大切な人の葬儀には、さまざまな人が参列してくれるかと思います。
そんな中で供花や香典を頂いた後に、お礼の気持ちをお返しするのがマナーですが、弔電をもらった場合や、参列して貰った場合、更には供花を頂いた場合とそれぞれお礼の仕方が変わってきます。
また、相手が個人か、会社など複数の相手かにもよって違ってきますので、失礼のないようにお礼をしたいものです。
今回の記事では、お葬式でいただいた供花のお礼について解説します。
目次
■お返しをする時期はいつ?
・四十九日まで
・年末年始の場合
■お礼の方法(はがき、品物・のしなど)
・お礼状を贈る
└はがきは白と黒
・品物でお返しする
└品物の相場
└品物を用意するときの注意点
■会社にお礼を出す場合
・基本的には口頭でお礼をする
・お礼は誰にする?
お葬式に供花を出してもらったら御礼は必要?
供花をもらった場合には落ち着いてからお礼をするのがマナーです。
供花とはかつての香典と同じ意味があります。
ですので供花のお返しは、すなわち俗に言う香典返しとほぼ同義になります。
お礼の仕方には、方法が2種類あります。
ひとつは手紙を書いてお礼をする場合です。
もうひとつがお礼状と香典返しを渡す方法です。
手紙を書いて出すのは遠方に住んでいたり、やむを得ず葬儀に参加して頂けず、弔電を頂いた場合です。
葬儀に参列し、供花を贈ってくれた方には香典返しにお礼状を添えてお礼をしましょう。
また、昨今ではこれらに明確な決まりこそないものの、弔電のみの場合にはお礼状のみ、供花、供物、お花代などいただいたときには品物にお礼状をつけてお返しするという傾向にあるようです。
お返しをする時期はいつ?
香典返しは基本的に葬儀のあとに各参列者にされます。
お礼状のみに贈る場合と、香典返しの品を送る場合でもすこしルールが違います。
送る時期には気をつけましょう。
四十九日まで
基本的に香典返しを贈る場合は、四十九日の忌明けまでにお礼をするのがマナーとされています。
大抵の場合、葬儀が終わりすこし落ち着き始めた2週間から3週間の間にお礼をするのが一般的なようです。
またお礼状のみ送るばあいには1週間以内にお礼状を出すのがマナーとされています。
それ以外にも宗教でも若干の違いがあります。
神道の神式では50日目の五十日祭から1ヶ月以内とされているのに対しキリスト教のプロテスタントでは1ヶ月後の昇天記念日後とされています。
また同じキリスト教でもカトリックの場合は30日後の追悼ミサ後とされているなどの違いがあります。
年末年始の場合
供花のお礼をするときに注意しなければならないのは、年末年始に親族が亡くなった場合です。
年末年始はおめでたいとされる時期ですので、出来る限りはこの時期を避けるのが基本です。
目安としては三が日から1月7日の期間は避けるようにすると良いでしょう。
お礼の方法(はがき、品物・のしなど)
供花のお礼の方法には3種類あります。
それぞれのルールをしっかりと理解し失礼のないようにしましょう。
お礼状を贈る
遠方から供花を送ってくれた方や、弔電をくれた方にはお礼状を送り感謝の気持ちを伝えましょう。
また、相手方は供花がしっかりと届いただろうかと心配している可能性もあり、その確認の意味もあります。
以下はお礼状の例文です。
拝啓○○の候 |
皆様にはますますのご清栄のことと拝察申し上げます |
この度は 亡き父○○の葬儀に際しまして立派なご供花を賜りまことにありがとうございました |
謹んでお受けいたし 霊前に飾らせていただきました |
故人もさぞ喜んでいることかと存じます |
おかげさまをもちまして葬儀も滞りなく終えることが出来ました |
格別のご高配と生前の厚誼に重ねて厚く御礼申し上げます |
略儀ながら書中をもちまして御礼のご挨拶を申し上げます |
敬具 |
こういったお礼状では 句読点を使わないというルールがあります。
句読点には止めるという意味があるので、法事・法要などがスムーズに進むようにという意味が込められているためです。
また、「度々」「重ね重ね」などの繰り返しの言葉は使ってはならないとされています。
不幸を繰り返さないという意味が込められています。
実はこういった文化も比較的薄れてきており、仮に句読点をつけてもそこまで非常識と言われにくくなっていますが、世代によってはこれらのしきたりを重視する方も大勢いらっしゃいますので、しっかりと守って書きましょう。
はがきは白と黒
お礼状を出すには一般的に2つの注意点があります。
・手書きで書く
・黒やグレーの枠が入ったはがきを使う
昨今では印刷技術が発達し、年賀状をはじめとしたはがきは殆どの場合プリンターで手早く印刷してしまう傾向にあります。
しかしながら、供花のお礼に関してはしっかりと手書きで行うのがマナーとなっていますので注意が必要です。
ただし会葬礼状は印刷でも可とされているので、併せて注意しましょう。
また、使うはがきは黒やグレーの枠が入った専用のものが良いです。
葬儀社や、香典返しのカタログを扱っている会社でも扱っているので相談してみると良いでしょう。
品物でお返しする
葬儀に参列してくれた人たちには香典返しを贈ります。
