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遺品・生前整理

断捨離をする意味―快適な高齢者ライフを送るために

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断捨離の意味のイメージ1

「断捨離」という言葉を聞いてイメージされるのは、「持ち物をたくさん捨てる」といったようなことではないでしょうか。

しかし、「断捨離」は単に物を捨てることではありません。
断捨離をしたいと考えている方は、まず断捨離の心構えから知る必要があります。

今回の記事では、断捨離の意味を解説します。

断捨離とは

それでは、ずばり断捨離の意味について解説します。

断捨離の意味

断捨離とは、やましたひでこさんの著作「新・片づけ術『断捨離』」により提案された、「不要な物を減らし、生活に調和をもたらす」ことです。
持っているものを捨てて減らすことだけが強調されがちですが、自分にとって必要なものを見極めることを断捨離といいます。

断捨離は仏教由来の言葉

 断捨離は仏教の「断行」、「捨行」、「離行」にルーツがあります。
「断行」は入ってくるものを断ち切る・欲望を断ち切る・習慣を断ち切る3つの意味を含んでいます。

仏教では人間には108つの煩悩(自分を苦しめ悩ませる心)をもっているとされ、そのなかでも人間を最も苦しめ、悩ませる煩悩を、「三毒の煩悩(さんどくのぼんのう)」といいます。
欲の心の「貪欲(とんよく)」、怒りの心の「瞋恚(しんい)」、恨みや妬みの心の「愚痴(ぐち)」の三つが「三毒の煩悩」です。

人間を苦しめる悪い習慣、欲望を捨て去ることで、迷いなく安らかに生きることが断捨離の本当の意味です。

終活で断捨離をする効果

終活で断捨離をするのは遺品整理の負担を減らすためと考えがちですが、自分がこの世を去るまでの暮らしが安全で快適になる効果があります。

余分な出費を抑えられる

自分が何をどれくらい持っているか把握できれば、余分な買い物をしなくてすみます。 日用品のストックが見つからないから買い足す、増えたものの置く場所がないから収納グッズを買うなど少額の出費がかさんでいきます。

バーゲンだからと安い値段につられて買い物をすれば、着ない洋服や使わないバッグなどが増え続けます。 安売りの日に日用品のストックを買っても、どこに置いたかわからなければ、買いたすことになります。

バーゲンで買ったものを収納グッズを買って整理整頓をしようと考えますが、収納グッズの使い方がわからなければ、ただの場所ふさぎになります。
どこに何があるのかわからない状態が続けば、あるものをさらに買い足しつづけるので出費がかさみつづけます。

そして自分が何を持っているかわからなければ、値段を理由に買い物を続けてさらに出費がかさむことになります。 

掃除がしやすい

 部屋に物が少なければ、掃除は簡単にできます。

掃除機をかけて床をふくのは、物が少なければ毎日できます。
歳を重ねると気力体力は落ちる一方です。気力体力が落ちた状態で、ものがあふれかえった部屋の掃除はできません。

掃除するためにものをどかすのに労力を使い、やっと掃除機をかけられるスペースを作ったときは疲れ果てています。 休憩しても気力体力はなかなか回復しないので、掃除できずに終わります。

ゴミを捨てるにも分別に労力を使います。自治体の家庭ゴミ収集日は決まっていますし、ゴミの分別も細かく決めてあります。 必要なものとそうでないものを分けた後にも、ゴミを捨てるために分別しなければなりません。さらに自分でゴミ集積所までゴミ袋を持っていかなければなりません。  

ゴミの分別がおっくうになると捨てられないものが増えて、掃除ができなくなる悪循環が出来上がります。 

安全で清潔に生活できる

 家にものが少なければ、つまづいたり転ぶ危険が少なくなります。掃除がしやすいので、衛生的な生活ができます。もしつまづいて転んだとしても、ものにぶつかったり、崩れたものでケガをする危険も少なくなります。

