出棺の際に、故人が寂しくないようにと、故人が愛用していたものや好きだった食べものなどを棺の中に入れます。
これを副葬品と言いますが、実は、棺に入れてはいけないもの、入れた方がいいものなどがあることをご存知ですか。
棺に入れてはいけないものでも、火葬場のルールで棺に入れることを禁止されているものと、禁止はされてはいないが、副葬品にしない方がよいものがあります。
火葬で棺に入れることが禁止されているもの
火葬場のルールとして棺に中に入れてはいけないものは、主に次の3つの恐れがあるものです。
・火葬炉など設備の故障につながる恐れがあるもの
・環境汚染につながる恐れがあるもの
・不完全燃焼の原因になる恐れがあるもの
具体的にこれは禁止というものは、それぞれの火葬場によっても多少異なりますが、以下のようなものが副葬品として禁止されています。
ガラス、金属、陶器などの不燃物
これらは、火葬後に燃え残ってしまい、収骨の邪魔となってしまいます。
また、高温によって溶けることがあり、遺骨に付着したり、遺骨を変色させたりする恐れもあります。
缶詰、蓋付きの瓶、ボトルなどの密閉容器
密閉されているものは、爆発してご遺体や火葬炉の内部を損傷させる恐れがあります。
空気が抜けないボールなども破裂する恐れがあるので、野球ボールなども禁止です。
また、当然ながら、スプレー缶やライター、化学薬品等の爆発する危険性があるものも禁止されています。
副葬品にしない方がいいもの
燃えるものであっても、棺には入れない方がいいとされている品物があります。
厚みのある書籍・衣類・布団
厚みがあると、燃えるのに時間がかかり、火葬の時間が長くなってしまいます。
また、大量の灰が出て、収骨の障害にもなります。
書籍を副葬品とする時は、数ページを破って入れるようにしましょう。
果物類
食べ物自体は副葬品として禁止されていません。
しかし、特に円形で水分の多いメロン、スイカ、オレンジといった果物類は、燃焼の妨げとなり、火葬に時間がかかります。
果物類を副葬品とする時は、小さく切り分けて量を少なくして入れましょう。
生きている人の写真
生きている人の写真は、あの世に連れて行かれるという迷信があります。信じないにしても、参列者の中には不快な思いをする人もいるかもしれません。
亡くなった人の写真はOKです。また、あの世に呼ばれるのは人間だけとされているので、ペットの写真は生きていても問題ありません。
副葬品にしない方がいいものであっても、火葬や収骨の障害にならない程度であれば、一緒に火葬することができるので、葬儀社の人に問い合わせると良いでしょう。
副葬品として入れた方がいいもの
副葬品として入れてはいけないものがある一方、入れた方がいいものもあります。
好物の食べ物や普段着、靴などの定番以外に、次のようなものがあります。
管理・処分に困る物
故人が残した手作りのもので、それを見ると思い出して辛くなるもの。着物など手入れが大変な衣類。後で処分する際に供養などが必要になる人形、ぬいぐるみ、絵本、写経本など、後々、管理や処分が大変になるものは、なるべく入れてしまいましょう。
故人への手紙
故人へ手紙を書いて入れるのは、良かったという人が多いです。
手紙を書くことで、自分の気持ちを落ち着かせてお別れすることができます。
また、生前は伝えられなかったことなども伝えることができ、自分や家族の心の安定にも繋がる効果があるようです。