香典返しは基本的に四十九日を過ぎた忌明け後に発送するのが一般的ですが、最近ではお通夜や葬儀の当日にお返し物をお渡しする当日返しという方法もあります。
これは一律同じ品物を参列者全員に配るもので、価格はさまざまです。
これを香典返しの価格に含むか、含まないかは各葬儀によって異なるようです。
これを香典返しに含む場合は、仮に頂いた額の半額程度の価値のものをお渡しできていれば、そのまま香典返しとします。
もし高額の香典を頂いていた場合は、頂いた額の半額との差額を四十九日明けに、再度発送します。
品物の相場
香典返しの相場は二つ説があり、ひとつは半返し、もうひとつは1/3返しといわれています。
この違いの由来はかつて関西の方面で1/3で香典返しを行っていた時期や地域が存在したことから由来していますが、現在では半返しが通説となっております。
しかしながら、そういった違いがあまり見られなくなっていますが地域差や各家庭の決まりがありますので、事前に目安を確認しておくほうがよいでしょう。
また、品物として一般的なのは後に残らない消えものと呼ばれる品物です。
主にお菓子やお茶といった食品、タオル・石鹸などの消耗品です。
食品でも殺生を連想させる肉や魚に加え、お酒などは控えるようにしましょう。
品物を用意するときの注意点
香典返しの価格は基本的に半返しから1/3返しとされています。
ただし、以下の場合はその限りでなく1/3返しや1/4返しでよいとされる場合もあります。
・一家の主がなくなってしまった場合
・未成年の子供がいる場合
・親族や身内から高額を受けた場合
また、当日渡しする場合の品物にはお礼の品にかけ紙がされます。
いわゆるのし紙ですが、のし紙は、表書きを「志」にするのが一般的とされています。
志には気持ちという意味が込められています。
また、この「のし紙」に書かれる言葉は地域によって違い、「粗供養」とすることがあります。
特に関西地方で多いようなので、判断に困ったら葬儀社に相談してみるのがよいでしょう。
会社にお礼を出す場合
お葬式では故人の勤めていた会社から供花を受けとることもあります。
この場合、会社や部署の名義で一同と記載されていたりして一見どのようにお返しをすればよいのか、更に誰にお返しをすればよいのか迷うこともあります。
会社にお返しをする場合にはどのようにすればよいのでしょうか。
基本的には口頭でお礼をする
会社など大人数相手に供花を受けお礼をする場合は、小分けしやすいお菓子を用意する方法もありますが、カタログを渡したりする方法も人気です。
しかし基本的に会社名義で供花をいただいた場合は口頭でも非礼にあたらないとされています。
もしお返しをしたい場合は通例どおり1/2から1/3の額を目安にお返しするとよいでしょう。
お礼は誰にする?
お礼をする際は直属の上司や手配にあたる総務担当者といった人にします。
その人の立場や、会社規模によっては部長や社長といった役職の人達にもお礼をしましょう。
タイミングとしては四十九日法要を待たず、葬儀を終えてから会社の初出社日がよいとされています。
また、お礼状を出す場合は注意が必要です。会社などの団体から送られてきた場合に、特定の人にだけお礼状を出すのは失礼にあたります。
しっかりと贈り漏れがないかどうかを確認するようにしましょう。
メールや電話でのお礼はNG?
最近では電話にあわせて、メールやメッセージツールの技術発展が目覚しいです。
ですが、基本的にメールや電話のみでのお礼はNGです。
供花のお礼は基本的に礼状とあわせて、品物を送るのがマナーとされています。
その前に一度電話でお礼をいれるのも忘れないようにしたいルールです。
電話のタイミングは、タイミングはお礼状と同様に葬儀が終わって一週間以内が良いとされています。
これには葬儀が無事終わったことを相手方に伝え安心して貰う意味合いもあります。
是非電話は忘れないようにしましょう。
供花のお礼をメールでする方法は基本的にはNGだと認識しましょう。
通常はお礼状を送付しなければなりません。
相手との人間関係にもよりますが、メールで行う場合のお礼は略式となり目上の人相手に行うことは限りなく好ましくありません。
なるべくならば避けるようにしましょう。
まとめ
供花におけるお返し(香典返し)にはさまざまなルールがありましたので、今一度、ここでおさらいをしていこうと思います。
まず、供花に対するお礼の必要性ですが、実は明確には決まっていません。
しかしながら大切な故人のために参列してくれたり、弔電や供花で供養してくださった人々へのマナーとしてお礼は必要なものです。
お礼の方法は、弔電か、参列か、供花によって方法が違います。
ポイントは以下のようになります。
・参列してくださって供花、お花代を下さった方にはお礼状にあわせて香典返しをするのが一般的
・お返しをするのは四十九日あけまでだが、年末年始は避ける
・品物の相場は頂いた額の1/2から1/3程度
・会社へのお礼をするときはメールは避けるようにする
以上のようなポイントをおさえて、しっかりと故人の関係者にお礼できるとよいでしょう。