葬式の日取りは、お通夜の翌日が一般的ですが、例外もあります。様々な理由から日取り方法が変わってきますので、手順を知っておくのはよいと思います。
また、先勝、友引、先負、仏滅などの六曜を考慮して日程を決めるケースもあります。告別式やお通夜の形式や火葬場、僧侶、親族の日程なども調整する必要があるため、日取りでバタバタする家もあるでしょう。
今回の記事では、
- 葬式の日取りの基礎知識
- 葬式の日取り方法の流れ
- 葬儀と六曜の関係
- 六曜の種類と特徴
をご紹介します。
葬式の日取りはいつにするべき?
告別式は、基本的にお通夜の翌日に行われます。
厳密には、人が亡くなった場合、まずは通夜が行われ、その後、告別式が行われる流れです。
お通夜を行うためには、まず会場などを決めなければいけません。会場を決めるとなると、葬式の形式や火葬場の日程調整も進めて行かなければいけません。
バタバタ慌ただしい中で、葬式の日取りをしなければいけないのと、会場や焼き場、僧侶の手配なども含めて考える必要は、なかなか希望通りに進まないものです。
しかし、手順をよく知って冷静に進めていけば、スムーズに日取りができるはずです。
お葬式の日程の決め方
親類や身近な人が亡くなったら、まず、告別式やお通夜の日程を決める必要があります。
もしもの時に備えて、お葬式の日取り方法を知っておくとよいでしょう。そこで、スムーズに葬儀の日程を決めるための手順を解説していきます。
火葬場の予約をする
葬式の日取りでは、まず、はじめに火葬場の予約を入れます。
お通夜の翌日に告別式を行う設定で火葬場の空き状況を確認し、空いている日に予約を入れる流れで進めていきます。
なぜ、葬儀の日取りの前に火葬場の予約をするのかでしょうか。
それは、葬儀の日に火葬を行うのが常識になっているからです。
葬儀の費用を先に決めてから火葬場の予約を入れると、焼き場が空いていなかった時に、もう一度日取りをし直さなければいけません。
そのような二度手間を防ぐために、火葬場の予約を入れてから、告別式やお通夜の日程を決める流れになっています。
僧侶と日程の打ち合わせをする
火葬場の日程が決まったら、僧侶と日程の打ち合わせをします。
葬式が仏式の場合は、菩提寺や普段お世話になっているお寺の僧侶に執り行ってもらうのが一般的です。
そのため、まず、僧侶と打ち合わせをしてから、具体的な会場を決めていくと流れがスムーズです。僧侶と日程の打ち合わせをする時は、希望日の候補を3つ程度決めておくと、スケジュールが決定しやすいです。
仮に、僧侶と予定が合わない場合には、最終手段として、同じ宗派の他のお寺の僧侶を紹介してもらう方法もあります。
どうしても僧侶と予定が合わせられない場合は、葬儀場に相談するなどの対策を行いましょう。
葬式の形式や会場を決める
焼き場の予約、僧侶との打ち合わせが完了したら、葬式の形式や会場を決めます。葬式の形式には、主に一般葬と家族葬の2種類あります。
- 一般葬とは友人や会社の同僚なども招いて行う葬儀
- 家族葬とは家族や身内だけで行われる葬儀
2種類のどちらを選ぶかによって葬儀の規模が違ってくるので、それに伴い、費用も大きく変わってきます。
一般葬は家族葬よりも出席者数が多いため、規模が大きく費用が高くなります。
葬式の形式が決まったら、会場を決めていきます。葬式を行う会場は自宅や葬祭場、お寺などがあります。親族の希望や家葬式の形式に合わせて会場を決め、具体的なスケジュールを決定していきましょう。
六曜に合わせて決める
六曜とは、その日の運勢を表す中国からきた暦注です。カレンダーや手帳を見ると、大安や仏滅などの小さな文字が記載されていますね。つまり、これらが六曜を示す曜日の名前なのです。
この六つの曜には、それぞれに吉凶があり、葬儀の場合は友引の日を避けて日取りをするケースが多いです。その影響で友引に休む焼き場が多く、友引の翌日の友引明けは火葬場が混み合って予約が取りにくいことが多いです。
逆に、仏滅は「仏事はよろしい」と言われており、仏滅に合わせて日取りを行うケースが多く、葬儀場も火葬場も混み合いやすいです。
六曜は、あくまでも迷信ですが、六曜を配慮して日取りを行う家もあるので、知識を深めておくと役立ちます。
葬式の日取りで知っておきたい六曜の種類
六曜は、六つの種類によって、その日の運勢が変わるため、種類とその順番が重要視されています。葬式のスケジュールにおいても、家や地域によっては重要視されるので、それぞれの種類の順番と特徴を知っておくとよいでしょう。
6種の曜の順番と特徴を説明していきます。
1.先勝(せんしょう・さきがち)
先勝は、「先んずれば即ち勝つ」と言う意味で何事においても急ぐ方が吉であると言い伝えられています。昔は「速喜」「即吉」とも呼ばれていました。
