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葬儀

寝ずの番って何?身内のお通夜・お葬式があったら

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寝ずの番の画像1

年齢を重ねていくと、公私問わずお通夜に出かける機会も増えてきます。
地域にもよりますが、お通夜の時に夜通し寝ずに線香やろうそくの番をする「寝ずの番」(夜とぎとも言います)をするということを聞いたことはありませんか?
耳にしたことはあっても、実際に「寝ずの番」はどんなことをするのか?誰がするのか?そもそも寝ずに番をする必要があるのか?などわからないことが多いと思います。

今回は、その「寝ずの番」(夜とぎ)についてご紹介します。

目次

■寝ずの番(夜とぎ)とは
・どうしてお通夜(仮通夜・本通夜)をするのか
・寝ずの番は火を絶やさないようにする仕事
・寝ずの番は誰がやるのか
・寝ずの番は寝てはいけないのか
・ろうそくや線香の交換方法や替え時
・服装は楽な格好でOK、でもお寺では注意

■寝ずの番で使う渦巻線香とは

■線香やろうそくの火を絶やしてしまったけど大丈夫?

■まとめ

寝ずの番(夜とぎ)とは

なぜ、お通夜では寝ずの番が必要なのでしょうか。

お通夜とは「夜を通じて」と書きます。
近親者が故人の枕元で「夜通し交代しながら寝ずに見守った」ことがお通夜の由来と言われ、「夜通し」が転じて「お通夜」となりました。
この枕元で夜通し交代しながら寝ずに見守ることを「寝ずの番」、または「夜とぎ」と言います。

どうしてお通夜(仮通夜・本通夜)をするのか

現代では考えられませんが、医学の発達していなかった時代は「本当に故人が亡くなっているのかを夜を通して確認する」必要がありました。

それは、出棺までの間に故人が生き返る事があるからです。
蘇生の見込みがないことは時間の経過によって判断するしかありませんでした。
お通夜が終わって朝になっても息がなく蘇生不可能と判断されたら埋葬を行っていたのです。
そのため、夜通し見守ることが必要だったのです。

ところで、お通夜には「仮通夜」と「本通夜」があるのをご存知ですか?
「仮通夜」とは、亡くなったその日の夜に、家族や近親者だけで故人と一緒に過ごす通夜のことを言います。
亡くなったその日に、取り急ぎ駆けつけられる方だけで仮通夜を行うのです。

また仮通夜は本通夜とは違い、亡くなった故人の体に邪霊が寄りつかないよう近しい者で遺体を見守るという意味や、家族や近親者だけで故人を偲びゆっくりと過ごす時間でもあります。

「本通夜」とは、葬儀式前日の前夜祭と考えるとわかりやすいと思います。
仮通夜に駆けつけられなかった方々もこの日には訪れ、仮通夜より規模も大きくなり大勢の方に明日のお別れを惜しむ日とされています。
本来なら、葬儀や告別式が正式な日で、この日に大勢の方に来ていただくものでしたが、現代では、仕事の事情などで葬儀や告別式ではなく本通夜の日に訪れる方が多くなっています。

寝ずの番は火を絶やさないようにする仕事

お通夜は、「遺族が夜通し寝ずの番をして故人を偲びながら線香やろうそくの火を絶やさないようするもの」とされていました。
もともと、線香やろうそくを夜通し灯すという習慣は、「亡くなられた方の体に虫が近付かぬよう煙をたき、野犬などが寄ってこないよう火を灯し続けた」ことが由来です。

線香の火には魔除けや場を清浄に保つという意味と、亡くなった方から出る臭いを紛らわせるという役目もありました。

また線香は、お香を線状に作ったものですから、「お香を贈ることは徳を積む」という意味もあります。
「線香が途中で消えると亡くなった人が天に昇れず苦しむ」「ロウソクの火が途中で消えると亡くなった人が迷う」という話もよく聞きますが、これについては仏教を確かな根拠とするものではないようです。

現代は、亡くなれた方の体には防腐処置が施されますし、空調の効いた清潔な屋内に安置されるため虫や野犬が近付く心配もありません。
ですから、誰かが夜通し起きて線香やろうそくの番をしなければいけないという理由はなくなったのです。

斎場によっては、宿泊そのものを禁止し、施錠して遺族も自宅に帰ってもらうというところもあります。
さらに、斎場でお通夜を行なう場合には、宿泊はできても消防庁の指導で午後9時以降は火は一切使えないところが多くなっているので、線香やローソクに火を灯すことはできません。
そのような事情もあり、斎場でお通夜を行う場合は、寝ずの番をしない(できない)ことが多くなりました。

寝ずの番は誰がやるのか

基本的には、故人の家族(遺族)や故人に近い親族などの近親者が寝ずの番をします。
斎場でお通夜をする場合は、寝ずの番をしない(できない)ことが多くなりましたし、寝ずの番をしなければいけない理由もないことはすでにご紹介しました。
しかし、地域によっては、自宅などでお通夜をする場合などは寝ず番をすることもあります。

近親者以外の方は、お通夜が終われば帰ってしまいますので、当然、寝ずの番は近親者に回ってくることになります。
寝ずの番は孫がするものといったことを耳にすることもありますが、特に誰がしなければいけないといった決まりはありません。

寝ずの番は寝てはいけないのか

寝ずの番をすることになった場合、ひと晩寝ずにずっと線香やろうそくが消えないよう起きて見守らなければいけないのか?というと、そんなことはありません。
「故人の近親者が、何が何でも徹夜をしなければいけないことはないので、お通夜の晩でも、線香やロウソクを気にせずにゆっくり休んでください」というお坊さんもいます。
とは言いながら、線香やろうそくに火を灯したままでは火災の心配がありますからそのままにしておくこともできません。

