法事は日常なかなか行われないものですから、いざ行う場合どのようなものが必要か、持ち物について悩むことも多いでしょう。
忘れ物があった場合、法事を抜け出してコンビニに走る、というようなことはできませんから、しっかりと事前の確認が必要です。
今回の記事では施主として法事を主催する場合に必要な持ち物と、法事に招かれて参列るする場合に必要な持ち物をご紹介します。
施主が身内の法事をするときの持ち物
まず法事を主催する施主として必要な持ち物には何があるのでしょうか。
施主の必需品
法事の時に持っていくのは以下のような物です。
・お布施
・袱紗(ふくさ)
・数珠
・小物
・バッグ
・サブバッグ
・ハンカチ
・時計
・結婚指輪(ただし結婚指輪以外の指輪はNG)
・ネックレス(真珠または黒真珠のもの)
・ベルト
・傘
・手袋(必要であれば)
・ベール(必要であれば)
このほか必需品ではありませんが、持っていくと何かと役に立つものもあります。
・替えのストッキング
・エプロン
施主の服装のマナー
合わせて施主として当日に着るにふさわしい服装もご紹介しておきましょう。
原則四十九日まで正喪服
法事の際の施主の基本的な服装は、正喪服です。
正喪服とは男性の場合は和装またはモーニングコート、女性が和装またはワンピースやアンサンブル、スーツなどのようなブラックフォーマルのことです。
着るべき期間は、通夜、告別式から四十九日法要までの間の法事です。
一周忌、三回忌の法要
四十九日法要を過ぎたら、必ずしも正喪服でなければらないということはありません。
しかし念のため施主または施主の肉親、親族の場合は、一周忌、三回忌までは正喪服にしておいたほうが無難でしょう。
七回忌以降の十三回忌などの法要
七回忌以降は、施主は準喪服です。
準喪服とは、男性がブラックスーツ、女性がブラックフォーマルのことです。
僧侶に渡すお布施
法事の際に絶対に忘れてはならないものは、僧侶に対するお布施の準備です。
お布施はどのよう用意する必要があるのでしょうか。
お布施の相場は?
まずお布施の相場です。
お布施には定価がありません。
自家とお寺の関係、お寺の格式、宗派、住職自身の考えによってお布施の額は変わります。
ですから1番良いのは、法事での読経を僧侶に頼んだ時に、お布施はどの程度包んだらよいのかを聞いてしまうことです。
ただしお布施の相場自体はありますので、参考にしてください。
法事などでのお布施の相場は、一般的に1万円~5万円程度と幅があります。
祥月命日の法要など、規模の小さいもの、法事としての重要度が低い法要場合は、5千円~1万円くらいが相場です。
お寺ではなく、法要のために式場や自宅に僧侶に来てもらった場合はお車代を別途1万円程度包みましょう。
法要後に会食を予定していて僧侶がそれに参加しない場合は、御膳料として1万円を用意します。
ただし、お車代と御膳料を合わせて1万円にする場合もあります。
表書きの書き方
仏教の場合、のしには「お布施」と表書きをします。
ただし、お布施は仏教用語ですので、神道やキリスト教の場合「お布施」とは書きません。
神道の場合は「御礼」「御祭祀料(おんさいしりょう)」などと記し、キリスト教のカトリックの場合は「献金」、プロテスタントでは「記念献金」と書きます。
神父または牧師へのお礼の場合は「謝礼」「御礼」と記します。ミサなどでオルガン演奏をしてくれた人がいた場合は、演奏者へも謝礼を渡しましょう。
四十九日などの法事に参列する場合の持ち物
次に法事に招かれて参列する場合の持ち物についてです。
参列者が法事に持っていくもの
まず法事に持っていくべきものは以下の通りです。
・香典
・袱紗(ふくさ)
・数珠
・小物
・バッグ
・サブバッグ
・ハンカチ
・時計
・結婚指輪(ただし結婚指輪以外の指輪はNG)
・ネックレス(真珠または黒真珠のもの)
・ベルト
・傘
・手袋(必要であれば)
・ベール(必要であれば)
さらに持っていくと助かるものは以下の通りです。
・替えのストッキング
・エプロン
参列者の服装のマナー
法事に招かれた際の服装はどのよう考えたらよいのでしょうか。
基本は準喪服
まず通夜に参列する場合は、「訃報を聞いて駆け付けた」ことになるので、グレーや濃紺など地味な色の服装でOKです。
特に、地域によっては通夜に喪服を着ていると、訃報に対して慌てずに準備をしてから来た、ということで、故人への思いが強くない、というメッセージになる場合もあるため、要注意です。
一方では、告別式よりも通夜を重視し、通夜こそ正式な喪服で臨むべきという地域もあるので、通夜に行く場合は知り合いや親せきに相談したほうが無難です。
告別式から一周忌までには準喪服を着用しましょう。
準喪服とは、男性であればブラックスーツ、女性であればブラックフォーマルのことです。
三回忌以降は略喪服でもOK
三回忌以降は多少服装に関しての縛りが緩やかになります。基本は略喪服にしましょう。
