから、まずは自分の今の健康状態と、今後の人生の展望について話しましょう。

3つ目は自分が亡くなった後に遺族が相続でもめることを防げる点です。
自分が作った財産は自分が残したい人に相続させたいでしょう。
あるいは自分が亡くなった後に相続の問題で遺族が不和になることも避けたいでしょう。終活によって遺言書を作っておけば、自分の相続の遺志を実行でき、さらには遺族間の相続トラブルも防げるのです。

デメリット

50代で終活を始めることにはほとんどデメリットはありません。
しかしあえて言えば、以下の点がデメリットでしょう。

1つは先ほど書いたように、遺言書にしても、財産目録にしても、自分の遺志が変わったり内容が変更になる都度、書き直さなければならない点です。

2つ目は公正証書遺言書を作る場合、または専門家に遺言書の作成を依頼する場合、ある程度の費用がかかる点です。
しかしこの費用は相続トラブルを防ぐための必要経費だと考えれば安いものでしょう。

まとめ

終活は50代から始めても決して早すぎることはありません。
むしろ今後の30年、40年の人生を充実させることにつながります。ですから以上の内容を参考に、早めに終活を始めましょう。

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