歳を重ねると転ぶだけでなく、骨折をしやすくなります。 捨てるゴミが少なければ、ゴミ集積所まで重いゴミをもってかなくていいので腰や膝の負担が少なくなります。天気が悪ければ、足元が悪い中ゴミ集積所に行く途中で転ぶ可能性もあります。

ものが多くて掃除ができなければカビやほこりだけでなく臭いもでてくるので、不衛生で不健康な生活を送ることになります。

遺品整理がスムースに行える

 生前に断捨離しておくと他界した後、残された家族や知人が遺品整理をする負担が減ります。今持っているものの処分の仕方をリストにして残しておけば、さらに遺品整理はスムースにできます。

ものが多いまま他界すると、残された家族は何を手元に残していいのかわかりません。遺品整理の業者に金額の見積もりなどの手続きや処分するものの分別をを、お葬式の終わって疲れた家族がしなければなりません。

なぜモノが増えるのか・捨てられないのか

「必要なものだけで広いスペースで暮らす」と考えなければ、ものは増え続けて捨てられません。「スペースはものを置く場所」と考えているので、空いた場所があればものを増やし続けます。

自分が本当にほしいもの・必要なものが何かがわからないから、消費をあおるメディアにのせられて使わないものを買ってしまいます。
無料とお得感があるからサンプルをもらいます。その結果どこに何があるかわからないくらい、使わないものが増えていきます。

「もったいない」「いつか使うかもしれない」という気持ちも、ものが増える原因です。 いつか使うから、と思い続けて使わないものが増えていきます。

今すぐ実践できる!断捨離のやり方

それでは、断捨離の方法について解説します。

「断捨離」の考え方を身につける

 やましたひでこさんの提案された、「断捨離とは不要な物を減らし、生活に調和をもたらすこと」を覚えましょう。
ボードなど断捨離の意味を書いて目に付くところにおけば、自然と断捨離の意味を覚えます。断捨離はただ物を捨てることではありません。

考えなく物を捨てていると必要な物まで捨ててしまい、買い足すことでまたものが増えていきます。 

ものを仕分ける

衣類、アクセサリー、鞄、本、食器、家具など家にあるものを分類します。
分類が細かすぎると、分類することが目的になるので最初は大まかに分類しておきます。

ものを処分するルールを決める

「今使っているもの・今使っていないもの」など、ものを処分するルールを決めます。そして「使えるか・使えないか」「いつか使うかもしれない」という考えを捨てます。

「使えるか・使えないか」で考えると、「今使ってなくてもいつか使うかも知れない」と考えてものを処分できなくなります。
特に衣類は若いころに着ていたものや体形の変化で着られなくなったものがたまりやすいです。「今の自分が来ている衣類」を基準にして分別しましょう。

必要ないと即決したものから処分する

分別した「今使ってないもの」は、直ちに処分しましょう。捨てる・ゆずる・寄付する・フリマに出品など、処分する方法は何でも構いません。

処分するのに迷うものが出てきたときは「保留箱」を設置して、一時的に入れておきます。
一定期間使わなければ、必要ないものとして処分します。

断捨離で後悔しないための8つのコツ

断捨離がうまくいくための8つのコツを紹介します!

日用品のストックの数と場所を決める

トイレットペーパー、洗剤などの消耗品や日用品は、ストックする場所と数を決めておきます。 「売り出しで安いから」と買いだめしておくと、ストックの置き場所が必要になります。
ストックがわからなければまた買い足すことになり、ものが増えていく原因になります。

サンプルをもらわない

サンプルをすすめられたら、「いりません」と断りましょう。化粧品などのサンプルはもらっても使わないことがほとんどです。

自分がいつも使っているものを優先して使うので、「いつか使おう」と思っていても忘れてしまいます。
そして使ってないサンプルが詰まった引き出しが増え続けます。

請求書・領収書類は電子メールで受け取る

請求書・領収書類を電子メールで受け取ると、紙のごみが少なくなります。 郵送での受け取りは、「後で見るから」ととっておくので封筒の山が出来上がります。 重なった請求書・領収書類を見るのはおっくうになるので、場所ふさぎになります。