そんな時は、長い線香や蚊取り線香のような丸い線香(渦巻線香)を使います。
長い線香は最長約7時間、渦巻線香は最長約12時間火が消えることはありません。

そのため、時々線香の様子を確認すれば良いので、その間眠ることができ体を休めることもできますし、火が消えることを心配する必要もなくなります。
また、誰も寝ずの番をする人がいない時は、火災を防ぐために電気蝋燭を使い、線香やろうそくの火は消しておいてもかまいません。

ろうそくや線香の交換方法や替え時

線香やのろうそくのあげ方・消し方には作法があります。
仏壇や墓前でも作法は同じなので覚えておくと良いでしょう。

まずは、そうそくについてご紹介します。
ろうそくをつける時は、マッチか仏壇用の火付けを使います。その際、たばこ専用ライターは短くて危ないので出来るだけ大型の着火ライターを使用しましょう。
そうそくを消す時は、手であおいだ風か仏壇用の火消しをろうそくに被せて火を消します。
仏教では人間の息は「不浄」「穢れ」とされていますので、息を吹きかけて消してはいけません。

次に、線香についてご紹介します。
先にろうそくに火をつけ、そのろうそくの火で線香に火を付けます。
線香を長く火に当てていると炎が出る場合がありますので、その時は、軽く線香を手であおぎ、炎が落ち着いてからあげるようにしましょう。
葬式での線香は、あの世への道しるべとなるものなので「1本だけ」立てるものと聞くこともありますが、これは宗教や宗派によって異なります。
実際に寝ずの番をする時は、いつ・どのタイミングで線香やろうそくを替えたら良いのか悩みますよね?
最近は、長く煙の出る線香が多く使われますので、時々様子を見て残り少なくなった時点で、この作法に従って交換するようにしましょう。

服装は楽な格好でOK、でもお寺では注意

通夜振る舞いが終わったら リラックスできる服に着替えるようにしましょう。
泊まるのは近親者だけですから周りの人に気を遣う必要もありません。
寝ずの番をする場合でも楽な服装で大丈夫です。中には、上下スウェットを着る人もいます。
また、子供が一緒に泊まる場合は、子供はパジャマや部屋着でかまいません。子供のパジャマを非難する人もいないでしょう。

ただし、お寺の場合は注意が必要です。
お寺によっては、明るめの色や目立つロゴ入りの服装を禁じているところもあるからです。
わからない場合や心配な場合は、通夜前日までに直接お寺の住職さんにしっかり確認しておきましょう。

寝ずの番で使う渦巻線香とは

通夜の寝ずの番の時に長い時間火を灯しておける線香として、渦巻線香があることはご紹介しました。
ここでは、その渦巻線香について少し詳しくご紹介します。

渦巻き線香とは、渦巻き状に成形された線香のことをいいます。
皆さんなじみのある蚊取り線香のような形です。

もともとは関西の方でよく使われていましたが、現在は全国の広い範囲で一般的に使われるようになりました。
お通夜など、なるべく煙を絶やしたくないという時にによく使われます。

一般的な線香はひご状で燃焼時間が短いため線香の煙はすぐに消えてしまいます。
そのため、長い時間線香を焚き続けるには親族が付きっきりで番をしなければいけません。
ただでさえ心身ともに疲労している中、夜中もお線香を絶やさないように番をするのは大変です。

そのようなことから、なるべく長持ちして比較的安全なように作られたのが渦巻線香です。
長い時間、比較的安全に煙を絶やさずに済みますので遺族や親族がゆっくり休める時間を作ってくれます。

渦巻線香には、「つり下げ型」と「置き型」があります。
つり下げ型の渦巻き線香は、専用のつり台に糸を引っ掛けて使います。
渦巻き線香の本体に付いた糸をつり台の糸掛け部分に引っ掛け、線香の端に火をつけます。
湿気が多い時期は垂れ下がってしまい、灰受け皿に触れたり途中で折れたりすることもあるので気を付けなければいけません。

置き型の渦巻き線香の場合は、陶器や金属のお香立てを使います。
線香の端に火をつけた後、お香立ての頂点に線香の中心部が乗るように置きます。
置き型の渦巻き線香は、つり下げ型の渦巻線香の欠点をカバーし、つり下げ型のように途中で折れたり消えたりするといった心配が少なく安心です。

線香やろうそくの火を絶やしてしまったけど大丈夫?

お通夜で寝ずの番をしなければいけない理由がないことや線香やろうそくをずっとつけておかなくても良いことはすでにご紹介しましたが、それでも寝ずの番をしている時は、もし線香やろうそくが消えてしまったらと気になってしまうでしょう。

もし、線香やろうそくの火を絶やしてしまったとしてもすでにご紹介したとおり心配することはありません。
また、線香やロウソクの火が消えたからといって故人が成仏出来ないという教義の宗派は、聞いた事もありません。

もし、線香やろうそくの火を絶やしてしまったら、さきほどご紹介した線香やろうそくの作法に従って、また火を灯してください。

まとめ

最近は、寝ずの番をしない(できない)ことが多くなったため、寝ずの番について困ることはあまりないと思います。
しかし、なぜ寝ずの番をする必要があったのか、もし、寝ずの番をすることになった場合はどうしたら良いのか困った時はこの記事を参考にしてみてください。
以上、お通夜のこと、寝ずの番のことについてご紹介しました。

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