「法事で出す饅頭はどうやって出したら良いか悩んでいる!マナーとかあるの?」「そもそも何で法事で饅頭を出すのか意味が知りたい!」
こういった悩みを抱えている方はいませんか。
法事でお茶を出すときや引き出物としてお菓子を添えるときに、やはり定番なのが饅頭ですよね。
法事を初めて執り行う方は、どのような饅頭を出したら良いのか、なぜ饅頭を出さなければいけないのか、など不思議に思うことが多いですよね。
実は、法事で饅頭を出す際には、しっかり守らなくてはならないマナーがあります。
そこで今回は、法事で出す饅頭はなぜ出すようになったのか、饅頭を出す際の正しいマナーは何なのかについて解説します。
法事の饅頭について100%理解出来る内容になっているため、ぜひご一読ください。
法事で饅頭を出す意味は?葬式饅頭について!
まず、法事ではなぜ饅頭を出すのか、意味や由来について詳しく解説していきます。
「葬式饅頭」とは、名前の通り弔事の際に出されている饅頭の事で、お葬式当日の初七日の際に配られるのが一般的です。
最近は、あまり出さないようになってきていますが、地方に行くとまだまだ葬式饅頭の文化が残っていますよね。
饅頭は古くから日本の法事法要ごとの際に、お茶と一緒に出される習慣があり、私たちの生活に根付いてきました。
法事で葬式饅頭を出すようになったのは、きちんと由来があります。
葬式饅頭の由来
葬式饅頭を弔問客へ渡す行為は、個人の財産の一部を饅頭という形に変えてお裾分けするという意味があります。
これは、文教的な考え方で、いきている間に手放せなかった物欲のため、死後に残った財産を少しでも世間へ返そうと言う気持ちが込められています。
財産を分配して成仏しやすくなると言う意味も込められていたようで、このような行為は「お布施する」と言われています。
葬式饅頭を配るという行為はお布施という行為の1つなのです。
現代では、甘いものや食べ物は、いつでも豊富に手に入れられる時代になりましたよね。
しかし、昔は甘いものを食べるという行為自体が非常に貴重でした。
こういった自体背景もあり財産を一部返す方法として、甘い饅頭を配るという行為が主流となったのです。
葬式饅頭を出す場面は?
葬式饅頭を出す場面は、大きく分けて4つあります。
供物としての饅頭
法事の際に出される饅頭の役割の1つがお供え物です。
供物は、個人や仏様への感謝とお悔やみの気持ちを込めて贈られるもので、香典やお花もお供え物の一種です。
供物としてお菓子が贈られることも非常に多いですが、中でも饅頭は代表格であると言えます。
饅頭を供えるときの数
饅頭に限らずに言えることですが、供物は奇数にするのが良く、4や9などの縁起の悪い数字は使われないこともあります。
明確なルールのようなものは特になく、宗派やその家々によっても考え方は大きく異なります。
大切なのは、故人や仏様を敬う気持ちが重要です。
なるべく美味しい饅頭を選んであげるといいでしょう。
饅頭の供え方
法事に参列する側としてお供え物を持っていくときには、勝手にお仏壇にお供えしてはいけません。
饅頭以外のお供え物は必ず施主に渡すようにするといいでしょう。
また必ず大きな仏壇の場合は、三段に分かれている中断に置くようにします。
置く際に放送を取ってしまうと硬くなって、美味しくなくなってしまうため、箱入りの場合は、蓋を開けて中身が見える状態にしておきましょう。
引き出物としての饅頭
2つ目の役割は、引き出物として参列者の方に饅頭を渡すシーンです。
昔から引き出物として饅頭が選ばれており、饅頭は法事や祝事の際にしか食べられないご馳走でした。
法事の引き出物として饅頭を選ぶメリットとしては、日持ちがするため、日が経っても食べやすいという点です。
あまり日持ちがしないものを選んでしまうと、もらった方が困ってしまうため、無難な選択肢として饅頭が1番いいでしょう。
ただ、饅頭の中には賞味期限が非常に短いものも存在します。
引き出物として饅頭を渡す時は、必ず賞味期限が長いものを選ぶようにしましょう。
法事の時のおもてなしとしての饅頭
3つ目の役割は、法事に参列してもらった方に対するお礼として料理や茶菓子を振舞ってもてなす役割です。
お経をあげてくれたお坊さんへの接待として、茶菓子を出すこともありますよね。
そんな時にも饅頭は大活躍です。
引き出物と同じく、甘いものが貴重だった時代から出されていたため、非常に嬉しい接待になったことでしょう。
出す饅頭の数について
法事の際、お坊さんが茶菓子を持ち帰ることも多くなりましたが、基本的にその場で食べることを前提として茶菓子を出します。
お坊さんや参列してもらった人に対しては、だいたい2~3個ほどの饅頭を出してあげればちょうど良いでしょう。
饅頭の出し方は?
