終活に関する情報を総まとめしているホームページです。お葬式や、相続、遺言、保険、エンディングノートなど終活にまつわる情報を網羅している終活情報を専門に発信していきます。

終活

終活アドバイザーの役割は相談相手!独学で取得はできる?

投稿日:2019年12月23日 更新日:

いざ終活を始めてみようと思っても、シニア世代の多くは保険や相続の問題、葬儀の準備などを前にして「なにから始めればいいかわからない」「情報が多すぎて困ってしまった」と壁にぶつかってしまうことでしょう。

そんな終活で迷っている人の相談相手として、いま終活アドバイザーが注目されています。

この記事では、終活アドバイザーとはどんな資格なのか、なにができる資格なのかといった情報をまとめ、解説していきます。

終活アドバイザーの取得について

終活アドバイザーとは、NPO法人ら・し・さが認定する民間資格です。国家資格ではないので、法的な権限をもつ資格ではありません。

終活アドバイザーを取得することで、エンディングノート作成のアドバイスや、専門家へのコーディネイトといった終活を進める人にとっての相談相手として活動できるようになります。

終活アドバイザーは自宅で独学での取得が可能

終活アドバイザーを取得するのに必要な条件はなく、だれでも取得することができます。

取得の方法としては、ユーキャンの終活アドバイザー講座を受講することで認定されます。

終活アドバイザー講座は通信制でなので、受講のために毎週どこかの会場へ通う必要はありません。

検定試験についても会場受験ではなく自宅で受験することができますので、取得まではすべて自宅で完結します。

検定試験に合格できたら、終活アドバイザー協会へ登録申請を行い、入会する必要があります。すると終活アドバイザーとして認定され、認定証が送られてきます。

資格習得までにかかる時間(標準学習期間)は4ヶ月となっており、この間に3回の添削課題をクリアし、検定試験に合格することで修了となります。

検定試験は60%以上の得点で合格となり、受講期間中であればなんどでも挑戦することができます。

終活はある程度の年齢を重ねた人が関心をもつ事柄ですから、仕事のせいで教室などへ通うのは難しいという不安を持っている方も少なくないでしょう。

その点で終活アドバイザーは、資格習得まですべて自宅で完結できるので人気を集めているようです。

終活アドバイザーを取得するまでにかかる費用

終活アドバイザー講座を取得するまでにかかる費用は、およそ45,000円です。

まず、ユーキャンへ支払う費用が一括払いの場合で35,000円、分割払い場合で2,980円×12ヶ月で35,760円となります。いずれも税込みで、送料は必要ありません。
費用にはテキスト3冊と副教材数点、指導費なども含まれています。

さらに、終活アドバイザー協会への入会金4,000円と年会費6,000円が必要となります。

終活アドバイザーが得られる特典

終活アドバイザーになると、以下のような特典が得られます。

  • 会員誌を購読できる
  • 「ら・し・さノート」を特別価格で購入できる
  • セミナーなどへ優待料金で参加できる
  • 終活アドバイザー協会の会員ページを閲覧できる

基本的には情報収集の面で有利に働く内容となっていますが、多くは有償特典です。

残念ながら、企業との提携によって「就職活動で有利になる」といった大きな特典はありません。

終活アドバイザー講座で学ぶこと

終活アドバイザー講座で学ぶことは多岐にわたります。そもそも終活とはなんなのかという基本から、葬儀やお墓、相続といった専門分野についても学びます。

  • 終活とは
  • 金融資産や不動産
  • 介護保険や年金
  • 高齢期の医療や介護
  • 葬儀やお墓
  • 成年後見制度や相続

高度に専門的な内容も含んでいますが、終活による身の回りの整理にはこうした知識も必要になるのです。

終活アドバイザーを取得することが多い職種

終活アドバイザーを取得するのは、なにも葬儀業界の人々だけではありません。
とくに以下のような業界で働く人々が取得することが多いようです。

  • 医療業界
  • 介護業界
  • 金融業界
  • 保険業界
  • 法律業界

共通する特徴としては、高齢者の方々と直接関わる仕事であることが挙げられるでしょう。

上でも紹介したとおり、終活の内容は多岐にわたります。法律業界の方々は遺言や相続については熟知しているでしょうが、お墓や介護のことについては専門外であることも多いでしょう。
介護業界の方々は医療について多少の心得はあるでしょうが、不動産や金融資産についての相談には答えにくいと思います。

このように終活にまつわる相談を受けるためには、とある道のプロであっても自分の専門外の分野について学ぶ必要があるのです。

終活アドバイザー以外の終活にまつわる資格

終活アドバイザーの同種の資格として、一般社団法人終活カウンセラー協会が認定する「終活カウンセラー」や、一般財団法人日本能力開発推進協会が認定する「終活ライフケアプランナー」などがあります。

いずれも国家資格ではなく民間資格であり、「どの資格が有利」といった上下関係はありません。

終活自体は資格をもっていないと携われないものではないので、「この資格を取得してほしい」と会社から要求されることもまずないでしょう。

終活アドバイザーの役割

終活アドバイザーは、終活を進める人にとっての相談相手として活動することになります。

終活アドバイザーを取得するためには相続や保険といった専門分野についても勉強する必要がありますが、資格を取得したからといって、法的な手続きが行えるようになるわけではないのです。

