法事のときに女性はどのような服を着ればいいのかよくわからないのではないでしょうか。
葬儀や四十九日、一周忌など三回忌まで着る服、七回忌以降の法事で着る服など、シーンによって着用する服は変わります。
男性は黒いスーツに白いシャツ、黒いネクタイを着用していれば無難に過ごせそうですが、女性の場合は化粧、アクセサリーやバックなど、服装以外でもよくわからないことがあるのではないでしょうか。
この記事では法事で女性が着用する服、身につける小物など、法事で気をつけてほしい大人のマナーや注意点などについて詳しく解説しています。
法事で女性が着る服装
一般的な法事で女性が着る基本的な服装は、黒のスーツやワンピースになり、四十九日や一周忌、三回忌までの法事では、喪服の着用で問題はありません。
しかし、三回忌以降の法事では「平服でお越しください」と言われることがあります。
平服は、黒色ではなく、グレーや紺色などの少し地味な感じの色の服のことで、年月と共に悲しみが薄くなるという意味が込められているようです。
喪服
三回忌までの法事では女性、男性ともに着る服装は、喪服を着用するのが一般的で、女性は光沢がない黒無地のワンピースかスーツ、アンサンブルなどでも大丈夫です。
冠婚葬祭など改まった場所で着用する衣服を礼服と言いますが、洋装の場合はブラックフォーマルとも言われています。
ブラックフォーマルは、正喪服、準喪服、略喪服と3種類に分けられます。
正喪服
正喪服は、喪服の中で最も格式が高い喪服になり、お通夜や葬儀、三回忌までの法事で、喪主や三親等以内の親族が着用します。
女性が着用する正喪服ですが、和装の場合は黒紋付に黒無地の帯、洋装の場合は黒無地のワンピースかアンサンブルになります。
また、男性が着用する正喪服ですが、和装の場合は黒色の紋付羽織袴になり、洋装の場合は黒色のモーニングコートになります。
近年では、喪主や三親等以内の親族であっても、正喪服を着用することは少なくなっています。
準喪服
準喪服は、お通夜や葬儀、法事など、あらゆる弔事で着用できる喪服になり、一般的に言われる喪服は準喪服のことを指します。
近年では、喪主や三親等以内の親族、参列者の場合であっても、準喪服を着用することが多くなっています。
女性が着用する準喪服は、黒無地のワンピースやアンサンブル、スーツなどになり、男性の場合はブラックスーツになります。
略喪服
略喪服は、ブラックフォーマル以外の黒色や紺色、グレーや茶色など、控えめな色のスーツやワンピースになります。
略喪服は、三回忌以降の法事や突然の弔問、いきなりのお通夜などに参列するときに着用します。
また、三回忌以降の法事では、「平服でお越しください」と言われたときは、この略喪服を着用するようにしてください。
平服
平服とは、日常着ている服、普段着という意味がありますが、法事の場合の平服は普段着ている服のことではありません。
法事の場合の平服とは、正喪服や準喪服ではなく、略喪服のことを指します。
三回忌以降の法事では、「平服でお越しください」と言われたときは、「略礼服でお越しください」という意味になるので、黒色や紺色、グレーや茶色など、控えめな色のスーツやワンピース、アンサンブルを着用するようにしてください。
また、平服の場合は、パンツスタイルでも問題はありません。
法事で避けるべき服装
法事で女性が避けるべき服装は、リクルートスーツ、パンツスーツ、インナーの白シャツになります。
ただ、パンツスーツは平服の場合、地域の慣習で許されている、動き回る小さな子どもさんがいるなどの場合は、着用しても大丈夫なことがあります。
その際、光沢のある素材を使ったものはNGになるので、光沢のない無地のものを着用するようにしてください。
リクルートスーツは、ブラックフォーマルと似ていて着用しても問題は無いように思われるかもしれませんが、光沢、質感など、まったく別物になるので注意が必要です。
女性がインナーに白シャツを着用するのは、マナー違反とも言われているので、インナーには黒色の物を着用するようにしてください。
また、夏など暑い時期でも、肌の露出はできるだけ控えるようにしてください。
5分袖や七分袖の物を着る、スカーフなどを巻く、ボレロなどの上着を着るなど、肌の露出を控えるような工夫が必要になります。
法事の基本コーデ
法事の基本コーデは、喪服、平服の服装だけを気にするだけではなく、頭から足元まで全体を見たときのシルエットがとても大切になってきます。
ここからは、服装以外の細かな部分についてみていきます。
靴
法事で履く靴は、甲やつま先に装飾、ステッチがないシンプルでプレーンな靴を選ぶようにしましょう。
光沢や飾りのないシンプルな黒色のパンプスを履くようにして、つま先が尖っていたり、高すぎるヒールは避けるようにしてください。
ヒールの高さは、高すぎず低すぎない5cmくらいを目安にして、ヒールを選ぶようにしましょう。
また、妊娠中の場合はヒールが無い靴を履いても問題はありません。
ストッキング
法事で着用するストッキングは、基本的には黒色になり、肌色のストッキング、生脚はNGとされています。
黒色のストッキングといっても、柄が入っていたり、ラインストーンが付いたようなものは避けるようにしてください。
ストッキングは注意していても、知らないうちに引っ掛けてしまうことがあり、特に黒色のストッキングは伝線するとすごく目立ってしまうので、替えのストッキングを用意しておくと安心ですね。
