無宗教の葬儀(無宗教葬)とは、特定の宗教(宗旨・宗派)の決まった葬儀方法や伝統的な作法で葬儀を行わず、宗教者による葬祭行為(読経や説教)もない自由な形式・式次第で故人とお別れする葬儀のことです。
「自由葬」と呼ばれることもあり、葬儀社によっては「プロデュース葬」ということもあります。
「自由葬」は、仏式、神式、キリスト教式などの宗教による葬儀形式で決められた通りに行う葬儀ではなく、故人の死を悼む遺族、近親者、友人などの想いを反映した自由なスタイル、演出で行う葬儀です。
無宗教葬のスタイル
無宗教葬、自由葬で見られる葬儀のスタイルの例としては、以下のようなものがあります。
・ 音楽葬
故人が好きだった音楽をかけたり、演奏家を招いて音楽を演奏してもらって葬送するものです。
・ 生前に愛用して故人の思い出の品を飾る
・ 参列者で故人の思い出を語り合う
・ 故人が好きだったお茶とお菓子で偲ぶ
自由葬では、以上のようなスタイルで、どうすれば故人らしい葬儀になるだろうかと考ええて形にしていきます。
無宗教葬の流れ(例)
- 参列者入場――入場の際に、故人の好きだった曲を流したり、生演奏により出迎えたりすることがある。
- 開式の言葉――司会者などが開式を告げる。
- 黙祷――生前の姿を偲び、全員で黙祷を捧げる。
- 経歴紹介――故人の経歴や趣味、思い出などをナレーションやビデオを使って紹介する。
- 献奏――読経の代わりに、故人が好きだった音楽を生演奏したり、曲を流したりする。
- 弔辞(お別れの言葉)――親しい友人、親族、家族などがお別れの言葉を述べる。
- 弔電紹介――送られてきた弔電を数通読み上げる。
- 参列者への挨拶――遺族代表が参列者へ感謝の挨拶をする。
- 献花――故人が好きだった花を手向ける。喪主、遺族、親族、参列者の順に行う。
その際、故人が好きだった音楽を生演奏することもある。 - お別れ――棺に花や愛用の品を入れながら、最後のお別れをする。
- 閉会の言葉――遺族代表が閉会を告げ、葬儀を終える。
- 出棺――火葬場から出棺し、身内を中心に火葬場に向かう。
- 会食――火葬後、食事を用意し、遺族が親戚やお手伝いの方にお礼を伝える。
無宗教葬の注意点
無宗教葬は、形式が自由なため、家族だけでは、どうすれば自分たちらしいお別れなるかイメージできないことが多いようです。
自分たちらしいお別れの場をつくるには、家族の要望をしっかりくみ取り、様々な提案をしてくれる葬儀社を選択することが大事になります。
また、無宗教葬を行う場合、供養をどうしていくかを考える必要もあります。無宗教で行うと、仏式の戒名、焼香、位牌や49日、1周忌といった法要は無いからです。
命日には家族で集まる、お墓は俗名で刻む、など、自分たちでどのように供養するかを考え、決めなければなりませんし、親族の理解も必要です。
無宗教葬を選択する時は、こういった点にも注意しましょう。