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葬儀

お葬式での数珠のマナー!宗派ごとの種類と使い方

投稿日:2018年10月17日 更新日:

お葬式の数珠の画像1

仏教の仏事の際に必要となるもののひとつに「数珠(じゅず)」があります。
数珠は、お葬式や法事、お彼岸のお墓参りや仏壇に向っての礼拝の際に手に持ちますよね。
今回は、まだ数珠を持っていない人のために、どこでどんなものを選べばよいのかをご紹介します。

目次

■「数珠」とは何か
・数珠は念じるための仏具であり魔除けのお守り
・ヒンズー教のバラモンが起源
・略式数珠と正式数珠
・数珠の珠数は108個

■数珠はどこで買う?
・仏壇・仏具店
・紳士服専門店
・100均
・ネットや通信販売
・葬儀場やコンビニ

■どんな数珠を選んだらいい?
・好みで選んでも良い
・人気は灰桜房と無色
・お土産に数珠を買っていってもいい?

■正式数珠は宗派ごとに違う
・天台宗の数珠
・真言宗の数珠
・臨済宗の数珠
・曹洞宗の数珠
・浄土宗の数珠
・浄土真宗の数珠
・日蓮宗の数珠
・色の決まりについて

■女性用と男性用では違いはあるのか

■数珠の持ち方
・片手数珠の持ち方
・振分数珠の持ち方
・各宗派ごとの持ち方
└天台宗の数珠の持ち方
└真言宗の数珠の持ち方
└臨済宗・曹洞宗の数珠の持ち方
└浄土宗の数珠(日課数珠)の持ち方
└浄土真宗の数珠の持ち方
└日蓮宗の数珠の持ち方

■お葬式の数珠のマナー
・葬儀中は始まりから終わりまで数珠を持つ
・お葬式は数珠を持って行ったほうが無難
・数珠を忘れたときはどうする?
└貸し借りはダメ
└数珠はなくても大丈夫
└斎場や近くのコンビニで買う

■まとめ

「数珠」とは何か

まずは、数珠について簡単にご紹介します。

数珠は念じるための仏具であり魔除けのお守り

「数珠」は「念珠(ねんじゅ)」とも呼ばれ、手を合わせて念じるための仏具です。
また数珠は、仏具というだけではなく魔除けのお守りにもなります。
お守りとしての役割もあるので、普段から念珠袋に収めて持ち歩くのも良いでしょう。

ヒンズー教のバラモンが起源

数珠が生まれたのは、古来インドのヒンズー教のバラモンが起源と言われています。
後に密教などでも利用されるようになり、今では仏教徒の全宗派で使われています。

略式数珠と正式数珠

数珠には、略式数珠と正式数珠があります。
略式数珠は、宗派を問わず使える共用型の数珠で多くの宗派で使えます。
一方、正式数珠は宗派ごとに形が異なります。

数珠の珠数は108個

数珠の珠数は、正式数珠の場合は108個と決まっています。

なお、略式数珠の場合は寸法で作られているため特に珠数は決まっていません。

数珠はどこで買う?

初めて数珠を買う時は、どこでどういうものを買ったら良いのかわかりませんよね。
ここでは、どこで数珠を買えるのか、またどのような数珠を選べばよいのかについてご紹介します。

仏壇・仏具店

数珠は仏具ですので、仏壇・仏具店で購入できます。

仏壇・仏具店は、品揃えも豊富で品質もしっかりとして、略式数珠だけでなく宗教に合わせた正式数珠を購入できます。
平均的に価格は高めの傾向があります。

紳士服専門店

紳士服専門店でも数珠を取り扱っている店舗があります。
礼服や袱紗(ふくさ)などと一緒に一式揃えられるのは便利です。
しかし、略式数珠のみの取り扱いが多く品揃えも少なめです。

100均

100均でも数珠を取り扱っており、品揃えも豊富です。
ただ、どうしてもチープにはなるので、使う頻度が高い方は他を検討したほうが良さそうです。

ネットや通信販売

最近は、ネットや通信販売でも多くの仏壇・仏具店や数珠の専門店などがお店を出しています。
ネットや通信販売は、パソコンやスマートホンから沢山のお店を見て回れるので気に入った数珠が見つかりやすいでしょう。

葬儀場やコンビニ

葬儀が執り行われる葬儀場や葬儀場近くのコンビニなどで売っていることもあります。
ただし、必ずしも売っているとは限りませんのであくまで緊急用と考えておきましょう。

どんな数珠を選んだらいい?

初めて数珠を買う時は、どんな数珠を選んだらよいのかわかりませんよね。
そういう時は素直にお店の人に聞いてみるのが間違いないのですが、必ずしも聞いたお店の人が数珠に詳しいとは限りません。
ここでは、どんな数珠を選んだらよいのかご紹介していきます。

好みで選んでも良い

数珠は地味なものじゃないとダメと思っていませんか?
実は、数珠は基本的に好みで選んでも差し支えありません。
若い人はピンクなど華やかな数珠を、年配の人は落ち着いた色を選ぶ傾向があります。

人気は灰桜房と無色

人気の色は、若い女性ならピンク系の中間色「灰桜房」、また無色の玉や白い房は年齢に関係なく誰でも似合うので人気があります。

お土産に数珠を買っていってもいい?