略喪服とは、男性であればダークスーツ、女性であれば地味な色合いのワンピース、アンサンブルのことです。
平服でと書かれていた場合は
ただし最近は葬儀や法要の案内状に「平服でお越しください」と記されている場合も多いです。
気をつけなければならないのは、平服というと普段着だと思って、ラフな普段着で参列してしまうことです。
平服とは普段着のことではありませんから、くれぐれも注意しましょう。
では法事における平服とは何かというと、要は「略喪服」のことです。
つまり喪服と言った儀礼的な服装ではありませんよ、というメッセージなだけで、法事に適した服装である必要性は残っているのです。
ですから、男性であればダークスーツ、女性であればスーツまたは地味な色合いのワンピース、アンサンブルを着て参列しましょう。
逆の点で注意すべきは、平服と記されていいるのに、正式な喪服で参列することです。
周囲が平服な中、正式な喪服で行くと浮いてしまったり、施主の意向を無視したことになって返って施主に失礼になる可能性もあるので、平服と記されていたら平服にしましょう。
法事におけるNGな服装
どの法事の場合でも、以下のような服装はNGになりますから要注意です。
まず女性の場合、暑い時期には半袖でも大丈夫ですが、ノースリーブや短い袖はNGです。
襟が大きく開いた服装も避けましょう。スカート丈も短いものはNGです。
三回忌までは正喪服、準喪服になるのでパンツスーツはNGです。
三回忌以降の略喪服からはパンツでも大丈夫ですが、喪主や施主、親族が着るのはNGです。
小物も注意しましょう。
基本は光るような金具がついているもの、光る素材のものは全てNGです。
バッグは黒の布製またはつや消しの革製です。女性の場合は靴も基本は黒の布製しましょう。
そのような靴が用意できない場合はつや消しの黒の革製でも大丈夫です。
サンダル、エナメル系の靴、飾りのある靴、高いヒールの靴も避けるべきです。
香典やお供え物は持っていくべき?
持ち物として気になる香典の相場はどのように考えたらよいのでしょうか。
金額の相場は?
香典の相場は、故人とこちらの関係性、血縁によって異なりますし、さらに法事に会食がついているのかどうかでも変わってきます。具体的には以下のように考えましょう。
まず故人と血縁関係がある場合です。
・法要のみの場合:1万円~3万円
・法要の後に会食がついている場合:2万円~5万円
ただし夫婦で法事に参列する場合は夫婦合わせて以下の金額になります。
・法要のみの場合:2万円~5万円
・法要の後に会食がついている場合:3万円~
次に故人と血縁関係がない知人の場合です。
法要のみの場合は以下の通りです。
・友人 一般的な知人:5万円~1万円
・お世話になった人の法事:1万円~3万円
法要の後に会食がついている場合は、以下の通りです。
・友人、一般的な知人:1万円~3万円
・お世話になった人の法事:3万円~5万円
香典ののしはどうする?
現金を香典として包む場合、当然お札を裸で私ことはNGですが、白封筒で渡すことも失礼に当たります。
香典はのし袋に入れて渡しましょう。
のし袋の選択は、双銀の結びきりの水引がついているものが基本です。
表書きは「御仏前」「御供物料」とします。四十九日法要までは「御霊前」でも大丈夫です。
果物などを持っていく場合は何が適切?
香典以外に果物などのお供えを持参する場合もあるでしょう。
その際には以下のような考えで物品を選択しましょう。
まず重要なポイントはかさばらない、重たくないものです。
法事を自宅ではなく、寺院などで行った場合は、法事後に遺族がお供えを自宅まで運ばなければなりません。
その際にかさばるもの、重たいものにしてしまうと返って大きな迷惑になります。
日持ちするものであることも必要です。お供えは一定期間供えた後は家族で食べるのが普通です。ですからすぐに傷むようなものでは都合が悪いのです。
地方によってはお供えを親族で分け合う風習もあります。分け合う場合に扱いやすいように個包装がしてあるお菓子や、果物の盛り合わせのように1個1個になっているものを選びましょう。
お供えは以上の条件に合致することが最低の条件ですが、さらに故人の好きだったものを選べば、故人を偲ぶこちらの気持ちが遺族に伝わって喜ばれるでしょう。
お供えの金額の相場
香典のほかにお供えを渡す場合、香典を渡しているのであまり高い金額のものを選ぶ必要はありません。
相場としては5千円~1万円程度でよいでしょう。
お供えに関してものしをつけるのが普通です。のしの表書きは「御供」です。
お供えだからと言って勝手に仏壇に供えたりするのはNGです。必ず施主に渡しましょう。
まとめ
法事当日の持ち物と合わせて服装について解説しました。
いろいろと約束ごとがあって大変な気がしますが、法事は日本人の中で結婚式と並んで最大の行事ですからマナー違反にならないように注意しましょう。