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【キリスト教式】葬儀・葬式の流れと参列マナー

投稿日:2019年2月13日 更新日:

キリスト教の葬儀イメージ1

キリスト教式の葬儀は、仏式の葬儀と異なる部分が多く、実際あまり馴染みがない人も多いと思います。
いざキリスト教式の葬儀に参加するとなったら、内容があまりに仏式と違うので戸惑うかもしれません。

今回の記事では、キリスト教の死に対する考え方や、キリスト教式の葬儀の流れやマナー、葬儀に参列する際の注意点などについてご紹介します。

1.キリスト教の死に対する考え方

大まかに言って、キリスト教の思想で「死」は「復活」までの猶予期間と考えます。
「復活」とは何でしょうか。

「復活」にはキリストの復活と、すべての人々の復活があります。
ここではすべての人の復活について説明します。

キリスト教の思想では、世界最後の日に「最後の審判」があります。
最後の審判は、キリストが再臨して死者を含む全人類を審判されます。
審判された人類は、神に永遠に救われるものと地獄に落ちるものに分けられます。
最後の審判の時には、死者も肉体を伴って「復活」します。

1-1.カトリック:死後の世界は大きく3つ

カトリックでは、人の死後霊魂は天国、地獄、煉獄のいずれかに行くとされています。
他にも洗礼を受ける前の幼児が行く幼児の辺獄や、キリスト以前のが行く父祖の辺獄がありますが、ここでは割愛します。

天国は、神を信仰し、罪が清められている人が行けます。
煉獄は、神を信仰しているものの罪がまだ清められていない人が行きます。罪が清められると天国に行けます。
地獄は、神の信仰を失った人が行けます。

カトリックでは、煉獄に行った人が早く天国に行けるよう、死者に祈りを捧げます。

1-2.プロテスタント:祈りは生者のためにする

プロテスタントでは、「煉獄」の考えがありません。
死者の霊魂は天国か地獄に行きます。

死者がどちらの世界に行くかはすべて神の手に委ねられているため、残された人々が死者のために祈っても霊魂が天国に行けるかどうかには影響しません。
なので、プロテスタントの葬儀などは、生者が残された人たちが信仰を深めるための場として位置づけられます。

1-3.仏教との違い

仏教では、生き物は死んでも六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上)のどこかに生まれ変わります。
この生まれ変わりを繰り返すことを、輪廻と言います。
仏教においての死は、悟りを開いて、輪廻から脱出することが最大の目的です。

対して、先述の通りキリスト教にとっての死は、最後の審判までの猶予期間です。

1-4.死の直前に重要な儀式

カトリックでは、病人の臨終の直前に「終油の秘跡」を行います。
この儀式は、意識のあるうちに行うものなので、死期が近づいていると医師が判断したら、早めに宗教者に連絡します。
これらの儀式は、意識のはっきりしているうちに行うことが大切とされているので、タイミングを逃さないようにすることが重要です。
カトリックでは、神父が立ち会って終油の秘蹟(塗油の秘蹟)を授けます。秘蹟とは神の恩寵のしるしのことです。

プロテスタントでは牧師が立会い、安らかに天国に召されるように聖餐式を行います。
宗教者の到着前に死亡した場合は、そこにいた人たちが祈りを捧げます。

2.キリスト教式の葬儀の内容

キリスト教では「カトリック」と「プロテスタント」で、それぞれ葬儀の流れが異なります。
ここでは、カトリックとプロテスタントに分けてご紹介しましょう。

2-1.カトリックの葬儀の内容

カトリックの葬儀は、故人の罪を神にわびて許しを請い、永遠の安息を得られるように祈る儀式です。
カトリックの考えでは、故人は神に委ねられ、キリストの再臨と死者の復活が願われます。
葬儀は、故人が所属していた教会で行われることがほとんどで、葬儀と告別式を別に行います。

2-1-1.通夜の集い

本来キリスト教には通夜はありませんが、日本ではそもそもの慣習にならって催されます。
自宅や教会に神父を招き、遺族とともに祈りを捧げます。

内容は以下のようになります。

・聖歌合唱
・聖書朗読
・神父の説教
・祈り
・献花
・喪主の挨拶
・通夜ぶるまい(茶話会形式)

2-1-2.カトリックの告別式の流れ

・入堂聖歌
聖歌と共に神父が入堂します。この際、参列者は起立で迎えます。
棺は一旦入り口で安置され、神父によって聖水と祈りが捧げられます。
その後神父に続き、棺と遺族が入場となります。
・聖歌斉唱
参列者全員で聖歌を歌います。
これにより、告別式の開式となります。
・弔辞・弔電紹介
故人の略歴及び弔辞・弔電が紹介されます。
・献花
献花を行う順番は、喪主、遺族、親族、一般会葬者となります。
・遺族あいさつ
喪主が感謝の挨拶を行います。
参列者が多い場合には、献花の前に行うこともあります。

2-2.プロテスタントの葬儀

プロテスタントの考えでは、故人は神のもとで安らかになるという思想があるため、祈りは神のために行われます。
そのため、葬儀も神への感謝と遺族を慰めるという意味合いがあります。
カトリックとは違い、葬儀と告別式は分けずに行われます。
また、プロテスタントには多くの宗派があり、葬儀の内容も変わってきます。

