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遺品・生前整理

遺品整理はいつからする?おすすめの時期を紹介

投稿日:

自分の親が亡くなった場合、いつまでもその思い出を残しておきたいので、なかなか遺品整理に手を付けられないということがよくあります。
あるいは遺品が膨大なので、どこから手を付けてよいのかわからず、作業できない場合もあるでしょう。

しかし、親の遺品はいつかは整理しなければならないものですし、何より遺品の中に重要なものがある場合もありますから、それらを見つけておく必要もあります。

ですから、遺品整理は何かのタイミングで、それも早いうちにした方がよいのです。

今回の記事では、親の遺品整理はいつからしたらよいのか、という点について解説します。

目次

■親の遺品整理はいつから始める?
・四十九日を迎えた後
・諸手続き完了後
・親が賃貸に住んでいた場合は葬儀後すぐ
・遺品整理の時期は葬儀からの期間で考えず、気持ちの整理がついた時に

■形見分けはいつする?
・形見分けを行う時期
・形見分けで気を付けたい4つのポイント
└1.贈与税がかかるか把握しておく
└2.遺産分割を完了しておく
└3.無理に形見を押し付けない
└4.人に形見分けをする場合に包装をしない

■遺品の片づけに手を付けられないときは
・業者に頼むメリット
・業者に頼むデメリット
・遺品整理業者の費用

■遺品整理に着手する前に確認すること
・相続や手続きに必要な書類を捜索する
・遺言書やエンディングノートなど故人の遺志を示す書類
・遺族に合意をとっておく
・遺品整理は計画を立ててから行う

■遺品整理はどこから手を付ければいい?
・最初に片付ける場所を決める
・すべての遺品をいったん出す
・遺品を3つに分類する
・不要なものはできるだけ早く捨てる
・収納は既存のもので

■まとめ

親の遺品整理はいつから始める?

遺品整理はいつからの画像3
まず一般的な遺品整理の時期とタイミングについてです。

四十九日を迎えた後

日本における仏教の習俗上は、故人の霊魂は死後四十九日間はまだ現世に残っています。
それが無事に極楽に行けるのは、四十九日め以降です。
ですから親の霊魂が無事に次の世へ旅立った四十九日法要を目安に遺品整理を行うのが最も妥当です。

特に遺品整理の中でも貴重品や高価な品の整理の判断は自分1人ではできない場合も多いので、遺族が多く集まる四十九日の法要に合わせて形見分けをしてしまえば、後に遺品にまつわる親族間のトラブルが発生することを防げます。

諸手続き完了後

人が亡くなると役所関係や、金融関係、財産関係などの多くの手続きする必要があります。
たとえば死亡届に始まって、電気、水道、ガスの残債の支払い、携帯電話などの契約の解除、公的年金の手続き、保険金などの支払い依頼の手続き、財産分与の手続きなど多岐にわたます。したがってその間はとても遺品整理にまで手を付けることはできません。

ですから、それらの手続きが一通り終わって、手が空いた時に、故人の思い出をゆっくり回顧しながら、遺品整理をするのが焦らずできるタイミングです。

親が賃貸に住んでいた場合は葬儀後すぐ

故人が賃貸住宅に住んでいた場合は、契約の問題が発生するので、葬儀後すぐに遺品整理をするしかありません。
また親族、遺族の多くが遠方に住んでいて、四十九日の法要を含め、葬儀後に集まることが難しそうな場合も、葬儀後すぐに遺品整理をした方がよいでしょう。

遺品整理の時期は葬儀からの期間で考えず、気持ちの整理がついた時に

ただし、そのような切迫した事情がない限り、遺品整理を行う時期としてもっともよいのは、葬儀後の何日目などの決め事ではなく、故人に対する自分の気持ちの整理がついたタイミングです。
もちろん効率的に行おうとすれば、四十九日の法要などに合わせるのがベストですが、そうなると自分の気持ちが置き去りになってしまう可能性もあります。
それは後々まで自分の心にしこりを残しますので、できればしない方がよいでしょう。

そうではなく、故人への思いが自分の中で整理でき、遺品を処分しても心が乱されるようなことがなくなった段階で遺品整理をするのが最も望ましいともいえるのです。

ただし間の期間が長くなればなるほど、遺品整理が面倒くさくなってしまうこともあり得ますから、自分の中で期限は決めておいた方がよいでしょう。

形見分けはいつする?

