日本は、他国に比べて礼儀やマナーを重視する習慣があります。
特に不幸の場合には、縁起が悪いことはタブーとされています。
ここでは、お葬式で使っていけない言葉や注意しなければならない発言について述べたいと思います。
特に気をつけなければならない5種類の言葉
大きく分けて、以下の5種類には注意が必要であると言われています。
1. 重ね言葉(繰り返しや不幸の連続を連想させる言葉)
・ 重ね重ね
・ くれぐれ
・ 度々
・ しばしば
・ ますます
・ 次々
・ 再び
・ 追って
・ 繰り返し
2.「死」に直結する言葉
・ 死
・ 死亡
・ 死去
・ 亡くなる
・ 自殺
・ 生きているときは
・ 存命中
仮に使用しなければならない話になった時には、「死亡」は「ご逝去」、「存命中」はなどは「お元気だったころ」「ご生前」などと言葉に置き換えます。
3.安易な励ましの言葉
・頑張って
・ 元気出して
・ 暗い顔しないで
・ しっかりして
お葬式の段階では、遺族はまだ悲しみの中にいます。元気づけるような言葉は、逆に遺族の負担になりますので使用しないようにしましょう。
4.後悔させるような言葉
・ あの時、○○していれば…
・ どこの病院に入院していました?
・ あんなことがなければ…
いまさら言っても仕様がないことを言って、遺族に後悔の念を持たせないように注意しましょう。
5.不吉なことを連想させる言葉
・ 四(し)
・ 九(く)
・ 消える
・ 落ちる
・ つらい
・ とんでもない
・ 浮かばれない
・ 迷う
お葬式の場に慣れている人は少ないため、ポロッと思わぬ発言をしがちですが、その言葉が遺族や他人を傷つけてしまうかもしれないのです。日頃から言葉には気をつけて発言するようにしましょう。
宗教によって避ける言葉
死者を悼む言葉であっても、宗教によっては避けたほうがよい言葉があります。
ご冥福をお祈りいたします
よく使われる言葉ですが、神式やキリスト教式の葬儀では使うべきではないとされます。また、仏教でも浄土真宗は使いません。
お悔やみ申し上げます
キリスト教では、死は永遠の命の始まりと考えられています。そのため、「お悔やみ申し上げます」「御愁傷さまでございます」といったお悔やみの言葉は必要ないとされます。
天国で安らかに
違和感なく使いがちな言葉ですが、「天国」はキリスト教やイスラム教の言葉で、仏教では使いません。
宗教的な違いは知らない方が多いですし、一番大切なのは「こころ」ですから、故人やご遺族を思っての言葉であればとがめられることはないでしょう。とはいえ、お葬式はデリケートな場ですから、ご遺族に配慮した言葉づかいを心がけましょう。