2-2-1.前夜式

プロテスタントの場合、通夜に当たる追悼行事は前夜式と呼ばれます。
納棺式と一緒くたにされたり、納棺式に続けて行われます。

個人に祈りをささげたあと遺族が故人を棺に納めます。
棺の中を白い花で飾って蓋をし、上から黒い布を掛けます。
棺を前夜式の会場に安置したら讃美歌を合唱、祈りを捧げます。

前夜式では遺族以外にも縁故者を招き、全員が席に着いたら前夜式宣言をして開催されます。
前夜式の内容は下記のようになります。

・讃美歌合唱
・聖書朗読
・主の祈り
・祈祷
・牧師による説教

2-2-2.プロテスタントの葬儀・告別式の流れ

・入場
オルガン演奏の中、牧師を筆頭にして棺、喪主、遺族が入場します。
参列者はそれを起立で出迎えます。
・聖書朗読・祈祷
牧師が聖書を朗読して祈祷を捧げるので、参列者は黙祷します。
その後、賛美歌を斉唱します。
・牧師による説教
まず、牧師が故人の略歴や人柄などを紹介します。
その後、説教が行われます。
・弔辞・弔電紹介
弔辞・弔電は故人の弔いというよりも、思い出を語るような内容が一般的です。
・祈祷・オルガン奏楽
オルガンの演奏を聞きながら黙祷します。
・告別の祈り・献花
牧師が祈りを捧げ、全員で賛美歌を斉唱します。
その後、牧師、喪主、遺族、親族、一般会葬者の順番で献花を行います。
・遺族あいさつ
遺族あいさつは献花前に行われることもあります。

2-3.用語の違いにも注意

カトリックとプロテスタントでは、葬式の流れに違いがあるだけではなく、葬儀に用いられる用語の意味にも違いがあります。
カトリックでは聖職者のことを神父と呼びますが、プロテスタントでは牧師と呼びます。
また、礼拝の歌もカトリックでは聖歌ですが、プロテスタントは賛美歌といいます。

3.キリスト教式のマナー

それでは、キリスト教式に参列する際のマナーにはどんなものがあるでしょうか。

3-1.御花料のマナー

キリスト教では、お香をたく文化がないため香典はありません。
その代わりに御花料を包みます。また、袋に水引はつけません。
包む金額は、故人との関係性や自身の年齢によって変わります。

3-1-1.御花料の目安

御花料の目安はつぎのとおりです。

・両親:5万円~10万円
・兄弟姉妹・その配偶者:3万円~5万円
・祖父母:1万円~3万円
・叔父・叔母・いとこ・甥・姪:1万円~3万円
・嫁の実家・娘の嫁ぎ先:3万円~5万円(先方の両親の場合)1~3万円:(祖父母の場合)
・ご近所:3千円~1万円
・会社関係者・友人:5千円~1万円
・友人の親:5千円

3-1-2.御花料の包み方

御花料を包む時は、ユリの花や十字架が描かれたのし袋、または白無地の封筒を使用します。
表書きには「御花料」とフルネームを書いて受付で渡します。

3-2.献花のマナー

献花は、仏教でいう焼香、神道でいう玉串奉奠(たまぐしほうてん)のようなもので、祭壇に白い菊やカーネーションを捧げることをいいます。
献花の手順はつぎのとおりです。
・両手で花を受け取った後、遺族に一礼して献花台に進みます
・茎を祭壇に向け献花台に捧げます。その際、右手で花側を持ち、左手で茎を持ちます
・一礼して黙祷します
・前を向いたまま数歩下がり、遺族に一礼して席に戻ります

3-3.参列に適した服装

葬儀に参列する際の服装については、仏式の場合と同じもので問題ありません。
男性であれば喪服、あるいはダークスーツ、女性は黒のスーツやアンサンブル、ワンピースなどです。
靴やバッグといった小物類も黒を使い、派手な時計やアクセサリーなどは避けるのが無難です。
また、カトリックでは、女性信者は黒いベールつきの帽子をかぶるのが正装ですが、信者でない場合は必要ありません。

3-4.聖歌・賛美歌への参加

キリスト教式の特徴である聖歌・賛美歌ですが、これは強制的に参加しなければいけないというものではありません。
ですが、事前に歌や祈りの一節が書かれた紙が配られるため、できるだけ参加するようにしましょう。
聞いているだけでも咎められることはありませんが、聖歌や賛美歌がわからない場合は、起立したままで静聴しましょう。

3-5.お悔やみの言葉は不要

キリスト教は死に対する考え方が仏教や神道とは違い、永遠の命の始まりだとされています。
そのため、亡くなったことは悲しいことですが、不幸なことではないという意識があります。
「安らかな眠りをお祈りいたします」のように、故人の安寧を祈る形が一般的です。

3-6.キリスト教の葬儀の弔電

キリスト教の弔電では、「安らかにお眠りください」など、キリスト教に適した言葉を使います。
例えば、「神のもとに召され、安らかにお眠りくださいますよう」といった具合です。

4.まとめ

キリスト教式の葬儀はあまり馴染みがなく、カトリックとプロテスタントで異なる部分もあるため、戸惑うことも多いと思います。
この記事をご覧いただき、葬儀の流れやマナーを頭にいれておけば、心配することなくお葬式や告別式に参列することができると思います。

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