終活アドバイザーは民間資格であるため、国家資格のように実務を行える法的な権限を持たないからです。

では、具体的にどんな役割を担うものなのかというと、 以下に紹介する3点が代表例となります。

エンディングノート作成のアドバイス

終活アドバイザーになれば、エンディングノートの書き方のアドバイスができるようになります。

自身の人生の終盤に備えて、家族へのメッセージや万一のときに連絡してほしい人のリストなどを書き残すエンディングノート。

介護や葬儀、相続などについての自身の希望なども残すべき内容ですので、意外としっかりエンディングノートを書き記すのは難しいものです。

地域の会合の場やセミナーを開いたりして、エンディングノート作成のためのアドバイスを送る。 終活アドバイザーの重要な役割の一つです。

相談相手や手続きの付き添い

終活アドバイザーの主な役割は、終活に悩む人にとっての相談相手になることです。

終活に必要なことは多岐にわたり、一人ではなかなかスムーズに進めることができません。そんなとき、就活アドバイザーの豊富な知識が役に立つのです。

また、終活を進めていると、様々な場面で役所への届け出が必要となります。そうした煩雑な手続きに付き添い、サポートするのも大切な役割です。

専門家への仲介

終活アドバイザーの役割のひとつが、法律の専門家などへの仲介です。

すでに解説したとおり、終活アドバイザーは民間資格であるため、相続や遺言などの法的な手続きを担えるわけではありません。

終活にまつわる法律の絡む実務は、主に「士業」の方々が行うことになります。そのため、相談以上の実務が必要になった場合は、専門家へ引き継ぐ必要があるのです。

逆に言えば、終活アドバイザーを職業としたいのであれば、専門家とのコネクションが必要不可欠だということです。

こうした繋がりは、残念ながらテキストからでは学ぶことができず、講座を修了したからといって手に入るものでもありませんから、終活アドバイザーの質を分ける大きな要素といえるでしょう。

終活アドバイザー資格の必要性について

就活アドバイザーになって得られる特典や役割などについて解説してきましたが、補足的に必要性についても解説していきます。

終活アドバイザーを取得しない「プロ」もいる

終活アドバイザーの資格を持っていない人には、終活の相談をしないほうがよいのでしょうか。そんなことはありません。

重ね重ねとなりますが、終活アドバイザーはあくまでも民間資格であり、国家資格ではありません。

ですから、葬儀会社の「数十年、現場で働いている」という人でも終活アドバイザーの資格を持っていないという人はいます。

終活という言葉が生まれる前から葬儀業界にいるプロからすれば、わざわざ試験なんて受ける必要を感じないのでしょう。

そのため、実際の終活にまつわる現場でも、必ず取得を求められる資格ではありません。

相談した葬儀会社の担当者が終活アドバイザーの資格を持っていなくても、不安になるようなことはないといえるでしょう。

終活アドバイザーはビジネスに役立つ?

現在のところ、終活アドバイザーの資格自体がビジネスの場などで役立つことはあまりないでしょう。

就職活動の審査のうえでも、葬儀業界や介護業界などで注目してもらえる程度です。「資格を持っているなら評価はするけど、資格を持っているからといって必ず採用するものではない」というのが実際のところです。

しかし、終活アドバイザーとしての知識は、高齢者の方と接する機会が多い職種であれば様々な場面で役立つでしょう。

資格自体よりも、資格を取得するために勉強したことがビジネスに役立つというわけです。

まとめ

終活アドバイザーは自宅で独学でも取得できる資格であり、終活アドバイザー講座を通して終活にまつわる様々な知識を身につけることができます。

しかし国家資格ではなく民間資格であるため、相続や遺言といった専門業務を行えるようになるわけではありません。

そのため、現状では企業から取得を求められるほどの影響力はなく、就職活動で役立つといった場面もあまりないでしょう。

終活アドバイザーは、現在の勤め先で終活に悩む人と関わる機会が多い場合や、自身の終活を始める準備として、取得を目指すとよい資格といえるでしょう。

-終活
-

執筆者:

関連記事

遺族年金の受給資格のイメージ1

遺族年金の受給資格は?遺族基礎年金と遺族厚生年金

縁起でもありませんが、一家を支える大黒柱に万が一ということがあります。 一家を支える大黒柱である夫がいなくなってしまうことは、残された妻や子どもにとっては大きく深い悲しみになります。 悲しみと同時に経 …

50代の終活イメージ1

50代の終活は何をする?50代で始めるメリット・デメリット

かつての日本では、生きている間に亡くなる準備をすることは縁起が悪いとして忌避されていました。しかし現代ではむしろ残された人生を充実させるうえで、亡くなる準備、すなわち「終活」をすることはタブーではなく …

遺影の画像1

お葬式の遺影写真の条件と選び方は?生前での用意も解説

お葬式の一つの役割として、遺族や参列者が生前の故人を偲び、お見送りするということがあります。 故人を偲ぶにあたって一番目に付くのはやはり遺影ではないでしょうか。 故人の在りし日を思い出すにあたって重要 …

和室

エンディングノートは何を書く?子どもが助かる内容

エンディングノートとは、自分に万が一のことがあったとき、残された家族などが困らないよう、伝えるべきことを書き記しておくノートです。 エンディングノートを書くことで、自分の人生を振り返り、よりよく人生の …

公証役場とは?のイメージ1

遺言状の作成でお世話になる公証役場とは?

遺言状には公正証書遺言と自筆証書遺言がありますが、公正証書遺言を作成する場合は、公証役場に行き作成することになります。 この公証役場は普段の利用することはほとんどありませんし、人によっては一生の内一度 …