遺品整理はいつからの画像4
この遺品整理の上で大きな場面になるのは形見分けです。
それはいつのタイミング行うのがベストなのでしょうか。

形見分けを行う時期

形見分けの時期は特に習俗的にも宗教的にも、そして相続税の対象になるような貴重品を除けば、法的にも決められていません。
しかし、一般的には上で書いたように四十九日法要などの法事に合わせて行うのが最もスムーズです。

ただし四十九日は仏教の法要ですから、帰依している宗教によってはほかのタイミングになります。

たとえば神式の場合は五十日祭や三十日祭などですし、キリスト教の場合は1ヵ月命日の追悼ミサなどでしょう。

このタイミングで形見分けを行うことは、遺族が多く集まるという物理的な利便性だけではなく、故人への思いを遺族全員で共有し、いったんその忘れがたい思いに区切りをつける、という意味でも重要な儀式になります。

形見分けで気を付けたい4つのポイント

形見分けを行う際も4つのポイントを解説します。

1.贈与税がかかるか把握しておく

1つは相続税と贈与税の問題です。
相続税は、金融商品や高額な骨とう品などが対象になるというイメージがあるので、注意を忘れることはありませんが、見落としがちなのが贈与税なのです。

贈与税は、1年間に受け取った財産の時価合計が110万円を超えると課税されます。
したがって高額なものを形見分けする場合や、ほかからも何らかの金品を贈与されている場合は気をつける必要があります。

2.遺産分割を完了しておく

形見分けの対象となる遺品の中には、相続の対象になるものも多いです。
特に貴金属、骨とう品、宝飾品などはその対象です。

それらの遺品があって、なおかつ相続人が複数いる場合は、その遺品は遺産の一部なので、遺産分割が行われないうちは、相続人全員の共有物です。

したがって、形見分けでのトラブルを防ぐためには、まず遺品から遺産に該当するものだけを抜き出して、それらの遺産分割を終え、法的に処理してから、残った遺品に対して形見分けを行うようにしましょう。

3.無理に形見を押し付けない

故人と親しくしていた人に、故人をいつまでも覚えていてほしい願いから、形見分けを受け取ってほしいという思いを抱くことはあるでしょう。

ですが、相手の気持ちや都合を考えずについ押しつけになってしまうこともあり得ます。
実際はこちらが思っているようには相手は思っていないことも多いのです。
あるいは親族を差し置いてそれらを受け取ることに遠慮を感じる人もいるでしょう。

ですから形見分けを無理に押し付けることのないよう気をつけましょう。

4.人に形見分けをする場合に包装をしない

また形見分けをした遺品は、相手に対するプレゼントではありませんから、きちんと包装をすることは返ってマナー違反です。
もしも包装する場合は、奉書紙か半紙などで軽く包む程度にしておいた方がよいでしょう。

遺品の片づけに手を付けられないときは

遺品整理はいつからの画像2
実家が遠距離の場所にある、仕事が忙しくて遺品整理の時間がとれない、体力的に辛い、などの場合には、遺品整理の専門業者へ依頼してもよいでしょう。
業者に依頼するときのメリット・デメリットを解説します。

業者に頼むメリット

・専門家なので短時間で整理できる
・遺品整理だけではなく、それに伴うゴミの処分、清掃、不用品買取までしてくれる
・自分自身の精神的、身体的負担が軽減される
・専門家なので貴重品を見逃さず探し出してくれる
・必要な物、不要品の仕分けが的確

業者に頼むデメリット

・費用が思った以上にかかる
・家の広さ、遺品の量によっては費用がかなり高額になる
・遺族の気持ちが十分に反映されないで、思わぬものまで処分されることがある

遺品整理業者の費用

業者に依頼する時に気になるのが費用です。
たとえば、故人の住んでいた家の遺品をすべてを整理することを依頼した場合の、間取り別の相場をご紹介します。

・1K 3万円~8万円
・1DK 5万円~12万円
・1LDK 7万円~20万円
・2DK 9万円~25万円
・2LDK 12万円~30万円
・3DK 15万円~40万円
・3LDK 17万円~50万円
・4LDK以上 22万円~60万円

これにゴミ屋敷化している場合の清掃や、故人の亡くなり方に伴う特殊清掃が必要な現場の場合は、さらに費用が掛かります。

遺品整理に着手する前に確認すること

遺品整理はいつからの画像5
自分で遺品整理をするにしても、業者に依頼するにしても、以下の、特に公的な手続きや金銭的な手続きのために必要な貴重品、あるいは葬儀などのまつわる故人の遺志を示す書類は、事前に自分で探し出しておくことが必要です。

相続や手続きに必要な書類を捜索する

まず相続や役所関係、金融関係の手続きをするために必要な書類や貴重品は絶対に見つけておきましょう。
具体的には以下のものです。

・印鑑、実印
・銀行の通帳、キャッシュカード
・マイナンバーカード、住基カード、印鑑証明カード
・年金手帳や年金関連書類
・生命保険、損害保険などの証書
・土地や家など不動産の権利証や登記原本
・株などの有価証券、金融資産に関するメモ
・貴金属や宝飾品、金塊など換金性の高いもの
・健康保険証、運転免許証、パスポートなどの個人証明書類
・電気、水道、ガスなど公共料金の領収書、請求書
・電話、インターネットの領収書、請求書
・借入金に関する借用書、返済履歴、金銭消費貸借契約書

