終活に関する情報を総まとめしているホームページです。お葬式や、相続、遺言、保険、エンディングノートなど終活にまつわる情報を網羅している終活情報を専門に発信していきます。

葬儀 終活

諸手続きから葬儀、遺品整理まで頼める「死後事務委任契約」とは?

投稿日:2017年5月16日 更新日:

夕日

人が亡くなると、役所への手続きや葬儀・埋葬、遺品整理や各種契約の解約・清算、遺産相続手続きなど、さまざまな手続きがあります。通常、これらは家族や親族が無償で行ってくれるのですが、身近に頼れる人がいない場合はどうなるのでしょうか。

例えば、任意後見契約を結んだ場合、自分が認知症になったときに財産の管理や介護サービスや医療を受けるための契約を代理してもらうことができます。しかし、自分が死んだ時点で契約が終了するため、死後の手続きについては依頼することができません。

介護サービスや委任契約(財産管理等委任契約)も同様で、生きている間だけのことです。

あるいは、遺言書を書いたとしても、遺言書が法的効力を持つのは財産の分与・処分の方法だけです。それ以外の事項については、単なるお願いということになり、必ずしも実現するとは限らないのです。

また、遺言書が開封されるのは葬儀が終わってひと段落したころ、あるいは四十九日が終わってからというのが一般的です。遺言書に葬儀や埋葬に関する希望を書いていても、実際には間に合わないことが多いのです。

そのような時に有効なのが「死後事務委任契約」です。特に一人暮らしの高齢者が増えている中で、死後事務契約が注目されるようになっています。

死後事務委任契約とは?

死後事務委任契約とは、公共料金の契約解除などの手続きや葬儀、埋葬など自分が亡くなった後の事務を委託し、代理権を与える委任契約です。

契約ですから、委任者から委託された受任者は、その内容を実行しなければなりません。一方的なお願いとなる遺言や遺書と違い、安心して任せることができるのです。

依頼する相手は誰でもかまいません。信頼できる友人や知人でもいいですし、司法書士や弁護士に依頼することもできます。

委任する事務はどのようなものがあるか?

死後事務の内容には次のようなものがあります。死亡した直後から葬儀、埋葬までの内容がほぼ網羅されていることがわかると思います。これらの中から必要な事項を選択して契約するのが一般的です。

  • 御遺体の引き取り
  • 役所での諸手続き(火葬許可証の申請など)
  • 健康保険・年金の資格抹消申請、運転免許証の返納
  • 病院・介護施設等の清算手続き
  • 葬儀に関する手続き
  • 埋葬に関する手続き
  • 住居引越し手続き
  • 勤務先企業の退職手続き
  • 住居内の遺品整理
  • 公共料金解約清算の手続き
  • 住民税・固定資産税の納税手続き
  • SNSやメールアカウントなどの削除
  • 関係者への死亡通知

なお、「死亡届」については届け出ができる人が以下のように法律で限定されています。
委任を依頼する相手が下記のいずれかの人でなければ、死後事務委任契約で死亡届の届け出は請け負えません。

・同居の親族
・その他の同居者
・家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人
・同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人及び任意後見人

死後事務委任契約の注意点

委任者に親族がいる場合、例えば葬儀や埋葬について親族の意向と異なるとトラブルになる可能性があります。死後事務委任契約を結ぶ際には、事前に親族と話をしておく必要があるでしょう。

また、死後事務委任契約で委託できるのは「事務手続き」です。相続人や受遺者への遺品・相続財産の引継事務は行えますが、相続の内容に関与することはできません。財産を誰に譲るかといった内容は遺言書に書きます。

死後事務委任契約は書面に契約内容を記載し、委任者と受任者がそれぞれ署名捺印することで成立します。できれば公正証書にしたほうが安心でしょう。

また、任意後見契約や財産管理委任契約、見守り契約と合わせて契約することで、生前のサポートから死亡後の手続きまで切れ目なく任せることが可能になり、より安心して任せることができるでしょう。

-葬儀, 終活

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

介護オムツの画像1

そろそろ介護オムツの出番?選び方や使い方を解説

「自宅が、なんだかおしっこ臭い気がする。」と思った経験ありませんか? 原因は排泄の失敗であることが多いです。持病によっては尿の臭いも独特なことがありますよね。 介護をしていると、必ずといっていいほどぶ …

介護

成年後見制度とは?対象者は誰?簡単に解説します

「成年後見制度」という言葉を聞くことが増えてきました。とはいえ、まだまだ一般にはどういうものか理解されてないのではないでしょうか。 成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害の方など判断能力の十分でな …

人気のエンディングノートのイメージ1

【2020年最新版】エンディングノート人気おすすめランキング10選

「終活」という言葉が広まると同時に、「エンディングノート」の存在も広く知られるようになりました。 「終活」とは、人生のエンディングに向けてこれまでを振り返ったり、死後の準備をすることを言います。内容は …

補助人のイメージ1

成年後見制度における「補助人」とは?

成年後見制度は判断能力が無くなった方が、自分の権利を守るために活用する制度です。 判断能力が無くなったとしても後見人がつくことによって、自分の処遇を適切に判断をしてもらい権利を守ることが出来るのです。 …

お葬式の流れの画像1

葬儀・葬式の流れと日程は?スケジュール進行とマナー

人が亡くなるのは急でも、家族であればしなければならないことが多くあります。 また、お葬式の準備などは一生のうちに何回もすることではないので、慣れているという人も少ないでしょう。家族が亡くなることを考え …