観光地にはたくさんの数珠がお土産品として売っています。
しかし、旅行のお土産に数珠をあげても良いのか悩みますよね。

実は、数珠をお土産としてあげても何ら問題はありません。
結婚のお祝い、成人のお祝いなどのほかにも、誕生日の贈り物としても数珠は喜ばれます。
京都のお土産としても人気があります。

正式数珠は宗派ごとに違う

数珠には略式数珠と正式数珠があることはご紹介しました。
正式数珠は略式数珠と違い、宗派によって様々な決まりがあります。

天台宗の数珠

天台宗の場合は、得度を得た人のみが正式数珠を使うことが多く、一般の人は基本的に略式数珠か宗派共通の二輪数珠「振分」を使います。

ちなみに、「振分」は真言宗の正式念珠にあたり日蓮宗以外の宗派で共通して使えます。

片手数珠の房はいろいろなの形がありますが好みで選んでも大丈夫です。
最近では二五房(男性の場合は打紐も)が主流になっています。

真言宗の数珠

真言宗の一般在家の人は、宗派正式の「振分数珠」か略式片手数珠を使います。

男性の場合は、一般的には略式片手を使う人が多いです。
女性は略式片手か振分数珠を使いますが、振分数珠は宗派共通で使える「女性用二輪」のタイプが主流になりつつあります。

なお、真言宗の正式念珠「振分」は、日蓮宗以外の宗派で共通して使えます。

臨済宗の数珠

臨済宗の人は、略式の片手数珠か臨済宗の正式数珠である「看経」、または宗派共通の二輪数珠「振分」を使います。
「看経」は、一連の数珠に房が1つまたは2つついているもので、数珠の原型に近いシンプルなものです。

一般的には片手数珠を持つ人がほとんどですが、女性の場合は振分数珠を使う人も多いです。
振分は真言宗の正式数珠にあたり、日蓮宗以外の宗派で共通して使うことができる数珠です。

また、正式念珠の「看経」には金属の輪が入っていないものを選びます。
金属の輪が入ったものは曹洞宗の数珠になります。

曹洞宗の数珠

曹洞宗の人も臨済宗と同様、略式の片手数珠か曹洞宗の正式数珠である「看経(輪入り)」、または宗派共通の二輪数珠「振分」を使います。

一般的には片手数珠がほとんどですが、女性は振分念珠を使う人も多いです。

曹洞宗の正式である「看経」を使用する場合は、「輪入(わいり)」を選びます。
曹洞宗の正式数珠は、基本のかたちは臨済宗と全く同じですが、本体部分に金属の輪が入っています。
この輪があるかないかで二つの宗派が区別されています。

浄土宗の数珠

浄土宗専用の正式数珠である「日課数珠」を基本として、略式片手数珠、宗派共通の二輪数珠「振分」を使います。

日課数珠は男性用・女性用それぞれのサイズのものを使います。

女性用は八寸浄土(八寸三万繰浄土)、男性用は三万浄土(九寸三万繰浄土)か九寸浄土(九寸六万繰浄土)です。
男性用の九寸浄土は三万浄土より玉が小さくその分玉数が多くなります。女性用のサイズは、八寸浄土のみになります。

浄土真宗の数珠

浄土真宗の一般男性は基本的に略式片手数珠を使います。
房は主に紐房(打紐)になったタイプが主流です。

浄土真宗の正式数珠「門徒」も使えます。
女性は、主に略式の片手数珠か宗派共通の二輪数珠「振分」、または浄土真宗の正式数珠である門徒数珠を使います。
一般的には片手や振分を使う人が多いです。

日蓮宗の数珠

日蓮宗の人は、基本的に日蓮宗正式の法華数珠を使います。

一般的には「二双半法華」を使うのが主ですが、より大きいサイズの「三双法華」も使えます。

房色は好みでお選べますが「日蓮正宗」の人は白房に限られます。

女性用の基本サイズは「二双」になります。
より大きい「二双半」を男女兼用としてお持ちになる場合もありますが、 特に事情がない場合は二双法華が良いでしょう。

色の決まりについて

女性用については、一部の地域(東海地方や北陸地方など)では数珠の使い分けをしています。
葬儀の際には、水晶や白珊瑚など玉色も無色で房色も白い振分数珠が使われ、色のついた玉や白以外の色房数珠は法事やお墓参りお寺参りなどに使われます。
その他の地域ではこのような使い分けはありません。
色は基本的に好みで選んで良いのですが、年齢に応じた色を選ぶ人が多いです。