「午前中に行うことは吉で午後2時から6時までに行うと凶」とされており、午前中が吉、午後2時~午後6時までが凶です。
2.友引(ともびき)
友引は、「凶事に友を引く」という意味で、葬式においては故人と仲のよかった人が呼び寄せられるとのジンクスがあり、この日の葬儀は避けられる傾向にあります。
そのため、友引の日は火葬場は休業していましたが、近年は友引休業を廃止する動きも出てきています。
元々は、「共引」と書かれており、勝負が引き分けになる日と言う意味がありましたが、現在の意味のほうがメジャーになっています。厳密には、朝は吉、昼は凶、午後は大吉です。
3.先負(せんぷ・さきまけ)
先負は、「先んずれば即ち負ける」と言われている日で勝負事などは避けるほうがいいと言い伝えられています。厳密には、午前中が凶、午後が吉になりますが、葬儀などの仏教行事とは無関係です。
4.仏滅(ぶつめつ)
仏滅は、「仏も滅する(滅亡する)凶日」と言われており、最も凶の日とされています。そのため、祝い事は避けられることが多いです。逆に、「仏事は良い」とされているので、葬儀は仏滅の日によく行われています。
元々は「虚亡」「空亡」とされていたところから「物滅」となり、「物が一度滅び、あらたに生まれる」として、物事を始めるのには良い日とも言われるようになりました。
5.大安(たいあん)
大安は、六曜の中で一番吉の日とされており、「大いに安し」という意味を持っています。そのため、お祝い事でもお悔やみごとでも、吉日としてよく選ばれています。
ちなみに四字熟語の「大安吉日」の語源にもなっているほどなので、とても良い日なのです。
6.赤口(しゃっこう・せきぐち)
赤口は、赤から血や火を連想されるため、火事や刃物に気をつける日だとされています。
葬儀のスケジュールとしては、避けるべきということはなく、あまり気にする必要はありません。
正午頃のみが吉で、そのほかの時間帯は凶です。厳密には、午前11時ごろから午後1時ごろのみが吉で、それ以外の時間は凶とされています。
葬式の日取りと六曜の関係性
六曜を基本に葬式の日取りをしなければいけないという決まりはありませんが、告別式とお通夜の日程に六曜は、どのように関係しているのか?と気になる方も多いのかもしれません。
ここで、葬儀の日程と6種の曜の関係性について、みていきましょう。
お通夜は先勝を避けるべきか
葬儀の前に行われるお通夜は、先勝の日に行わないほうがいいという考え方があります。その理由は、翌日が友引に当たるからです。
先勝自体の意味の中には、お通夜を行わないほうがいいとの考えはありません。
しかし、葬儀が友引の日でも構わないのであれば、お通夜の先勝についても気にすることはないでしょう。
葬式は友引を避けるべきか
6種の曜から見ると、友引に葬儀を行うのはタブーとされています。しかし、六曜に関係なく、友引に葬儀を設定する人も多く存在します。
そもそも友引は「友を引く」と言う意味から、参列した友をあの世に引き込まないようにとの考え方で葬式や告別式を行わないとされていました。
しかし、友引にはもう一つの意味もあります。それは、「共引」と書き、引き分けと言う捉え方です。つまり、「共引」の観点からすると友引に葬儀を行っても、問題はありません。
友引の日の葬儀に関しては、その地域や家々の風習も関係してくるので、まずは家族や親族と相談しましょう。友引に休日の設定をしている火葬場も多いので、スケジュール調整の観点で考慮する必要もあります。
六曜の上での友引がどうしても気になる場合、友人形と言う身代わりの人形を棺に入れる風習もあるので、地域の方達に尋ねてみてもよいと思います。
お通夜の日取りと六曜の関係性
お通夜と葬儀を合わせて葬式と言うため、お通夜の日取りも大事です。そのため、お通夜の日取りの上でも6種の曜を気にする人が多いです。
葬儀の日程との兼ね合いで六曜を考慮し、お通夜の日程を決めることもあれば、お通夜のみを考えて六曜にて良い日に日取りをするケースもあります。
例えば、大安は葬儀だけではなく、お通夜の日としても良いと言われています。
大安は、何をしても良い日だとされているので、お通夜の日に選ばれることが多いです。
ならびに、友引のお通夜は問題ないと言われています。
葬儀の日程は、友引を避けることが多いですが、お通夜は問題ないと考えられており、お通夜を友引に行う人が多いです。
まとめ
葬式の日取りについて解説しました。葬式の日取りは、火葬場や僧侶、親族、葬儀場のスケジュールを見ながら、慎重に進めていくべきです。日取りの際には、六曜を気にする風習もありますが、最近は気にしない人の方が増えてきています。
風習については、地域や家のやり方もあるため、相談しながら決めていきましょう。故人と心ゆくまでお別れができるようにするためにも、葬式の日取りはとても大切です。