全国で要介護(要支援)と認定されている方の数は約630万人(平成28年12月)。今後、その数はますます増えていくと予測されています。介護の問題は他人事ではありません。
介護というと、だんだん年を取って体が弱ったために必要になるというイメージがあるかもしれません。
しかし、要介護者の介護が始まるきっかけの第一位は脳卒中で、第二位は認知症、高齢による衰弱は第三位です(厚生労働省『国民生活基礎調査(平成25年度版)』。介護は突然必要になることが多いのです。それだけに、介護が必要になったとき、何から手を付けていいかわからないという方も多いようです。
まだ介護は必要ないと思っていても、早めに相談することで介護予防ができたり、介護状態の悪化を防ぐことができることもあります。
介護が必要になったとき、まずどこへ相談すればいいのでしょうか?
まずは地域包括支援センターへ
一番おすすめなのは、近くの「地域包括支援センター」です。
地域包括支援センターは「地域住民の心身の健康の維持、生活の安定、保健・福祉・医療の向上と増進のため必要な援助、支援を包括的に担う地域の中核機関」で、いわば介護のよろず相談所です。
保健師・社会福祉士・主任ケアマネージャーが常駐していて、関係機関と連携しながら地域の人々の介護予防や介護全般の相談、高齢者の日々の暮らしをサポートしています。
専門職がチームになって対応する体制になっているので、幅広い問題に対して適切なアドバイスや支援を受けることができます。
介護、福祉、医療に関することなど、どこに相談していいかわからないことも、まず最寄りの地域包括支援センターに相談するとよいでしょう。
市区町村の介護保険担当窓口
市区町村の役所で、要介護認定の事務手続きや介護保険料の計算・支払・給付、介護保険についての相談を行うところです。「介護保険課」「高齢介護課」「介護支援課」など名称は市区町村によって違います。また、役所内に介護の相談窓口が設置されている場合、そちらを利用しましょう。
居宅介護支援事業所
居宅介護支援所は、ケアマネージャー(介護支援専門員)が所属する事業所です。介護保険サービスと利用者をつなぐ役割をしており、介護の相談だけでなく、介護保険を利用する際の手続きなどについても相談に乗ってもらえます。相談は無料です。
遠方に住む両親の介護相談窓口は?
介護の必要な両親が遠方に住んでいる場合、相談窓口は両親の住む地域の地域包括支援センターや市区町村の介護保険担当窓口になります。まずは電話で相談するとよいでしょう。家族の状況に合わせ、適切なサービスを案内してもらえます。
実際に介護サービスを受けるようになった場合、担当するのも地元のケアマネージャーです。
また、いざというときに頼りになるのが実家の近所の方です。帰省のときなど、きちんと挨拶をしておき、いざというときには連絡が取れるようにしておきましょう。また、地域の民生委員の方とも連絡が取れるようにしておくと安心です。