香典は、故人に対する供養として線香やお花の代わりに供えるものです。葬儀という突然の出費に対し、お互いに助け合うという意味もあります。
急なお悔やみ事があった場合、遠方だったり事情があったりして通夜や告別式に参列できないことがあります。香典は通夜や告別式に持参するものですが、どうしても参列できない場合、郵送することもできます。
ただ、マナーを守らずに郵送すると、ご遺族に不要な手間や負担をかけたり、失礼になったりすることがあります。きちんとマナーを守って送るようにしましょう。
香典を郵送する方法やマナーについてまとめました。
香典を郵送する手順
1.香典を準備する
香典は不祝儀袋に入れます。現金を現金書留の封筒に直接入れるのはマナー違反です。
新札ではなく、折り目のあるお札を入れることや表書き・中袋に住所・氏名・金額等を書くことなど、通夜・告別式に持参する場合と同じようにします。現金書留にも住所・氏名を書きますが、香典袋への記入を省略することはありません。
2.手紙を書く
お悔やみの手紙を書いて同封します。ご遺族に対するお悔やみの言葉と参列できないお詫び、同封した香典を御霊前に供えるようお願いする旨を記します。
お悔やみの手紙が弔電と重複するようですが、弔電を省略することはしません。香典の郵送は通夜・告別式に間に合わない可能性があります。そのため弔電を送り、葬儀当日に間に合うようお悔やみを伝えるのです。取り急ぎ弔電を打った後、香典にお悔やみの手紙を添えて送るのが望ましい方法です。
お悔やみの手紙は、「不幸が重ならないように」ということから一枚の便せんにおさめるのがマナーです。また、封筒も二重ではなく一重のものを使います。
3.香典と手紙を同封して現金書留で送る
宛名は喪主になります。ただし、故人としか親交がなく、喪主の名前がわからないという場合は「○○○○様ご遺族様」とします。
送り先は、必ず喪主の自宅にしましょう。斎場に送った場合、現金書留は日時の指定ができないため、斎場にご遺族がいないという可能性があります。現金書留は本人でなければ受け取れないため、斎場のスタッフが預かることができません。
友人の親が亡くなった場合など、本人や喪主と面識がなく、住所もわからないという場合、付き合いのある友人の住所に喪主宛で送るようにします。
まず最初に確認を
家族葬などでは香典を辞退するケースが増えており、そういう場合は送るとかえって返礼品を準備しなければならないなど迷惑をかけることになります。事前に送ってよいか確認しておきましょう。
香典を辞退していても、何かお悔やみの気持ちを表したいと思うかもしれません。そういう場合は、お線香や果物をお供え物として送ってもよいでしょう。
香典を送るタイミング
葬儀の後、1週間以内に到着するよう送るのがよいでしょう。
急いで送ったほうがよさそうですが、お葬式前後は非常に取り込んでおり、かえって余分な負担をかけることになりかねません。特に葬儀当日は家族が誰も自宅にいない可能性があります。
また、葬儀費用の清算や香典返しなどはだいたい35日ぐらいで落ち着きます。それ以降に香典が到着した場合、改めて香典返しの準備しなければならないなど、ご遺族に負担をかけることになります。遅くとも1ヶ月以内に届くようにしましょう。