お坊さんに出す時には、到着したタイミングと法要が終わってからの2回出すことになります。
持ち帰りがしやすいよう、個包装のものを選ぶか懐紙の準備をしておくようにしましょう。
出す時には、基本的に相手からみて右にお茶、左に饅頭を置くようにします。
机がある時は、お茶菓子をさらに乗せて机の上に置くのが一般的です。
香典返しとしての饅頭
4つ目は、香典返しとしてお菓子を贈るパターンです。
仏教では忌明けの四十九日以降に香典返しを贈るのが一般的です。
また、神道では忌明けが五十五日祭で、仏教の香典返しに準じて返礼がなされています。
神道の場合、香典返しと呼ばれることは少なく、御玉串料などの返礼品として扱われることが多いです。
昔は、こういった日数間隔をしっかりと守って儀式を行ってきましたが、現代でもしっかり行っている家は少ないです。
香典返しの時期には決してこだわらずに、お葬式当日に一律の香典返しを持ち帰ります。
また、香典の額が高かった人には別途で香典返しを贈ることも多くなっています。
法事の饅頭に関するマナー
法事で出す時には饅頭以外のお菓子でもOK
法事で出す時には饅頭以外のお菓子でも問題ありません。
絶対に饅頭を出さなければならないという決まりはありませんし、基本的にはどんなお菓子であっても問題ありません。
仏事や法要の様々な場面で用いられるお菓子にはどのようなものが適しているのでしょうか。
法事で出す時のお菓子として適しているものは、以下の通りです。
和菓子の場合
最中(もなか)、どら焼き、せんべい、あられ、柿の種、かりんとう、羊羹など
洋菓子の場合
クッキー・カステラ・マドレーヌ・マカロンなど
洋菓子の場合は、基本的に色が目立たない、焼き菓子系のお菓子が1番良いでしょう。
ただ、儀式ごとに厳しい家の出身の方は、法事の饅頭に関するマナーを重んじることもあるため、気をつけましょう。
葬式饅頭の色に決まりなどはある?
饅頭の色は明確な決まりがある訳ではありません。
しかし、一般的に関東と関西では葬式饅頭を出す時の色に違いがあります。
- 関東・・・緑と白
- 関西・・・黄色と白
ただ、この色の饅頭ではないといけないというような決まりは一切ありません。
派手な色の饅頭を供養として待って行ってはいけないという人も中にはいます。
地域や宗派によって、色や出し方などの正解は大きく異なりますが、ある程度自由に選んでも問題ないでしょう。
のし紙の掛け方
引き出物を用意する際には、基本的にのし紙をつけます。
のし紙は、水引が印刷された紙のことを差しますが、一般的にのしのついたものはマナー違反です。
水引の上段に「粗供養」もしくは「志」と書き、その下に施主の名前を書いて行きます。
のしを掛ける一にも決まりがあり、包装紙の上から掛ける外のしと引き出物に直接のし紙を掛けて、そのまま放送する内のしの2つがあります。
控えめな気持ちを表したい、贈り物である時を強調したくないなどの場合は、うちのしを選ぶようにしましょう。
また、持参する場合は、外のしにした方が、誰からの供物かわかりやすいため、施主の方に喜ばれやすいです。
地域によって葬式饅頭は違う?
饅頭の色は白を基調として、東北や関東では春日饅頭か青白饅頭、関西では黄色饅頭として出されています。
関東の饅頭が緑と白であることは先ほども述べましたが、これは青白饅頭になります。
春日饅頭とは楕円形の饅頭でこしあんが入った小麦饅頭の表面に葉の印が型焼きされたもののことを指しています。
関西の黄色饅頭は、饅頭の皮に米粉や小麦粉に芋を練りこんで作られたもので、白い饅頭とセットで入れられることが多いです。
日本でも最も異なるのは、北海道の葬式饅頭です。
北海道の葬式饅頭はコンビニでよく見る中華饅頭が用いられています。
葬式饅頭としての中華饅頭は、もともと通夜振る舞いのひとつとして配られるようになり、現代でも根強く残っている地域があると言われています。
中華饅頭は比較的に作りやすいため、広まったと言われていますが、なぜ北海道で広まったのかは明らかにされていません。
法事の際のお菓子の選び方!注意点は?
法事に饅頭を出さなければいけないという決まりがないことについては、先ほども解説しましたが絶対に注意して欲しい点がいくつかあります。
以下では法事の際にお菓子を出す時には絶対に気をつけて欲しい注意点を5つか紹介しました。
- 賞味期限が短いものは選ばない
- 個人の好きなものをお供えする
- 個別に包装されているものを選ぶ
- お坊さんの好き嫌いを事前に聞いておく
- なるべく持ち帰りやすいものを選ぶ
基本的に以上5つを守っておけば、問題ありません。
法事の際にお菓子の選び方に迷った際には、ぜひ上記の5つの注意点をチェックしてみてください。
まとめ
今回は、法事の際に饅頭を出す意味や正しいマナーについて中心にご紹介しました。
法事のお茶菓子の中でも、1番無難に選ばれている葬式饅頭。
由来や出されている意味などを初めて知った方も多かったのではないでしょうか。
今や饅頭は「ご馳走」とまでじは呼べませんが、甘いものは人を幸せにしてくれる効果があります。
饅頭を選ぶ際には、是非ともなるべく参列者が喜ぶような美味しい饅頭を振舞って参列者をもてなしてあげられるようにしましょう。