女性用と男性用では違いはあるのか

基本的には男女兼用の数珠はありません。
男性用と女性用では、珠の大きさや全体の大きさ、仕立てや房の色などが違います。
略式数珠の場合、男性は珠の直径が10ミリ以上、女性は基本的に8ミリ以下で作られています。

数珠の持ち方

在家の人(出家していない人)の場合の一般的な例をご紹介します。正確に知りたい人は、各宗派寺院に確認してください。

片手数珠の持ち方

片手数珠は、次のいずれかの持ち方で持ちます。

・左手に輪を通してから合掌する
・合掌した両手に輪をかける

どちらの方法でも大丈夫です。

振分数珠の持ち方

振分数珠は、次のいずれかの持ち方で持ちます。

・二重に巻いて左手に輪を通して合掌する
・合掌した両手に二重に巻いた輪をかける

どちらの方法でも大丈夫です。
また、後でご紹介する真言宗数珠の持ち方でも問題ありません。

各宗派ごとの持ち方

ここからは、各宗派ごとの持ち方についてご紹介します。

天台宗の数珠の持ち方

親玉を上にして二重に巻き、左手に掛け、房は親指の内側に垂らして持ちます。
拝むときは、右手を重ね合わせて拝みます。

真言宗の数珠の持ち方

輪をストレートに両方の中指にかけてそのまま合掌します。

臨済宗・曹洞宗の数珠の持ち方

臨済宗の数珠(輪なしの看経)と曹洞宗の数珠(輪入りの看経)の持ち方は同じです。
輪を二重に束ねて左手に掛け、右手は添えるようにして合わせます。

浄土宗の数珠(日課数珠)の持ち方

浄土宗の日課数珠は、輪違いになっている2つの輪を重ね合わせます。
親指の手前にかける場合は、合掌した両手の親指に掛けます。
4本の指に掛ける場合は4本指の側に下げます。

浄土真宗の数珠の持ち方

浄土真宗の門徒数珠は、本願寺派(西本願寺)と、真宗大谷派(東本願寺)で持ち方が異なります。

西本願寺派(本願寺派)は、二重に巻いて合掌した両手に輪をかけ房を真下に垂らします
東本願寺派(真宗大谷派)は、親玉部分が上にくるように輪をかけ、房を左手の甲に垂らします。

日蓮宗数の数珠の持ち方

輪を8の字にねじり、右手側に2本の房、
左手側に3本の房が来るように両手の中指に掛け合掌します。

お葬式の数珠のマナー

仏式のお葬式であればほとんどの人が数珠を持っていきます。
ここでは、お葬式での数珠の扱い方らマナーについて解説します。

葬儀中は始まりから終わりまで数珠を持つ

葬儀中、数珠はどの段階で手に持っていれば良いのでしょう。
お通夜・葬儀に数珠を持っていくのは故人、仏様に対する敬意の表れとされています。
また、数珠は持つ人を守るお守りとしての役割もあります。

ですから、「式の始まりから終わりまでずっと」が正解です。葬儀が終われば外して構いません。

通夜の後、通夜ぶるまいなどに招かれた場合には、数珠は畳やテーブルなどに直接置かずに数珠入れにしまいましょう。
もし、数珠入れが用意できない時は、ハンカチなどを下に敷いてから置くようにしましょう。

お葬式は数珠を持って行ったほうが無難

お葬式に数珠というのは本来は必要ないものです。
しかし、仏教のお葬式では数珠を持ってお焼香をするのが一般的となっているため、人によっては数珠を持っていないと非常識だと見る人もいる事は確かです。
現実的にはお葬式は数珠を持って行ったほうが無難だと言えるでしょう。

また、自分が神道だったりキリスト教など、仏教以外を信仰している場合は基本的に数珠は必要ありません。
お葬式は自分の宗派の作法で参加して良いといわれていますので、信仰している宗教が数珠を使わないのであれば持っていなくても大丈夫です。

数珠を忘れたときはどうする?

では、お葬式に数珠を忘れてしまった時はどうすれば良いのでしょうか。

貸し借りはダメ

数珠というのは、お守りや厄除けという役割も持っています。
本来1人1人がそれぞれ持つもので、貸し借りをするようなものではないと言われています。
数珠の本来の意味を知っている人は、数珠を借りている場面を見ると不愉快に思う人もいるかもしれません。
貸し借りはしないようにしましょう。

数珠はなくても大丈夫

本来、お葬式に数珠はなくても大丈夫なものですから、もし忘れてしまった場合はそのままお参りしても問題はありません。

斎場や近くのコンビニで買う

斎場や近くのコンビニで数珠を売っている場合もあります。
どうしても気になるようなら、チェックしてみましょう。

まとめ

以上、数珠について、どこで・どんなものを選べばよいのか、買うお店から使い方までご紹介してきました。
これから数珠を買おうと思っている人や、数珠について知りたいという人の参考になれば幸いです。

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