請求書・領収書類を電子メールで受け取ると、紙のごみが少なくなります。
郵送での受け取りは、「後で見るから」ととっておくので封筒の山が出来上がります。

重なった請求書・領収書類を見るのはおっくうになるので、場所ふさぎになります。

不要な物は買わない

買うことが習慣になっている現代ですから不要なものを買うことで、無意識のうちにものを増やし続けています。 激安店や100円ショップに入ると、つい安いからと不要なものでも買ってしまいます。 ものを買う前に自分の持っているものを見直して、本当に買わなければならないものは何か吟味してみましょう。

買うことが習慣になっている現代ですから不要なものを買うことで、無意識のうちにものを増やし続けています。
激安店や100円ショップに入ると、つい安いからと不要なものでも買ってしまいます。
ものを買う前に自分の持っているものを見直して、本当に買わなければならないものは何か吟味してみましょう。

必要かどうか迷うものは箱に入れて1年待ってから判断する

食器や衣類などこれから使うかどうか迷うものは、「保留箱」にいれて1年おいておきます。1年間1度も使わなければ、必要ないものとして処分します。 その場で即決して捨ててしまって後悔することもなくなりますし、必要かどうか迷ったまま手元に残り続けることもなくなります。

食器や衣類などこれから使うかどうか迷うものは、「保留箱」にいれて1年おいておきます。
1年間1度も使わなければ、必要ないものとして処分します。

その場で即決して捨ててしまって後悔することもなくなりますし、必要かどうか迷ったまま手元に残り続けることもなくなります。

不用品回収業者を利用する

不用品回収業者を利用すれば、ゴミを分別する労力もゴミ集積所に持っていく労力も必要ありません。捨てるものがどれくらいあるか見積もりをしてもらって、自宅まで回収に来てくれます。 ゴミ収集日や大型ゴミの手続きなどをしていたら、一気にゴミを処分できないのでまたものが増え続ける悪循環になります。

不用品回収業者を利用すれば、ゴミを分別する労力もゴミ集積所に持っていく労力も必要ありません。
捨てるものがどれくらいあるか見積もりをしてもらって、自宅まで回収に来てくれます。

ゴミ収集日や大型ゴミの手続きなどをしていたら、一気にゴミを処分できないのでまたものが増え続ける悪循環になります。

ものを減らすことを目的にしない

断捨離の目的は「迷いなく安らかに生きること」で、ものを減らすことではありません。 必要かそうでないか判断があいまいなままものを捨てていくと、かえって不便な生活になります。 そして不便と感じてものを買い足していくことで、またものがあふれた生活に逆戻りになります。

断捨離の目的は「迷いなく安らかに生きること」で、ものを減らすことではありません。 必要かそうでないか判断があいまいなままものを捨てていくと、かえって不便な生活になります。

そして不便と感じてものを買い足していくことで、またものがあふれた生活に逆戻りになります。

趣味やコレクションを断捨離の対象にしない

趣味やコレクションは、自分の心を豊かに楽しませてくれるものです。本当に大切なものは捨てる必要はありません。それを減らしたいなら十分吟味して整理しましょう。 勢いで捨ててしまった後は、二度と戻ってきません。同じものを手に入れられたとしても、以前持っていたものとは違います。

趣味やコレクションは、自分の心を豊かに楽しませてくれるものです。本当に大切なものは捨てる必要はありません。
それを減らしたいなら十分吟味して整理しましょう。

勢いで捨ててしまった後は、二度と戻ってきません。同じものを手に入れられたとしても、以前持っていたものとは違います。

まとめ

ものを減らして安全快適に暮らすために、気力・体力があるうちに断捨離をしておきましょう。
終活の断捨離はこの世から去るためにするのではなく、高齢者ライフを快適に送る効果もあります。

ものを管理できる範囲は歳を重ねると狭くなります。気力・判断力も落ちますから、必要なものとそうでない者の区別がつきにくくなります。
不用品整理は体力・労力を使いますから、歳を重ねるとともに難しくなっていきます。

 断捨離をしてすっきりした部屋で、安全・快適で衛生的に暮らしましょう。

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