また、七回忌以降の法事であれば、服装が平服になることが多いので、それに合わせてグレーなどのストッキングを着用しても問題はありません。
バッグ
法事に持っていくバックは、靴と同様に飾りが付いていないシンプルで、落ち着きのある黒色のものを選ぶようにしましょう。
法事で女性が服装で気をつけることは、革製品などを身につけないことですので、バックも布製で光沢が少ないものを選ぶことをおすすめします。
バックの形は、ハンドバックが良くて、ショルダーバックやトートバック、リュックサックは避けるようにしてください。
ハンドバッグだけでは荷物が入りきらないようなときは、サブバックを用意するようにしてください。
その際、サブバックも黒色のものを選ぶようにして、派手な飾りがついたもの、カジュアルなものも避けるようにしてください。
アクセサリー
法事ではアクセサリーを身につける必要はないので、身につけないのが無難です。
もし、身につける場合は、一連のパールネックレスや一粒タイプのパール、オニキスのピアスやイヤリングを選ぶようにしてください。
また、ロングタイプの一連のネックレス、ぶら下がって揺れるタイプのイヤリングは避けるようにしてください。
指輪もアクセサリーになりますが、結婚指輪は身につけていても大丈夫です。
ハンカチ
法事に持っていくハンカチにもマナーはあります。
正喪服、準喪服を着用する場合は、白色または黒色のハンカチを持つようにしてください。
本来は白色のハンカチを持つのが基本なのですが、近年では喪服が黒色ということもあり、黒色のハンカチを持つのが一般的になっています。
また、平服を着用する場合は、黒色や白色、濃紺やクレーなどの色のハンカチを持っても問題はありません。
ただ、赤色や緑色、ピンク色などの原色は避けるようにし、ラメやストーンが付いた光物がついた装飾のものは控えるようにしてください。
化粧
法事での化粧は、片化粧(かたげしょう)と呼ばれるメイクをするのがマナーになります。
片化粧とは、紅などの濃い色や派手な色、光沢があるようなものを使わないのが特徴で、薄化粧、ナチュラルメイクのようなイメージのメイクになります。
ベースメイクは、光沢がでてしまうラメやパール入りのものは使わず、透き通った感じで仕上がるようにして、チークは基本的には使わないでください。
アイシャドウはベージュやブラウン、口紅は薄いピンク、ベージュやブラウンなどの目立たないものを使うようにしてください。
ネイル
法事でのネイルは基本的にはマナー違反にはなりませんが、三回忌までは控える方が無難です。
ただ、普段からネイルをしている人にとってはオフにするのが難しいときは、法事に向いているネイルをするようにしてください。
法事に向いているネイルは、シンプルで清潔感があるフレンチネイルがおすすめで、色はベージュ、淡いピンク色などを使うようにしてください。
法事はあらかじめ日程が決まっているので、ネイルをオフにすることができますが、急なお通夜や葬儀では間に合わないので、法事用の黒手袋を着用するか、上からベージュのマニュキアを塗るなどの方法で対応するようにしてください。
香水
法事では香水を付けないのがマナーになります。
法事などは多くの人が集まるので、華やかな香り、強い香りは周りの人に不快感を与える可能性があるので注意が必要になります。
ワックスやスプレーなども無香料または微香性のものを使うようにしてください。
髪型
法事での女性の髪形ですが、髪が長い人は毛先が乱れないようにまとめるようにしてください。
ショートヘアの方はキレイにまとめていれば、問題はありません。
ミディアムヘアの人は、肩に髪がかかっているかどうかで、髪をまとめるかどうかを判断するようにしてください。
髪をまとめるときは、耳の高さより下の位置で、黒色のヘアアクセサリーでまとめるようにしてください。
また、髪を明るい色に染めている場合は、ヘアスプレーなどを使って、そのときだけ髪を黒くすることをおすすめします。
法事で子どもが着る服装
法事で子どもが着る服装ですが、制服があれば制服を着用するのが基本になります。
制服がない場合は、黒色や紺色、グレーのブレザーなど、控えめな色の服装でも大丈夫です。
男の子の場合は、ブレザーとズボンの組合せに、白いシャツと靴は黒色が良いのですが、なければ白色や紺色のスニーカーでも問題はありません。
女の子の場合は、ブレザーとスカートの組合せに、白いシャツ、もしくは華やかではないワンピースでも良くて、靴は黒色が良いのですが、なければ白色や紺色のスニーカーでも問題はありません。
法事で男性が着る服装
法事で男性が着る服装ですが、礼服もしくは黒色のスーツに白無地ワイシャツ、黒色のネクタイが基本になります。
七回忌以降は、濃紺やグレーなどのダークスーツでも大丈夫で、ワイシャツは白色で、ネクタイは黒色以外でも大丈夫ですが、派手なデザインや色は避けるのが無難です。
また、靴は光沢が無い地味なデザインのものを選び、腕時計などの光物は身につけないようにしてください。
まとめ
ここまで、法事で女性が着用する服、身につける小物など、法事で気をつけてほしい大人のマナーや注意点などについてみてきました。
お通夜や葬儀、四十九日や一周忌などでは、服装にも一定のルールがあり、気をつけたいマナーもありますが、三回忌以降になると少し緩和されます。
とはいえ、人が集まる法事では、周囲の人に不快感を与えないように最低限の配慮は必要になるので気をつけてくださいね。