遺言書やエンディングノートなど故人の遺志を示す書類

遺言書は遺産相続や形見分けなどに、法的にも絶対に必要なものなので必ず有無を確認しましょう。
また葬儀の方法や、参列者への選択などの故人の遺志が確認できるやエンディングノートなども見つけておきましょう。
これらの存在は、遺族間のトラブルを防ぐためにも必ず確認が必要です。

遺族に合意をとっておく

後々のトラブルを防ぐため、遺品整理は遺族全員がそろった場面で行うことが望ましいです。
ただし、遺品整理に物理的な時間がかかる場合には、貴重品や高価な品だけ先にピックアップしておくか、あるいは事前に遺品整理の方針や各遺族の意向を確認したうえで、数人の遺族で行うようにしましょう。

遺品整理は計画を立ててから行う

高齢で亡くなった場合はどうしても遺品が多くなりがちです。
さらには、写真や想い出の品物を発見すると、感情が乱れてなかなか遺品整理が捗らないことも多いです。

しかし、いつまでも遺品整理に時間をかけることもできませんし、遠距離から遺品整理のために来ている遺族がいる場合もありますから、事前に計画を立てて効率よく遺品整理を行いましょう。

遺品整理はどこから手を付ければいい?

遺品整理はいつからの画像6
その遺品整理の計画として重要な点は、どこから手を付けるかということです。
それにはたとえば、以下のような観点で考えましょう。

最初に片付ける場所を決める

遺品整理は一気にすべての部屋で行うことは不可能です。
ですから、まず家のどの部屋から始めるかを決めます。
貴重品がありそうな居間や寝室を優先するのが良いでしょう。

さらに重要な点は、片付ける部屋を決めたら、その部屋の整理が終わるまで次の部屋に移らないようにします。

すべての遺品をいったん出す

整理する部屋を決めたら、その部屋の収納個所に入っている遺品をいったんすべて部屋の中に出しましょう。
一見収拾がつかなくなるような気がしますが、そうしないとその部屋の遺品のボリュームと内容が分からないためです。

これをしておかないと、次の部屋の整理に移ってから、またある遺品を探しに前の部屋に戻る、などの非効率的なことが発生します。

遺品を3つに分類する

そしてすべての遺品を出したら、それらを「必要」「不要」「保留」の3つに分類します。
分類の判断は3秒以内に行い、それ以上悩むようなら「保留」にして、どんどん先に進みましょう。

「保留」の遺品はダンボールなどに一括で入れておき、1週間や1ヶ月など一定期間置いて、余裕がある時間に再度整理をします。

不要なものはできるだけ早く捨てる

「不要」と判断したものは、その場でビニールのごみ袋に入れ、可能な限り早く捨てます。

もちろんネットオークションやフリマで売るという考え方もありますが、その実施日が確定していない中で残しておいてしまうと、いつまでのその不要物が残ったままになり、結局時間が経ってから再度捨てる、ということにもなりかねません。
フリマが好きだったり、ネットオークションに頻繁に出品しているのであれば別ですが、そうでなければ高価なもの以外は、せいぜいリサイクルショップに持ち込み、売れるものは売り、残ったら捨てる、くらいの段取りで進めましょう。

収納は既存のもので

「保留」の段ボールができあがり、「不要」な遺品を処分したら、残ったものは「必要」なものばかりですから、最後にそれらを収納することが必要になります。

その際に重要な点は、収納のために新たな収納グッズを購入してしまわないようにすることです。
それをすると遺品整理よりも整理後の方が場所を取られてしまう危険性があります。
ですから収納はそれまで使っていた既存のものを利用するようにしましょう。

それでも収納グッズが必要な場合は、決して余裕のある大きめのものは買わずに、「必要」な遺品が入る最小のものをにしましょう。
収納に余裕があると、そこを埋めようという心理が働き、「保留」から「必要」に移る遺品が増えてしまいます。

まとめ

断捨離だけで1冊の本ができ、それがベストセラーになるほど、不用品の処分は誰も苦労します。
ましてやそれが自分の思い入れが深い親のものであればなおさらです。

しかし遺品は残しておいたからといって、思い出の助けにはなってもそれ以上に何かを生み出すことはありません。
本当に必要なもの以外はすべて処分したり、形見分けをしたりしてしまう方がよいのです。

その代りに故人の「モノ」ではなく故人への「思い」をいつまでもしっかりと持っているようにしましょう。そしてそれと並行して、以上で解説した時期や方法を参考に思い切って遺品整理にしていくことをおすすめします。

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